「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記インド編

2001.3.21(水)

 うめちんのパソコンの時計は、いつから遅れていたのだろう?9時30分だとばかり思っていたら他の時計は、10時をとうに回っていた。おかげで、初レッスンに遅れてしまった。先生の家へ顔を出すと、先生は少し怒ったような顔をしている。30分遅れてレッスン開始。ここへ来てから、時間に縛られない生活のおかげで、すっかり時間に疎くなってしまっていたようだ。曜日の感覚も怪しい限り・・・とりあえず、練習日を忘れないためにカレンダーを作ってみた。パソコンの時間もすぐ直した。

 そのちゃんが昨日頼んだ服は、時間通りに出来ていたらしい。でも、彼女は、受け取らずに帰ってきた。どうしたのか?と聞くと「なんかね、上着が肩に引っかかって入らないの。それに、ズボンもダボダボで、言った通りに出来ていなかったのよ」で、今直しているが、入りそうもないのでどうしようかと、応援を呼びにきたという按配。ボート遊びに行ったうめちんを探して、洋服やに向かう。縫い代を多く取っていたために2度目の縫い直しで、やっと着れるようになった。一件落着。なぜか、うめちんの事を知っていた洋服屋のオヤジ。そう言えば、昨日、うちのだんなはシタールを習っているといったら「日本人で何度もバラナシに来てシタールを習っている人がいる。日本で稼いでは、インドにやってくる」と言っていたが、それはうめちんのことだったか。時間というものは、忘れてしまうものばかりではないのだと思った。「奥さんに服、買ってやれ」「いやー、今はレッスンにお金がかかるから、帰るときな」とやんわり断っていた。

 夕日がガンガーをテラテラと照らす。インドは、ガンガーの流れは、いつも変わることなく緩やかなような気がする。時計も曜日も無意味なような気がしてくる。対岸からの風が心地よく、日が落ち薄い闇の中に光がぽつらぽつらと現れる。ガンガーに灯篭が燈る。ガンガーの流れに任せて、光の筋ができていく。いつまでも、どこまでも。

2001.3.20(火)