「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記ペルー編

2000.3.15(木)

 ザンザン降りの雨を目の前にマチュピチュへ行くか行かぬか考える。いかんせんお金が残り少ない事も手伝って考え込んでしまった。もう、2度と来ないと思われるそのちんのために合羽を購入。行きはバス、帰りは歩きでマチュピチュへ行くことに決める。残り少ないお金でバナナを買いイザ出発。

 機械の力はすごい。急なヘアピンカーブをぶんぶん登って行く。約30分で到着。バスを降りるとポツラポツラと小雨が降っている程度。昨日の券で入場。

 なぜ、15日にマチュピチュか?何か特別な催しがあるわけじゃないよ。そのちんのこともあるが・・・ただ、やっぱり遺跡を見るならガイドがあったほうがいい。でも、ガイドにお金を出す気はもうとうない。そこで、NAOツアーのオヤジにいつ行くか聞き出してそれにあわせてマチュピチュに来た次第で。と言うことで、遺跡はあとまわしで、マチュピチュに来ているはずのNAOツアーのオヤジを探す。一番高い眺めのいいところに登り、日本人の団体ツアーを探す。生憎の雨で皆合羽を着ていて検討がつかないが、それらしき所へ近寄って行ってみる。何団体か確認したが、見つからない。結局、見つからず「たぶん、雨降ってるから、下で酒でも飲んでるのかもねぇ。でも、仕事だからいるはずだけど・・・」しょうがないので1つの日本人団体ツアーの後に付いて説明を聞くことにする。

 次第に雲が濃くなりマチュピチュを覆い隠してしまう。雨も本降りになってくる。それでも、ツアーの奴らは休まない。強いなぁ。私達は、途中でリタイヤ。屋根があるところで一休み。薄い雲が下から上へヒュルヒュルと上がってきては、マチュピチュを隠し、薄雲の合間からかいまみえるマチュピチュはとても幻想的だった。同じ顔が1つもない。山裾は霧に覆われ、マチュピチュ自体が中に浮いているように見える。こんなマチュピチュは雨の日にしか見れないだろう。なんとなく来てよかったような気がした。

 夕方発のローカル列車でクスコに向う。安い2等のチケットを買う。出発30分前に列車に乗り込むが既にいっぱい。入り口から人があふれている。そして当然、自分の席にも人が詰まっていた。「チケット持ってる?」と聞くと蜘蛛の子を散らすようにぱらぱらっといなくなった。そして、約20分遅れてゆっくり走り出す。

 オリャンタイタンボまで列車は満員だった。しかも、泥棒付き。暗い車内の中で数人のオジさんの目が光っていて、私達のバックと財布を狙っている。目が離せないし眠れない。泥棒さんたちが途中の駅で降りたときにはホッと肩の力が抜けた。

 山の向こうの漆黒の空が薄いオレンジ色に染められていく。もうすぐ、クスコだ。そして、クスコのオレンジ灯の街が眼下に現われたとき、突然ガクンと列車が止まった。はて?どうして止まるの?と思った瞬間。ガクンと言って後向きにスルスル走り出した。そして、同じ事を繰り返す。初めてのスイッチバック体験。こんなに体験してしまった。

 スイッチバックを数回繰り返しクスコに到着。もうすぐ深夜を廻る時間だった。ああ、長い一日だったなぁ・・・

 
2000.3.14(水)