「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記ペルー編 2000.2.27(日) 朝ご飯に即席ラーメンを食べることにして、こんろに鍋をかけた。いつもと違いお湯が沸くのが異様に早く感じた。コンロの調子がよいのかな?と思いつつたまねぎを入れてるが、いつまでたっても煮えない。はて?なんでかな?と鍋を見つめているとうめちんが「ココは標高、3800mだからなかなか煮えないと思うね」と鍋に指を突っ込みながら言った。「熱くないの?」と聞くと「うん、熱いよ。でも、指は入れられる」と言うので私も突っ込んでみたが、そんなに熱いというほど熱くなかった。痺れを切らし麺を突っ込むが、麺が柔らかくなるのにいつもの倍以上の時間が掛かってようやくラーメンが完成した。 外の暖かいベンチでラーメンをすすっていると日がサンサンと降り注ぐ。しばらくすると、足の方にちくちくと傷みが走った。なんと、サンサンを通り越してザンザンに変わっていた。陽射しが刺さるように降り注ぎ、肌が露出した部分を容赦なく攻撃してくる。なんだコレハ、一瞬で赤くなったぞ。思わす、部屋に逃げこむ。標高が高いって不便なことが多いなぁとシミジミ思った。何せ1分で肌が焼けるモンなぁ・・・ メルカドを見て、村から4kmのところにある温泉へ向かう。コレクティーボに乗って、10分程走った山間にあった。ここの温泉は、源泉が80度以上あるらしく温泉卵が出きるほど熱いらしい。暖かい温泉!温泉!と入り口で生卵を買いこみイザ出陣!前のオバちゃんが50センティーモ払っていた。お、安いよーーとニコニコしていたら、奥からツーリスモ用のチケットを取り出し「1人4ソル」とオジさんが無造作に答えた。なに?50センティーモじゃないの?それにしたって8倍も取るのは解せないよなぁ。とぶつぶつ文句をイイながらココで入らないで帰るのもねぇとしぶしぶ払って入場。早速、源泉を見に行く。段々の湯畑がいくつかあり、側溝をお湯がザンザンと流れていた。それをたどっていくと、ちょっと高めの塀があってその中の一番奥でボコボコボコと音がして湯気がワーッと立っていた。お湯がなみなみと沸いていた。すごい湯量と熱さに感動。これは、期待ができるぞとうきうきしながら温泉へ向う。 一番手前の温泉へ入ろうとしたら、チケット売りのオヤジが一番奥で大手を振って手招きをしている。?オヤジが呼ぶ方へ行ってみると、ココに入れとカギを開けてくれた。よく見るとツーリスモと書いてある。・・・オヤジ、私達みんなと同じ所に入るからイイよといってローカルプールに行ってお湯をチェックするとあんなに熱い源泉のはずなのに何故かぬるい。3つあるプールどれを取っても同じだった。さっきのオヤジにもっと熱いプールはないのか?と聞くと、みんな同じだと言い、そして、だからツーリスモに入れって言ってるんだ。そう言うので、ツーリスモをチェックするとそんなに冷たくない。ははーん、誰もいないからお湯が冷めないんだぁ。よし、ココに入ることに決めた。 広い誰もいない貸切プールに二人きり。ただ、異様に深いプールは、外人用に出来ているらしく、182cmのうめちんが普通に立って顎までお湯がある。当然、私は常に浮かんだまんま。しかも、泳げない私は、階段に腰をおろし、腰から下の入浴がメインになってしまうのが悲しいがしょうがない。たとえ泳げたとしても、この温泉で泳ぐのは決死の覚悟がいるだろうと思った。泳ぐうめちんを見ていればよくわかる。15m位を行って帰ってくると、ゼィハァ、ゼィハァとすごい苦しいらしい。水の中で少し歩くっただけでも息が切れるくらいここは、空気が薄いらしい。しかも、高度が高いところで血行をよくしちゃイケナイのに血行がよくなる温泉に入って運動となればこちらから高山病を呼んでいるようなもので・・・泳ぐうめちんはチャレンジャーと言うことになる。「だいぶ高度順応したなぁ。もう、4000mの高地は大丈夫!!」とうめちんは言っているが、本当だろうか?と激しい息使いと青い顔を見ていると心配になってしまった。 帰り際、そこいら辺にいたお子様数人といっしょに楽しく温泉卵作りをする。源泉に卵を入れ待つこと5、6分。もうイイかな?と割ってみるがまだ生だった。うちで作る温泉卵は、沸騰して5、6分で出きるんだけどなァと思ったが、ふと朝のラーメンを思い出し、ココは80度位が沸点だと再確認してしまう。そして、再び、源泉に卵を入れて、10分程待つ。ぽつぽつと雨が降ってくる。1つ割れたのと、生だった1つは子供達にあげて、出来てるかどうか判らないが、引き上げて急いでコレクティーボに走る。間一髪、コレクティーボに乗りこんだとたんバラバラと大粒の雨が大量に降ってきて、数分で土砂降りに変化してしまった。客がいっぱいになるまで走らないコレクティーボの上からプールを見るとこんなに雨が降っていてもまだたくさんの人が入っていた。そして、お金がないから、子供達だけコレクティーボに乗せて、この雨の中歩いて帰ると言うインディヘナのお姉さん達が毛布をかぶり、とぼとぼ歩いて行く後ろ姿が見えた。あんなに若いのに立派な母親なんだ、すごいなぁ・・・と感心してしまった。でも、情のある運転手が、途中で半額の値段でコレクティーボに乗せていたので、一安心。もしかして、これがお姉さん達の作戦か?とちょっとおもってしまった。 ザンザンに降っていた雨も、辺りが暗くなる頃には、すっかりやんでいた。今日は、ペーニャに行こうと決めたので、フォルクローレを聞きながら食事と言う贅沢な日なのだ。♪ルン♪ルン♪。ペーニャに向うと8時からだから、改めて来てくれと言われる。ペーニャの中を見たうめちんが「屋台に行こう。まず、安い屋台で腹を膨らませてからくるのがベストだよ」「・・・」やっぱり、ケチはケチにできていた。 が・・・屋台のご飯もおいしいので、その意見に従うことに。屋台地区に向うと「ココで食べて行きなさいよ」とあちこちから声がかかる。特製ココアを飲んだ後、大き目のオバチャンの所で大きいアルパカ焼きとご飯にマカロニ炒めが1皿3ペソというので食べることに。この量でこのおいしさだったら3ペソは安いよねなんて言いながら食べていると、後ろから客がやってきて「オバチャン、今日の定食はいくらだい?」すると即座に「焼肉とご飯とマカロニ炒め又はジャガイモ焼きで2.5ペソだよ」だって。聞こえちゃってるよオバチャン。食べ終わった後、二人分5ペソ硬貨を1枚渡すと何も言わず受け取り「おしいかったよおばちゃん、じゃあね」とにこにこしながら言うが、オバチャンは沈黙のまま私達には目もくれず、もくもくと皿を片していた。大笑いである。ここの人達は、だますのも下手だし、うそも下手。なんか、かあいい人ばかり。そして、定番の蜂蜜レモンを飲んで、櫛刺し屋さんで焼きアルパカを食べ、その辺の店を冷やかして歩いた後、もう、食えませんと言うくらい満腹でペーニャに向った。 ペーニャに向うにしたがって太鼓の軽快なリズムが聞こえてくる。そして、ペーニャのドアをくぐると、サンポーニャの転がるような軽快な音、ケーナの甲高い旋律、金属を弾く美しく激しいチャランゴが、太鼓のリズムに乗って私達を包みこむ。その前では、美しい民族衣装を着たお姉さんとお兄さんが激しく踊に興じていた。しばらく、椅子に座り音に聞き入り踊りに見入る。しばらくすると頼んだご飯が出てきた。腹がいっぱいで、ケチな私達は、お得なセットメニュー1人分を二人で食べることに。約2時間程、音楽と踊り、そして料理を楽しみ二人で10ペソとやけに安く済んでしまった。お得な気分で店を出るとヒンヤリ夜の寒さがまとわりつく。暗闇なのか、月明かりがインディヘナの女性を映し出す・・・ |
2000.2.26(土) |