「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

中南米モバイル総まとめ 2000.11.25

 中南米を旅行し、モバイルするにあたって各国毎の詳しい情報は今までにも色々なコラムに書いてきましたが、それでは中南米を周遊しモバイルする時に、実際何が必要で、どれだけお金がかかって、どうやったら接続出来るのだろう?と言う全体的な視点からの情報が必要なのではないかと思いました。

 中南米でモバイルする人への総合的な情報をこのページでは提供します。

パソコンの機種選択は?

 海外モバイルのためのパソコンを選ぶ時のポイントは、「大きさと重さ」と「電源」と「頑丈さ」です。まず一番目の「大きさと重さ」は非常に重要なポイントです。旅先ではHP作成がメイン作業になりますので、CPUはPentium200Mhzもあれば十分。CPUスピードを犠牲にしても極力小さくて軽い物を選びましょう。しかし小ささを重視し過ぎてキーボードの打ちづらさが犠牲になっては本末転倒です。旅に出ると、メールやHP作成などをするので日本では考えられなかったほどキーボードを酷使する様になるのです。キーボードの打ち易さも、もう一つのポイントとなります。


VAIO C-1。一年間の中南米旅行中ほとんど壊れずに良く働いてくれた。

 そして電源。パソコンの電源が必ず100V-220Vのワールドボルテージ対応の物を購入してください。最近のノートパソコンだったらほとんどワールドボルテージ対応のACアダプターが付いていると思いますが、ちゃんと確認して購入しましょう。また、パソコンと同時にチェックしたいのがCD-RやCD-ROMの電源。CD-RやCD-ROMは出来るならばPCMCIAソケットから電源が取れる物がベスト。そうでなければそれらの電源もワールドボルテージ対応の物を購入するのがいいと思います。

 そして結構重要なのが頑丈さ。店頭で持ってみて柔らかそうな感じのする物は避けた方がいいでしょう。移動中や、パソコンを持って歩く機会が非常に多いので出来るだけ頑丈そうな物を選びましょう。パソコン自体の強度が足りないために旅行中に壊れてしまったと言う話を何度か聞きました。

 また、バッテリーの持ちも考えたいポイントの一つ。海外モバイルの場合、基本的にパソコンを使用するのは宿の中なので、宿にコンセントさえあればバッテリーの持ちは特に問題にならないのですが、私達のようにしばしばコンセントのない宿に泊るような場合、バッテリーがある程度持つといいなぁと思うことがあります。また宿を出て、インターネットカフェで自分のマシンを使用する場合など、バッテリーが持てばACアダプターを持って行かなくてもいいので楽です。しかし総じて長時間持つ大容量バッテリーは重いので、その不便をガマンして軽量バッテリーと言う選択も良いかもしれません。

 私達は、SONYのVAIO C-1と、CASIOのFIVAを持って行きましたが両方とも私達が使用している分には問題なく使用できました。

周辺機器は何を持って行けばいいか

 長期間にわたってモバイルする場合、CD-ROMと、FDDは必須です。CD-ROMはシステムが万が一壊れた際の復活のためですが、現地で購入したCDを読む際や、旅のMP3を作る際に非常に役立ちます。長期間旅行するのであれば、バックアップ用としてCD-Rを持って行く事を考慮した方がいいと思います。デジカメのデータは旅をしていればすぐにいっぱいになってしまうものです。HDDだけにデジカメデータをため込んでおいて万が一の事があったら泣くに泣けません。回線が確保出来るならばFTPする方法もありますが最近のデジカメは一枚毎の容量が非常に大きいのであまり現実的ではないでしょう。旅先でCD-Rを焼いて日本に送っておけば万が一の際に安心です。


コンセント付き電球ソケット。こんなのもあると便利。

 FDDは簡単なデータ保存、データ交換用として非常に便利です。FDDが使えないとインターネットにHPをUPできないと言うケースもありえますので持って行った方がいいと思います。

 中米を旅行する分には特に必要ありませんが、南米も旅行するのであれば、コンセント変換アダプターは必須です。日本のコンセントの3つ口。そしてコンセント付き電球ソケット。この3つがあれば電源で困る事はまずないはずです。

 10BASE-TのLANカードもインターネットカフェでLANを間借りする際に必要なので持って行った方が良いでしょう。

 デジカメを持って行くのであれば、ワールドボルテージ対応ニッケル水素充電器、充電池があると便利。乾電池は第3世界で高いものの一つです。旅行を安く上げるには充電池を持って行った方がいいと思います。

 モバイル用品のページに必要な物、必要でない物をまとめておきましたのでこれとあわせて参考にしてください。

 

現地の治安

 現地の治安はメキシコ以南の中南米全域にわたって良くありません。特に首都、大都市の治安は悪いと思って間違いありません。治安がいいと言われている国でも、首都は危険だと言われるのです。極力物を持って移動しない、持つのだったら必要最小限の物を持って行く、夜中は極力外出しないと言う事を念頭において行動しましょう。


ダメ警官もいるが、親切な警官もいる。ペルーのツーリストポリスはとても親切だ

 現地の治安だけでなく、警官の質が悪い場合も良くあります。適当な口実をつけて賄賂を要求して来たりしますが、警官に対していくら頭に来ても絶対に反抗しないようにしましょう。警官はあなたを拘置所に入れる権限を持っています。

 中南米でしばしば見かけるのがニセ警官と言う奴。ニセ警官は通常2から3人で現われ、外国人であるあなただけをターゲットにしてやってきます。ニセ警官は一応身分証明書らしき物を持っているのですが、それは偽物なので、瞬間的にしか見せません。ニセ警官か本物の警官かを判断するには、身分証明書をちゃんと見せたかどうかが判別の手がかりになります。

 また、その身分証明書を現地の人に見てもらうのも手ですし、あなたが数人で行動しているならば誰から本物の警官を呼んで来ると言う方法もあります。また、ニセ警官がボディチェックとしてパスポートや現金(奴らはこれが目当て!!)を見せてくれといったら、ここでは見せられないので警察署へ行こうと言ってみてください。

 ニセ警官だと思っても、いきなり反抗的な態度に出ると、万が一本物の警官だった時にまずいので慎重な対処が必要です。

一日どれだけ持っていけばいいか

エクアドルで100$両替したらこんなに紙幣が来た。

 一日どれだけ持って行けば良いかと言うのは個々人の旅行スタイルによって大幅に変わりますが、私達のように現地人と同じご飯を食べ、現地でも安い部類の宿に泊る場合、中米だったら1日1人2000から2500円。メキシコ&南米だったら2500円から3000円。南米の中でも非常に物価が高いベネズエラとアルゼンチンは例外で1日1人5000円は見ておいた方がいいと思います。

 各国毎の細かい物価、私達が実際に一日どれくらいかかったかはお金の記録総まとめを参考にしてください。

現地での接続方法(電話)

 中南米全域でRJ-11モジュラーを使用しているのでモジュラー変換アダプタはいりません。もしRJ-11モジュラーを使用していない所でも、FAXのジャックは必ずRJ-11タイプなので心配ありません。

 現地で電話を使って接続する場合、iPassか、Gric、もしくはAOL、AT&T等の現地にAP(アクセスポイント)を持っている業者と日本で契約して行く必要があります。AOLとAT&Tは北米方面には非常に強いものの、中南米方面はそんなに強くないので現地での接続に苦労する場合があります。

 iPassやGricも国によってはAPがなかったり、繋がらなかったりと言うケースがしばしばありますのでiPassだけの契約、Gricだけの契約は極力控えた方が無難だと思います。iPassやGricと契約するにはBiglobe等のiPass、Gricと提携している日本のプロバイダと契約する必要があります。各プロバイダ毎に海外ローミング料金等に大きな違いがありますので色々比較してから契約しましょう。

 その他の情報はモバイルHow-Toにも載っています。併せて参考にしてください。

現地での接続方法(インターネットカフェ)

ブラジルのカフェ。ブラジルはカフェの絶対数が少なく、接続にちょっと苦労する

 中南米での私達のメイン接続手段は、インターネットカフェのLANを間借りするという方法でした。メキシコ以南の中南米では、インターネットカフェの普及率が非常に高く、電話で接続するよりも安く、安定した回線を提供してくれます。

 インターネットカフェでの接続には10BASE-TのLANカードと多少のネットワーク知識が必要になります。ネットワーク知識がない場合でも、パソコンを持って行くと店員さんが全て設定をしてくれる事もありますので(中南米の人達は親切です)、とりあえずLANカードだけは忘れずに持って行きましょう。

 インターネットカフェでのLANの使用法は誰でも出来る、南米での簡単LAN接続!!と、インターネットカフェの使い方(LAN編)を参考にしてください。

中南米の旅を終わって

 メキシコ以南のラテンアメリカのほとんどの国でインターネットに繋ぎ、HPを作ったり、メールのやり取りをしてきましたが、終わってみての印象は「中南米での海外モバイルは簡単だった」と言う事でしょうか。

 日本を出る前、「あれが必要なのではないか?」、「これが必要なのではないか?」と色々購入し、日本を出るときには「海外で全然繋がらなかったらどうしよう…」と不安になった事もありました。海外モバイルをするにはどうすればいいのか知らない事だらけで、不安ばかりが先に立っていました。

 しかし現地に来てみれば、電話屋さんはあるわ、モジュラーはRJ-11だわ、インターネットカフェはあるわと言う事で、まったく接続には苦労しませんでした。「俺、何あんなに心配してたんだろ」と笑ってしまうくらいです。確かに大きな街を外れるとAPが遠かったり、ベリーズのような国ではAPがなかったりということもありましたが、それは近くの大きな街や、別の国に移ればいいだけの事。全然インターネットにつなげなくて困ると言う事はほとんどありませんでした。

 これから私達はヨーロッパを抜け、アラブ、そしてアジアへと向かいますがはてさて南米のように簡単に接続できるのでしょうか?ちょっと楽しみでもあり、心配でもあるのです。 

モドル