「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記ペルー編 2000.11.3(金) ペルーの主要道路には、スピード違反を取り締まる警官検問がたくさんある。しかも、ねずみ取りのように影に隠れていたりして性質が悪い。怪しいいでたちの牛次郎だから大概の検問で停められるのはしょうがないこと。でも、国際免許証と一時入国許可証とパスポートのチェックで開放してくれることが多い。 「このイミテーションはなんだ?俺は軍の車かと思ったぞ」とよく聞かれるが、「コレは、牛だ、牛模様」と言うと笑って開放してくれる。たまに、賄賂を要求されることはあったが、そんなにしつこくはなかった。「なんだ、日本人か?じゃあ、行け」と何もチェックなしで開放してくれる警官もいた。彼らは、どうもエクアドルのナンバーと言うのが気になるらしい。 でも、先日は違った。いつもの様に車を横に寄せ、やってきた警官に書類を見せると「スピード違反だ。20k/mオーバーだ。罰金US290ドル払え」と。そんなこといきなり言われたって払えるかそんなもの。第一、レーダーかなんかで測ったのか?証拠はあるのか?と聞くと「証拠?ここで計ってないから、そんなものはない無線で連絡を受けたから停めたんだ。とにかく、罰金だ」と威張って引かない。そんな大金持ってるはずもなく、払う気もない私達。食って掛るうめちんと青山さん。 すると「なんだ、いくらなら払えるんだ?」やっぱり、タダの嫌がらせだ。青キップを切ると脅すので、切ればイイじゃんと言うと「コレはパソコンに打ちこんでオンラインに流すから、払わないとこの国を出られないぞ」ケンケンガクガク、話し合いの結果、US10ドル程の賄賂を払えば開放してくれることになった。でも、そんなに払うのは嫌なので、US10ドルを持って行こうとする青山さんからUS5ドルを毟り取り「コレしかないって5ドルだけ払えばいいよ」とUS5ドル持たせて警官の所に行ってもらった結果「この先にもあるから気をつけな」と捨て台詞と共に開放してくれた。悔しいが、しょうがないことと割りきるしかない。 警官ではないが、こんなこともあった。チクラヨでシカン、シパン遺跡を展示するブルーニン博物館に寄ったあと、北へ向けて走り出した牛次郎。最近、ファンベルトの調子がよくないらしく、今日もキュンキュン音が鳴っていた。砂漠の少し大きな町のロータリーを回った時、今までキュンキュン言っていたのに突然、静かになった。コレは、おかしいと思ったので、路肩に寄せエンジンルームを開けると、ファンベルトがファンとジェネレーターから外れてブランと垂れ下がっていた。すぐ修理を始めたうめちんと青山さん。 牛を停めた歩道の向こうでは、レンガを積んで塀を一生懸命作っている最中で、何も手を下すことの出来ない私は、のほほんと作業の進行を見ていた。すると突然、私達にライフルの銃口を向けた、若いお兄さんが目の前に現われた。「降りろ!!」ドスの効いた一言。一瞬、ぴたっと止まるうめちんと私。それに気がついた青山さんもファンベルトとレンチを持ったままぴたっと止まった。これは、泥棒か?ああ、こんな所まで来て全部もってかっれちゃうのか・・・でも、白昼堂々よくやるよぉ、なんて思いながら、お兄さんの胸元を見るとプレスカードのようなものが見えた。どうやら、泥棒じゃないらしい。 のそのそ車を降りて行く。パスポートと言われパスポートを差し出すと、ここで何をしているのか?と聞いてくる。車が壊れたんだ、すぐ直るからと言うと引き下がって行ってしまった。何だったんだ?と作業開始。すると今度は、ジーパンにTシャツと言ういでたちのお兄さんがやってきて、お前らここでなにしている?と聞いてきた。もちろん先ほどのライフルを構えたお兄さんと一緒に。こちらが不審な顔をしていると、後ろポケットをまさぐり財布を取りだし「俺は、軍人だ」と身分証明書を見せてくれた。 そして「ここは、軍の建物だ。今、塀の修理をしている所なんだが、怪しいエクアドルの車が停まっていると言うのでやってきたんだが・・・お前らは日本人だって?」パスポートを見せ、事情を話す。すると「そうか、そうか、ツーリストか。この辺は、写真を撮っちゃいけないよ。車の修理だったらすぐそこに軍のメカニックがあるが行くか?」と親切、にこやかな対応。どうも、ペルーの北の方はエクアドルとの国境問題でピリピリしているらしい。「エクアドルは、ともだちじゃない」とはっきりいっていた。 その夜、海沿いのツーりスティックな町に宿を取った。その宿には、駐車場が無く、宿の前には停められる様子もなく、どうしようかと宿に相談すると「前の警察にチップ払えば停められるから」とこともなげに言った。なんだかなぁ・・・警察と軍隊。どこの国でも一番厄介な人達だけど、上手く付き合っていけたら旅が楽になるのかねぇ・・・そんな話で盛りあがった一日だった。 |
2000.11.2(木) |