「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記インド編

2001.5.5(土)

 ・・・前日のつづき・・・

 ある日、彼は「映画を撮る」と言い出した。「ビデオカメラがあったら貸してくれ」そう言われたが、「私どもは、デジカメしかもっていない」と言うと、そそくさとどこかへ行ってしまった。一体、何の映画を撮るのだろう?と思ったがそれ以上の詮索はしなかった。前にも書いたが、久美子ハウスの目の前のガートで撮影をしていた。その時に「マハラジャ」と言うあだ名がついた。彼は、久美子さんの旦那さまのシャンティさんをつれて、近くの村まで撮影旅行にまで出かけて行った。一週間ほど出かけて帰ってきたときには、彼とシャンティさんはすっかり仲良しになっていたようだった。シャンティさんは、彼のことを「マハラジャ」と呼んだ。彼は、シャンティさんと同じ服を仕立て、それを着て異様に喜んでいた。

 彼は、映画撮りで忙しいのか久美子ハウスにあまり帰ってこなくなった。シタールのレッスンもすでにやめてしまったようだった。彼の彼女達が出入りすることがなくなった久美子ハウスは、夜中の騒動も朝のいちゃつきもなくなんだか平穏だった。

 そんなある日、久しぶりに彼が帰ってきた。当たり前のようにいつもと違う彼女を連れていた。いつものことだと見てみぬ振りをしてやり過ごした。夜中トイレに行こうと部屋のドアを押して廊下を覗くと、シャワーの水が床をはじく音が聞こえてきた。誰かがシャワーを使っているらしかった。下のトイレに行こうと階段に向かって歩き出した瞬間、シャワーの水音といっしょに「きゃぁ」「あはは」彼とたぶん彼女の声が廊下にこだました。なんだかなぁ・・・あきれ果ててしまった。

 ・・・つづく・・・

2001.5.4(金)