「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記パラグアイ編

2000.10.2(月)

 なんだかんだと言いながらも3ヶ月まるまる居てしまったブラジル。大地も大きければ、人の心も大きい。とても好印象の国だった。ブラジル、パラグアイ間に掛かる友情の橋を渡りながらブラジルに別れを告げる。この国は、また来るかもしれない・・・そんな予感もあった。

 ブラジル側の出国と車の一時輸入証明書のキャンセルは、車の車体番号を調べ判子をもらうだけで非常にすんなり終わってしまった。パラグアイ側も入国、一時輸入証明書をもらう手続きもいたって簡単だった。そして、パラグアイへ。国境の街、シウダード・デル・エステ。昨日の閑散とした静けさとは裏腹にゴミゴミした商店が一斉に商売をしていた。街は、喧騒の渦。「どうしても見たい!!」ガマンしきれないうめちんのたっての希望で、適当な駐車場に車を停め、街の散策に出かけることになった。

 電気屋へ足を踏み入れる。そこには、ありとあらゆる電気製品が並んでいた。パソコンからデジカメ、デジタルビデオ、ナドナド、うめちんの好きそうなものばかり・・・やっぱり、彼の目は異常に輝いていた。それから、電気屋を渡り歩いては、値段を聞きまくる、聞きまくる。物によっては、日本と大差ない値段設定がされている様子。もちろん安い物もあれば、高い物もある。間違いなく南米の中で電気製品の品揃えが一番よく、しかも安く買える所だろう。南米の秋葉原と言っても過言ではないようだ。

 どこの商店で聞いてもそんなに大差ない値段設定。なのに、炎天下の中、引っ張りまわされて、電気製品を見るのに飽きてしまった私。それでも「まだ見るんだ!!」と気合満々のうめちん。そんなに値段聞いて買うのかなぁ?疑問に思う。

 少し日も傾きかけた頃、何故か一斉にシャッターを閉め始める店員たち。まだ、日が高いのに、シエスタかな?そう思っていたのは私達だけで、聞けば、「この街の商店は4時半位で終わりなんだよ」だそうだ。目の輝きが衰えはじめるうめちんを横目に駐車場へ向かう私達。。結局、一番見たかったライライセントロと言うパソコン用品がたくさん置いてあるビルはほとんど見れず、ガソリンコンロも手には入らなかった。「もう一泊して、ゆっくり見たい」と言ううめちんの願いは聞き届けられず。さっさと車に乗り込みアスンシオンに向けて出発することに。沈む夕陽と共に落ち込むうめちん。車の中でブスくれていた。

 南米の田舎と言われる、パラグアイ。人口480万人しかいない小さな国。沈む夕陽の向こうには、草原が広がる。唯一の幹線道路の横に断続的に家が立ち並び、並ぶ家の向こうは、一点の光も見えない無人地帯が広がる。ただ、電気だけは、煌煌と夜の闇を照らしていた。違う国に来たんだ・・・実感。

2000.10.1(日)