「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記ニカラグア編

99.12.17(金)

 昨夜遅く蚊の大量発生に目を覚ましたうめちん。いつも、私ばかり食われるのに昨日は、めずらしくうめちんばかりを食べていた。私がいつも蚊、蚊と騒いでいると眠そうな声で「なにやってんの夜中に」といつも冷たく言い放っていたのに、私の気持ちがわかったらしく、「憎き蚊め」とか言って蚊取り線香を炊き、ばしばしと蚊を叩きつぶしていた。

 雨が降ってる。ピトン、ピトンとビニールに水が落ちる音がする。何処かで音がする。耳を澄まし音のする方に目を凝らす・・・な、なんと私のバックパックの上に雨が漏っている!!急いで、バックをどけるが、後の祭り。底の底までびっしょり濡れていた。全部干しては見たがこの湿気では、いつ乾くか見当がつかない。雨漏りのため狭い部屋が一段と狭くなった。

 スコールのように降っては突然やんだりする。気まぐれな天気だった。ちょっとやんだすきに散歩に出る。航空会社のオフィスで帰りの飛行機の予約を取り、車が走る滑走路を現地人と一緒に散歩。途中で雨が降ってくる。近くの商店の軒先で雨宿りをしていると一台のマイクロバスがすーっと止まった。「これに乗ればホテルに帰れるよ」とうめちんがなぜだか言張るので、それに乗ることに。

 ぶーーんと走り出したバスは、私達の心とは裏腹にホテルとは逆の山の方へとどんどん走って行く。本当に着くかなぁ?と思いつつ車窓を楽しむ。この島は、結構大きい。緑の熱帯植物が生い茂り、メインロードを1歩脇にそれるともうジャングルだった。コバルトブルーに白い砂浜、後ろを振り返るともうジャングルといった具合の言うなれば無人島のような感じがする。これで晴れていれば・・・と心の底から思うのであった。バスは、島を一周する道路をひたすらぐるぐる廻っているだけだった。でも、安い料金でぐるっと一周できてしまって都合が良かった。

 雨なので何をしようか?と考えたが、何もする気が起きない。うめちんは、小雨の中釣りに出かけて行った。私は・・・と考えてるうちに寝てしまった。 扉を叩く音で目がさめる。うめちんが興奮して帰って来た。なんでも、船着場で釣りをやっていたのだが、すぐ目の前を大きなエイがゆらゆら泳いで行ったとか、大きなカジキが水面をはねたとか、目がうっとりして残像を楽しんでいるかのように夢のような話しを語っていた。で、当の本人は?と聞くと全然釣れなかったのだそうだ。でも、がっかりはしていないみたいだ。カジキやエイの方が心を占める割合が大きかったのだろう。  

 夕方になると雨がやんだ。豚の散歩が宿の前を通り、犬はタクシーが通るたびに吠える。昨日とまったく同じ風景を見ながらビール片手にのほほんとする。夕闇が迫り、そうして島の一日は終わりを告げようとしていた。

 
99.12.16(木)