「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記インド編 2001.3.23(金) 船を漕ぎ出した。火葬場まで漕いでくると、ガートの階段の向こうからタンカーを高々に掲げあげた男たちが数人やってきた。岸辺にそのタンカーを下ろす。白い布で包まれ、赤い粉が振られた遺体。一人の老人が、ガンガーで沐浴をはじめる。ガンガーから上がった彼は白い衣装に身を包み、素焼きの壷にガンガーの水を汲んでいる。一方では、太い薪が運び込まれ、井桁を組み一番上に遺体を乗せ、着々と火葬の準備を進める。 白い衣装の彼が、遺体が乗った井桁の前に座り、壷の水を一口、口に含み遺体に振りかける。そして、何か粉のようなものを振り、ガソリンを最後に振る。そして、火をつけた藁を持ち遺体の周りをぐるぐる回って、藁を井桁の底に押し入れた。白い煙がゆっくりと空に昇り、炎が遺体を包み込むまでにそう時間はかからなかった。 ゆっくりと櫓を漕ぎ始める。遠く、オレンジ色の炎がゆらゆら揺らめく。そして、またひとつ、火が上がる・・・ |
2001.3.22(木) |