「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記スペイン編

2000.12.6(水)

 そして、バルセロナへ。スペイン第2の都市は、明るい太陽が降り注ぐ海の街。さんさんと降り注ぐ太陽のと共に海風が強く肌に刺さる様に吹き抜ける。だから、寒いと言う感じの方が強かった。

 海よりのバスターミナルからセントロへ向かう。大量の荷物を背負っているからタクシーで行こうか?とも思ったが、ケチな二人は地下鉄の大量の階段をうんこらよっこいしょと荷物を持ち上げ降りていた。一気に暑くなり、手はひりひり言っていた。海よりのバスターミナルからセントロまでは、乗換えを1回しなくてはいけなかった。その度に荷物を持ち上げ、階段を登ったり降りたりする。セントロへは30分もかからないはずなのだが、2時間も3時間もかかった様な気がする。

 やっとセントロに着いた頃には息も荒く、へとへとになっていた二人。地上に上がるとたくさんの人が広場を行き来している。そんな中を大荷物ですり抜けて行く私達。余計に疲れがやってきた。締めくくりに宿の入り口までの階段。をヒーヒーイイながら手摺を便りに登る。部屋に着いき、荷物を降ろした瞬間、ベットに倒れ込んだ。グエー、ニモツガオモスギル〜。

 「まだ日も高い。だから観光に行こう」とめずらしくそんなことを言いながら、うめちんがベットから跳ね起きる。「観光なんて、どうしたの?」と言いながら、のそのそ起き上がる私。かくして、めずらしく観光なんぞに出かける二人。地図と地下鉄の回数券とカメラを持ってバルセロナの街へ。

 バルセロナと言ったら、なに?それは「ムセオ・デ・エロティカ」言うなれば「エロ博物館」かな?と言う、うめちん。なんだそれは?サグラダ・ファミリアじゃないの?・・・そういえば、地下鉄駅を出た瞬間から宿に着くまで「エロは世界に共通なんだよ」とか「人間はみな、エロに出来ている」とか突然、うれしそうにつぶやいていた。観光、観光と珍しいことを言うなぁと思っていたが、何のことはない、観光とは、このエロ博物館に行きたかっただけなのだ。お馴染みのボカディージョをかじった後、まっすぐエロ博物館へ向かううめちん。足がスキップを踏んでいる。「エロ博物館」の目の前には、先ほど階段を登りきった地下鉄駅の入り口があった。

 エロ博物館は、そのまんまエロだった。私の口では何とも言えないので詳しく聞きたい方はうめちんに掲示板とかで聞いてください。

 バルセロナと言えば、アントニオ・ガウディの「サグラダ・ファミリア」でしょうと訂正。地下鉄駅を出ると目の前にどーんと建っていた。私的には「世にも奇妙な教会で、120年程前に施工を始めたのに、あまりにも凝り過ぎた装飾とガウディの空想図面に建設資金不足に陥り、竣工を迎えるのは200年先になるという途方もない工期で施工者にやさしくない困った建物」にしか思えないが、取り合えず学割りでチケットを購入。足を踏み入れる。外側は、しっかり出来ていた。が、中は足場がかかった現場。タワークレーンが立ち、レールや鉄筋を上げ下げしている。そんな中の通路を一般人がヘルメットもかぶらず歩いている。何人の人が死んだか分からないであろうこの現場・・・

 エレベーターに乗りこみ、塔に登る。ぐんぐん上がるエレベータ。降ろされた場所の先には、まだ階段が続いていた。登るしかない。狭い周り階段を登り始める。数分後にとなりの塔へわたる橋が現れた。風がビュンビュン吹く中、そんな所を渡る気にはなれないが順路だからしょうがない。足元で子供が元気に遊んでいるなか、橋に突入。下を見れば、豆粒大の人間にミニチュアの家がびっしり詰まっているのが見える。自然と足がすくみ、腰が引く。この部分はいつ作ったんだか分からないが落ちないだろうなぁ・・・不安が過ぎる。

 無事に地上に戻ったと思ったら、また、別な塔へ登る。今度は階段で。中心の柱が無く壁の片持ち回り階段なのだが、手摺がないので自然と目が回り階段の中心を見てしまい、目が回り気分が悪くなる。登りきった時にはフラフラで足元がおぼつかなく危険な状態で塔と塔との橋を渡る。橋の上からは現場が見えた。木をかたどった屋根の上には、オレンジや苺などの果物のオブジェが取りつけられ、塔の一番先端には丸いボールが取り付けられている。橋のちょうど真中には、木のオブジェがドーンと立っていて、カラフルな電気が光りクリスマス一色と言う感じ。遠くの空は、うっすら夕方の空に変わりつつあった。

 地上に戻った時にはすでに暗くなっていた。博物館を見て、お土産コーナーに到着した頃には閉館の時間だった。太陽が当らないと非常に寒い。肩をちじめながら後ろを振り返ると、ライトアップされたサグラダ・ファミリアが綺麗だった。今日の観光はコレで終了。バルでビールを飲みながらご飯を食べる。日本語を話す変なおじさんがやってきて、しきりに話し掛けてくる。最初は不信がっていたが、おじさんはタダの酔っ払いだと言うことが判明。ビールをおごってくれたので、気分が良くなる。その足で、たくさんの人があふれる街を徘徊。

 そして行き当たったスーパーへ。オリーブにアンチョビ、プリンを籠に入れ、そしてワイン・・・と思ったがワインオープナーがないことに気がつく。ワインオープナーを買おうか?なんて思ったが結構高いので頭を抱える。パックワインを買おうか?なんて案下てると・・・フト目に入ったのは、シャンパン2本にグラス2つ付きで1200ペセタ(約600円位)のクリスマスセット。これだ!!コップも荷物の中から出すのがめんどくさいし、これならワインオープナーもいらないよぉ。このコップ後はどうするの?なんて気にせず、酔った二人は、目を輝かせ勢いでレジに向かう。なんだか楽しかった。

 宿で買ってきたシャンパンを楽しく開ける。そして、飲む、飲む、飲む。そして、私は、記憶がなくなった。

2000.12.5(火)