「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記エクアドル編 2000.5.5(金) マンタのバスターミナルで靴磨きの少年をデジカメで撮ってみたうめちん。なにを思ったのか、液晶で今撮った写真を少年に見せていた。少年が叫んだ。するとそこいら辺にいた人達がワッとやってきた。そして、俺も私も撮って見せてくれと撮影大会が始まってしまった。取り囲まれるうめちん。どうにも収拾がつかなくて「バスが出発するから」とバスに逃げ込むが、入れ替わり立ち代り、商売がてらにバスに乗りこんできて、うめちんに引っ付いている。 やっとこバスが出発。間際、撮影に参加した豆売りのオバチャンが「そんな高価なもの見せびらかしちゃダメよ。盗まれないように気をつけなさい」と進言してくれた。確かにその通りだと二人でうなずく。「ありがとうオバチャン、気をつけるよ」と言うと、オバチャンは、足早にバスを降りていった。と同時にグアヤキルに向けてバスも走り出した。よく見れば、昔は綺麗だったんだろうなぁと思われる海の公園を横目にドブ臭いマンタにお別れをする。 バスは、楽しい買い食いどころ。バスが停車すると入れ替わり立ち代りいろんな物を売りに来る。まずはじめにパン屋がやってきた。道路ッ際にオーブンが設置してあって、そこで焼いたアツアツの「パン・コン・ケソ」と言うパンにチーズが入ったものを鉄板ごと担いで乗りこんでくる。トウモロコシの粉で作った物と米粉で作ったものがあるという。試しにトウモロコシの方を一つ食べてみる。ヒョイパク・・・味も素っ気もないし、チーズはしょっぱいよ。これは、うまくない・・・隣に座っていた家族連れは「うまい、ウマイ」とたくさん食っていたし、その他、大勢もたくさん買っていた。おかしい、どうもおかしいよと首をかしげる二人。 しばらく走ると大勢の物売りに混じって「バナナ・コン・ケソ・カリエンテ」なる不思議な物がやってきた。ラップをぺラッと剥がすと、大きな皿に名前の通りバナナ揚げにチーズが挟まったものが並んでいた。じゃあ、これも1つ食べてみよう。ヒョイパク・・・あっつい!!舌を火傷。バナナの甘味とチーズのしょっぱいのが結構合ってってなかなかのものだった。うーーん、意外な発見。 そして、究極の物売り、バナナマフィン屋さん。これが絶品なんだなぁ。ヒョイパク・・・うまい、うまい、これ以外いうことなし。うめちん絶賛の「マイス・コン・アトゥン」なんてのもある。トウモロコシの粉を練った生地の中にマグロを煮たものを包んで油で揚げたもの。私は、あまり好きではないがうめちんは、ウマイと食べていた。その他に、水、ジュースや御菓子はもちろん、バターをなにかの粉で固めた物や、不思議な果物を売りに来る。そして、牛乳を売りに来たのはこのバスが初めてだった。ついつい楽しくて、買い食いしてしまう。 グアヤキルに近づくにつれて、どんよりと厚い雲が空を覆っていた。そして、いきなりの豪雨。ものすごい勢いでバスを攻めて来る雨に、前が見えない程だ。でも、5分も降るとぴたっとやんでしまう。グアヤキル市内に入ってからもそんな事をずーっと繰り返していたが、バスターミナルに入った頃には、本降の雨に変わっていた。 バスターミナルからバスで市内に出ようと思ってバスを探していると「センテナリオ公園の近くに行くのだったらタクシーにしなさい。君達目立つし、そんな荷物持ってたら狙われるから。危ないよ。タクシーの方がいいよ」とみんなに言われて、まあ、雨もひどいし、素直にタクシーに乗ることにした。 運転手側のガラス窓も閉まらなく車中にまで雨が降ってくるような、おんぼろタクシーで、バケツをひっくり返したような雨の中をセンテナリオ公園近くの安宿に向けて走って行く。雨足も変わることなく、今や道路は川になりはてている。道路の真ん中では、道路川にはまって動けなくなった車がゴロゴロ停まっている始末。窓の閉まらない席に座る運転手は、水も滴るいいオジさんになっていた。「おじさん、グアヤキルはいつもこんなに雨が降るのかい?」と訪ねると「今日は、特別だ!!」と苦い顔で言った。 「ここだ」とタクシーはストップした。そこは、道路川の真ん中だった。ここで降りるのは嫌だなぁ、ホテルに横付けにしてよと言張ってみたが、ホテルの前は、脛半分位の深さの池になっていて、皆さん、ズボンまくって裸足で横断していた。あれは、無理だよなぁ・・・と妥協してなるべく水が少ない所で下ろしてもらう。 さて、どうやってあのホテルに行こうか?考える。靴を脱いで・・・とか考えたが、結局、水が少なく渡れそうな所まで歩いて、ホテルまで戻ろうと言う事に。そんな所を見つけ、道路を渡る。うめちんは、ひょいっとジャンプ。とろい私は、ジャンプし損ねて、片足を水溜まりにぼちゃ。浅いと思ったら結構深かった。でも、最小限の被害で済んで一安心。無事に安宿とは思えない豪華な宿にチェックイン。 雨は、やむ事を知らず、いつまでもいつまでも降り続く・・・ |
2000.5.4(木) |