「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記インド編 2001.3.8(木) 6時に出るアーグラー行きの列車に乗るためにニューデリー駅へ向かう。今日はだいぶ体調もまともだ。 暗いホームにゆっくりと列車がやってくる。予約した席がある車両に乗り込む。嵌め殺しの窓に茶色のスクリーンが張ってある。走りだした列車。クーラーが寒いぐらいに効いている。荒涼とした大地に朝がくる。オレンジ色の太陽が地平線の向こうからゆっくりと上がってくる。霞んだ大地が空気が木々がすべてがオレンジ色に染まる。茶色いスクリーンを通しているせいか余計に幻想的に見える。 列車の中では、ミネラルウォーターに始まり新聞、ジュース、朝ご飯と勝手にやってくる。お金は催促されなかった。こんな列車もあるんだなぁ・・・当たり前のことだが、いい列車に乗ったのだ。アーグラーカント駅には2時間ほどでついてしまった。 アーグラーの駅を出て左手にプリペイドチケットを買うブースがあった。でも、閉まっていた。思案していると、料金表を持ったオートリクシャラーがわらわらやってきて「チケットブースは休みだ。俺がプリペイドチケット売っている。安心しろジャパニ」とこっちだこっちだと手を引っ張る。そんな彼らを振りほどき、駅の中に向かううめちん。やけにたくさんの警官がいる駅の入り口で思案していると、一人の警官がやってきて「プリペイドタクシーか?プリペイドオートか?それなら駅の構内にチケットブースがある。こっちだ」と私たちを先導して歩き出す。駅の構内にたくさんの外人が集まっている一角があった。確かにチケットブースがそこにあった。とりあえずタージマハルまでのチケットを買うと、今度は別の警官が「こっちだ」と言って私たちを指定番号のオートリクシャのところまで連れていってくれた。どうしたことだろう?こんなことは初めてだ。しかも、こんなに警官が多い駅も初めてだ。ここは、よっぽど観光客の被害が多かったのだろうか? 何にしろ、無事にタージマハル前に到着。オートリクシャを降りようとしたとき、ちょっと待てと運転手が制する。なに?とそこにとどまるととても神妙な顔で語り出した運転手。「タージマハルの周りはとてもデンジャーだ。悪い人がたくさんいる。そんな奴らにつかまったら大変だから、俺を1日雇わないか?一日だと900ルピー、半日だと460ルピー、夕方からだとちょっと高くなるんだが・・・」なんだ、そんなことか。さっさとオートリクシャを降りる3人。「おい、危険なんだよ。デンジャー、デンジャー」と叫んでいるのが可笑しくなった。 タージマハルには、そのちゃんと二人で行った。うめちんは以前に見たので外人料金の高い入場料を払ってまで入りたくないと、外のインターネットカフェで待っていると言う。以前はインド人と同じ料金で入れたタージマハルも今や外人だけ25ドルもする。無料だった金曜日は、今は休みなのだそうだ。タージマハルの門をくぐると、たまねぎ屋根をたたえた白亜の宮殿が遠く目の前に現れた。アウランガバードのビービーカマクバラとは比べ物にならないほどきれいに見えた。一人の女性のためにこれほどまでの墓を建てるとは・・・考えられないことだった。この墓を建てたおかげで国の財政は火の車。本当に国が傾いてしまったそうな。女で国が滅びるとはよく言ったものだと思った。とにかく、観光客も少なく、白亜の宮殿はきれいだった。 ぶらぶらと写真を撮りながら歩いていると、一人のカメラマンがやってきた。「お嬢さん、このカメラはタダです。撮るだけタダです。この人、私の友達。いっしょに写真撮らせてもらえないか?お金はこの人出します。旅の記念、タージマハルの記念です。どうですか?」なんだ?この人は?何人かのカメラマンにそう言われた。その度にインド人のオジさんやら家族やらが後ろでニコニコ私たちが縦に首を振るのを待っている。なんだかなぁ・・・一回だけ写真をいっしょに撮ったが、一枚目は普通に立っていただけだが、2枚目は人の方に手を回してきたので、ものすごく嫌な顔をした写真が取れたに違いない。向こうの方では、金髪の白人相手に同じ事をやっている。あっちも相当嫌な顔をしていた。お金は、本当に請求されなかった。なんだか気味悪いので早々に立ち去る。一体、何だったんだろうね?疑問だけが残る。 タージマハルの入り口で愛嬌のある人力リクシャを捕まえる。のんびりと走るリクシャ。横には、「一本30ドル、安いねこの鞭。かわー、鞭かわー」と叫びながら鞭を売るオヤジが走ってついてくる。一人がばてると別の人がやってくる。鞭なんて買って何するんだろう?買う人が見てみたいと思ったら横にいた。え、うめちんってそう言う趣味あったの?違う違うと一生懸命否定している。なんでも、昔、アーグラーに来たときにしつこい物売りから買ったことがあるのだそうだ。それを友達にあげたらものすごく喜んでくれてよかったと話している。そうですか・・・ そんな笑い話をしていたら、アーグラー城についた。タージマハルで買ったチケットに含まれているものだと思ってそのまま入場する。もぎりの警備員にチケットを見せると「それじゃない、小さいのだ」と言う。チケットをよく見ると、これは、TAXが含まれているだけだと書いてある。しぶしぶチケットブースへ戻る。料金表を見れば、インド人10ルピー外国人10ドル+50ルピーと書いてある。何だよ、また法外な外国人料金か。しかも+50ルピーは税金だと言う。じゃあ、このタージマハルで払った500ルピーTAX込みのチケットはなに?裏をよく見れば、TAXを払っている会社が違う・・・頭にきた。そんなに搾り取らなくたっていいじゃないかぁ。私は、入場するのが嫌になった。申し訳ないが、そのちゃんだけで行ってくれ。外のチャイ屋でうめちんといっしょに待つことに。 しばらくして帰ってきたそのちゃんにどうだった?と聞くと「んーガイドがいた方がいいかなぁ。何がなんだよくかわかんなかったよぉ、ははは」涼しい顔で帰ってきた。 アーグラー城から急いで駅に帰って、ニューデリー行きの列車を待つ。30分以上遅れてやってきた列車に飛び乗る。そして、行きは2時間で来た工程を5時間かけてデリー東南にある駅に到着。そこから、ニューデリー駅行きの電車に無賃乗車して帰ってきた。 なかなか楽しい日帰り旅行だったような気がする。 |
2001.3.7(水) |