「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記インド編

2001.3.3(土)

 がやがやとたくさんの人が乗ってきた。いつのまにか寝てしまっていたらしい。聞いていたテープもすでに終わっていた。またも、乗りこんできた夫婦と検札のオヤジと言い争っている強引なインド人女性。ギャーギャーとわめき散らして、自分の意見ばかり言っている様子。自分の寝台に寝ればいいじゃないかぁ。結局、うめちんが寝ようとしていた寝台に強引なインド人女性が移動して、一件落着。眠りにつく。朝方、騒ぐ声。隔て板をドンドンとたたいて、騒いでいる人達に向かってなにかをたずねている強引なインド人女性。なんなんだ、あの人? 人の迷惑ってもん考えないのか?

 そうかと思うと、今度は、荷物を引っ張り出し、降りる準備をしている。ああ、降りるのね。早く出て行ってよ再び寝ようと頭をもたげた瞬間。強引なインド人女性の手が白人の荷物のチャックを開け始めた。え、あの人なにやってんの?と再び頭を起こし、下を見る。なにやら、ゴソゴソ探し回り入れてはしまう動作を繰り返す。そして、先ほど白人が持っていた洗顔フォームのような容器を握り締めチャックを閉めた。洗顔フォームの容器を自分のバックに入れ、白人の方を仰ぎ見た。彼女らはぐっすり眠っていて気づくはずもなさそうだ。そして、私とも目が合った。一部始終見ていたよと言う視線を投げかけ威圧してみる。バツの悪そうな顔で、そっぽを向く。何か言おうと思ったが、今までのその白人の態度など頭の片隅に引っかかるものが私の口を閉じさせた。下に寝ていた後からきたオジさんも見ていたらしいが、何も言わなかったので、黙って出て行くのを見送った。

 そして、朝。うめちんにそのことを話すと「やっぱり変だと思ったんだ、あの女。やけに俺を遠ざける態度だったジャン。しかも、自分の席じゃないのに強引に居座ったりして」そんな話をしているうちに後からきた夫婦が起きてきた。いつの間にか中段に移っていた白人女性に「ここに座りたいから、寝るならこっちに寝てくれと」椅子を作ってくれたので、私達も下に降りて椅子に座る。が、4人座るといかんせん狭い。対面も椅子にすれば揺ったり座れるのに・・・いつまでも寝ている白人二人に腹が立つ。

 起きても、寝台のまま横になって本を読んでいる。やっと、中段ベットを倒し椅子にしたのがデリー到着2時間前。しかも、椅子にしてからも一人は横になり、一人はデンと悠々足を乗せて座っている。一人が席を立った隙にそこに移席した私。戻ってきた白人に嫌な顔をされたが、もう、そんなこと知ったこっちゃない。彼女らの席は二人分であって私にも座る権利がある。いくら体が大きいからって4人分の席を取るのは許せない。こいつらは、人の迷惑も譲り合うと言う気持ちも知らないのかと聞きたくなった。聞いても無駄かもしれないが・・・なにはともあれ、デリーのサラーイ・ロヒーラ駅に到着。もっと驚いたことに、自分の荷物も持たず、片方の白人は列車を出て行ってしまい、後に残された白人は、呆れ返っていた。そんなだから荷物を盗まれるのだ。今回の列車旅は、なんだかゆっくりできなかった。

2001.3.2(金)