「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記スペイン編 2000.12.4(月) アルハンブラ宮殿への坂を登っている。行きはバスにしようと思ったが、ケチな二人にはバスに乗る事は出来なかった。でも、歩いてきて良かった。紅葉した木々のトンネル、石畳の道。時折、現われる噴水や銅像。歩いていて気持ちがいい。ちょっと得した気分になる。1日に入場5000人までと言う入場制限があるアルハンブラ宮殿。日曜日ともなると午前10時には、チケット売り場がしまってしまうと言われた。最近は、平日でも、正午にはチケットが完売してしまうのだ。前売りもあるらしいが、この坂をわざわざ上がって来るのはなぁ・・・綺麗だが、一度で十分のような気がする。 国際学生証も通用しなく、ここでは一般料金を払って入場。綺麗に整備された庭が目の前に広がる。 まずは、入場時間に制限がある「パレス・ナザレ」へ。広い庭。城壁の様に狩り込まれた木々が立ち並ぶ通路を延々歩く。大砲が現われ、カルロス5さんが金にものを言わせて作ったプラサを見て、制限時間ギリギリで「パレス・ナザレ」に滑り込む。 パレス・ナザレの中は、イスラム建築がちりばめられていた。細密なタイルによるイスラム模様に始まり、白壁を細かく掘り込んだ、イスラム模様。そして、豪華絢爛な蜂の巣天井にドーム型天井・・・トルコのブルーモスクや、イランのイマームモスクにも匹敵するイスラム建築ではないかと思うほどの出来映えに驚く。時折、イスラム型の窓から望むアルバイシン。やわらかな光を浴びて、白い壁がほのかに色つく。ここは、美しい街だった。広い庭をのんびりと散歩する。カフェテリアでは、やわらかな光の中でビールを飲みながら、ボガディージョをほうばる、のほほんとした姿が見えた。人々の緩やかな笑顔にホッとする瞬間。とてもいい所だと思った。 アルハンブラ宮殿の坂を降りる。腹が空いた私達は、アテもなくパエージャを作る店を探す。ただたんに前からなんとなく食べたかったから。そして、一軒のバールへ吸われていく私達。パエージャを頼むと言うと「40分はかかるがどうする?」と言われた。どうやら、パーティーかなにかがあって忙しいようで、店員も後から入って来る偉そうな客に掛かりっきりで、せかせかと動きまわっていてせわしない。ので、「チャオ」と言ってすぐに出てきてしまった。どうしようか?フラフラ歩く。おりしも、シエスタの時間らしく、どこのレストランも閉まっている。と、めずらしく開いている店があった。パエージャもやっているらしいのでここに入る。 大きな両手フライパン2つが運ばれてきた。ドドーン。これがパエージャかぁ・・・パク。一口ほおばる・・・なんだか、オジヤみたいだなぁ、しかも、米に芯が残っている。味も濃いめでしょっぱいし・・・これ、美味しい?とうめちんに聞いてみると「ウーン・・・不味くはないけど・・・うーん」腹が空いては戦は出来ぬ。腹が減ってるから入る代物かも知れない。これだけあるから満腹にはなるけれど、もう、パエージャは2度と食べないかも。なんて、思いながら無言で食べる二人。 バールで酒を飲み、とぼとぼとアルバイシンの坂を登る。本当にここはいいところだ。 |
2000.12.3(日) |