「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記インド編

2001.3.1(木)

 見事なまでに装飾に包まれた、白亜のジャグジッシュ寺院。急な大理石の階段を上りきると、空に向かってそそり立つ仏塔が堂々と建っていた。前面に彫刻を施してあり、あまり見たことのない変わった形をしている。ここでは、身寄りのない老人や子供、障害者などにご飯の配給などのボランティアをしているらしい。常に参拝に来ている人もいる。信仰を持たない私達には、少し引け目見たいなのを感じた。

 オートリクシャに乗ってツーリスト街を出る。華麗に牛をよけ、バイクをよけ、車をよけながら走ること数分。ローク・カーラ・マンダル民族博物館へ。丸い円錐形のかわいらしい建物に、小さな入り口が開いていた。ラジャスターン地方や世界の人形、仮面や衣装などが展示されている。あやつり人形の展示のところで声をかけてきたオジさん。また、金取りガイドか?と思いきや、あやつり人形をあやつるオジさんだと言う。そして「これからパペットショー(あやつり人形ショー)をやるんだが、見るか」当然、見るに決まっている。オジさんの後を付いていく。

 小さなステージに明かりが灯る。すでに四体の人形が腰を降ろしている。リズミカルな音楽と共にフワーッと女性の人形が現れ、曲にあわせて踊り出す。始めから座っていた人形も曲にあわせて拍子を取ったり拍手したりしてる。実に人間的な動きに驚き感動する。

 男と女の人形がふわっと出てきたかと思うといっしょに踊り始めた。男の人形は、女を口説いているらしい。そして、やっと口説き落とした瞬間に、女の人形のスカートがくるっと返り男に変身して、ワッとびっくり玉手箱のような、分かりやすいストーリーのあるショーもあった。なかなか楽しい。短いショーだったが、写真を撮るのも忘れて見入ってしまった。そのあと、先ほど途中だった展示を見る。

 太陽がだいぶ斜めに傾いているようだった。時計を見ると夕方5時を回っていた。それならと6時からのパペットショーとダンスショーを見て行こうと言うことになる。チケットを買って、誰もいないホールでボーっと待つ。このまま誰もこないんじゃないかと思うほど誰もこない。開演数分前にたくさんの人がやってきた。ちょっと安心。そして開演。分かりやすく、かわいいパペットショーが始まり、またもや見入る。笑いも飛び交う。そして、おもむろに出てきた太っちょおばさん。音楽と共に両手に持ったシンバルをチャンチャンと鳴らし始め、どんどん早く鳴らして行く。そのうち、足いついたシンバルに手に持ったシンバルを当てて行くと言う芸当に入り、頭の上に水瓶を乗せて、口に刀を加えてシンバルをたたき始めた。

 仏面で黙々と演技するおばちゃんが終わると、ゲ!なんだあれは、ピンクのスカートに白いズボン、赤い口紅に髭剃り後の青い頬と・・・いかにもカマっぽいオジさんがふわっと回りながら出てきた。楽しそうにくるくるステージを回っている。ほんとそうとしか見えない優雅な身のこなし。しばらく、くるくる回りながら踊っていたが、突然、ステージの中央にひじ建てで座り込んだ。おもむろに裏方のお兄さんがステージ袖から小さな銀のカップを持ってやってきて、カマオジさんの頭に乗せた。そして、再び大きな水がめを持ってやってきた。先ほどのカップの上におもむろに乗せる。そして、安定したところで立ち上がったカマオジさん。ステージをクルクル回り始める。おお、すごいじゃん。そう、思ったのもつかの間、またも中央に座り込み、瓶を頭に積み始める。そして、そんなのを繰り替すこと数回。すでに頭の上の瓶は、8個にもなっている。そんな状態で途中、お盆に乗って歩いたり、お椀に乗って歩いたり、皿を回したりといろいろな芸をやってのける。最後には、水がめ10個にフルーツ盆を乗せ終えて、クルクル回って終了。お見事、拍手の嵐。すごいじゃないのカマオジさん。今日、一番の見物だった。

2001.2.28(水)