「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記タイ編

2001.1.30(火)

 そして、サイは振られる。後ろ髪を引かれる思いで、午前10時ちょうど発、バンコク行きの飛行機に乗る二人。もう、後戻りはできないのだ。昨晩、一睡もしていない二人。座席に座るや否や深い眠りに陥る。ご飯と飲み物を配っている時、かろうじて起きていたに過ぎず、気がついたらすでにバンコク到着30分前。こんなに楽なフライトは初めてかもしれないと思ったほどだった。

 入国はすんなり終了。荷物も無事付いて来た。そして、クーラーの効いた空港の自動ドアをくぐる。モアッと熱風が体を包む。一気に荷物が重くなるのを感じる。そんな感じで、氷点下の世界から一気に30度の世界へ放り出された。

 とりあえず、今夜の寝床を探すためにカオサン通りに向かうことにする。200バーツのタクシー、一人100バーツの空港バス?一人3.5バーツの市バス?いろいろあるけど何で行く?迷わず市バスと答えるうめちん。やっぱりなぁとうなずく私。クーラーが効いてそうな空港バスを横目に市バス乗り場へとぼとぼ歩く。

 カオサン行きの市バスは何番ですか?その辺のおばチャンに聞くと「59番」と言うので59番のバスを待つ。とにかく暑い。荷物も重い。早くこないかと思ってみても一向にやってこない59番市バス。やっとやってきた59番に乗り込む。すると「このバスはカオサンには行かない、降りろ」と次のバスストップで追い出されてしまった。そんな・・・その辺の少年に尋ねるとやはりカオサン行きは59番だと言う。後ろを振り向くと59番の市バスがやってきたので、聞くとカオサンに行くという。どうしたことだろう?不思議に思いながらもバスに乗り込む。先ほどのバスとは違い、クーラーが効いていて少し涼しい。椅子に座り、ほっと一息ついていると料金徴収のおばちゃんがサランラップの芯のような徴収筒をガチャガチャさせてやってきた。成田で両替した100バーツを渡すと、64バーツ帰ってきた。はて?市バスは3.5バーツじゃないの?そう思って、前に向かって歩くおばちゃんを引き止める。「釣りが足りない」というと「それでいいんだ」そう言われて、つり銭といっしょにくれたチケットを眺めると18バーツと書いてある。そうか、クーラー市バスだから高いんだ。とうなずくうめちん。なんだ、早くから言ってよね。

 カオサンまで、どのぐらいかかるの?「んー1時間くらいかな?」そんなに遠いのか?と思っていると急に走らなくなったバス。どうして走らないの?窓にびったり引っ付いて外を見ると、どこまでも車が並んでいた。渋滞・・・ちょこっと進んだかと思うと止まるを繰り返しているうちに辺りは薄暗くなっていく。空港を出発して2時間経過。なのに、カオサン通りには一向に着かず。バスを降りた頃には、とっぷり日が暮れていた。まばゆいばかりにネオン輝く夜のカオサン。なんだ、この街は・・・ちょっと圧倒されてしまった。

 少し歩き回って、こぎれいな割に料金が安く、フロントのお姐さんの愛嬌がいいので、この宿に陣を取る。そして、夜のカオサンへ。適当な屋台でぶっ掛けご飯、野菜炒めご飯、ソムタムご飯を食べ歩く。締めくくりにバナナシェイクジュースを飲んで宿へ帰る。ベットに倒れこむ。窓の外の謙遜はどこへやら。あれだけ眠ったのに眠くてたまらない。「シャワー浴びたら?」うめちんの声もすでに届かなかった。

K日記日本編2001年1月