「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記グアテマラ編

99.11.19(金)

何処に行こうか悩んだ挙句、結局シェラにもう一泊することになってしまった。シェラの近郊の村にでも行ってみようかと思った。金曜日にグアテマラ最大の市場が出るサンフランシスコ・エル・アルトと言うシェラからバスで約2時間の村に行くことに決める。

バスターミナルでバスに乗りこみ出発を待っている間、隣に座ったおばさんとちょこっと話してみる。「何をしに、サンフランシスコまで行くの?」「えーと、今日は大きな市場が出てるらしいので見に行こうと思って」「ああ今日、金曜日?そうね大きな市があるわ。でも・・・もうやってないわよ」「え・・・なんで」「朝早くからやって、昼には終わってしまうわ」とぼとぼバスを降りる。バスの運転手が「まだ、市場やってるから、降りないでくれ」と言う発言もあったがおばさんを信じることにして行くのをやめてしまった。

さて、どうしよう?となるとやっぱりバニョースでしょう。じゃあ、今日はもうちょっと足を伸ばしてスニルという村まで行こうとピックアップトラックに乗りこむ。幸い、スニルでも金曜は市場をやっている。温泉も入れれば一石二鳥だ。

いつものとおり、どんどん山道を登って行く。ロス・バニョースを越えたあたりで雲の中に突入。辺りが霧に包まれ、寒さが増してくる。すーっとトラックが路肩に止まったかと思うと「降りろ、スニルだ」と指差す方を見ると一本の橋が半分くらいまで見え後は、霧に包まれ天国の入り口か先まで見えない。

霧の中から、たくさんのトラックや人がすーっと出てくる方へ向かって歩き出す。しばらく歩くと大きメルカドを発見。たくさんの人が集まっていてまだ、市場をやっていた。みんな新鮮な野菜をすごい量の束で買っている。ダットラにこれでもかと山のように積みこみついでに子供や近場の人達も詰め込んで村を出て行く。野菜と人間の区別がつかないほどであった。

メルカドで少々の野菜とコルテ(スカート)柄のエプロンを買い、この村の共同浴場へ行ってみる。川のほとりの掘建て小屋から湯気がもうもうと出ている。

ここだーとドアを半分開けて覗いてあ然。たくさんの人がいも洗い状態で入っている。しかも、ドアのすぐそこが一段下がっていてそこがもう浴槽になっていて浴槽の中でせっけんを使って体を洗っている。

ガイドブックにお湯の色は乳白色と書いてあり、確かにお湯の色は乳白色だったが、あの乳白色は石鹸と人の垢で出来たもので泉質の乳白色じゃないよと一目見て思った。

入浴料がQ1(15円位)と非常に安いのだが私は、どうしても入る気になれなかった・・・ちょっと考えこんでいるとうめちんが「僕、入って来るよ。楽しそうだ」とか言って荷物を私に押し付け服を脱いでいる。本当にあの中に入るのか?と信じられなかったがあ然としている間にさっさと行ってしまった。

うめちんが出てくるのを待つ・・・地元民の興味深々の目にさらされながら待つ・・・「お待ち」とうれしそうな顔でやってくる。「イヤーすごいんだよ。あの乳白色はやっぱり石鹸色だね。で、浅いんで寝そべるように漬かったんだけどね、石鹸と垢がいっしょになった浮遊物がぷかぷか循環してて、たまらなくなって出てきたよ。イヤー得がたい体験だった」だそうだ。

スニルを後にし、ロスバニョースによって風呂に入り直し温まる。 風呂を出て帰るころにはすっかり暗くなっていた。しかも、一段と寒く息が白い。温泉があってよかったとしみじみ思った。これで近くに宿でもあれば文句無しなのだが・・・とも思った。ここに日本人宿でも作ろうか?なんて夢も膨らんだ。

99.11.18(木)