「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記コスタリカ編

99.12.31(金)

 1999年も今日を最後に終り、あと何時間後には2000年がやってくる。そんな記念すべき日は、日本にそっくりなネイチャーランド、コスタリカで向えようとは去年の今ごろは思っても見なかった。

 街の至る所で花火が売っていた。ここも他の中米と同じく新年になるにつれて花火三昧だと思ったうめちんは当然、即、購入。コスタリカンといっしょに遊ぶんだーーとコスタリカンの前で突然花火を出して驚かすんだとばかりにポケットに花火を忍ばせ、一人で楽しそうな顔をしていた。

 日が暮れるにつれて街中に続々と人が集まってくる。警官や軍隊の警備員も増えてくる。メインの通りはビール会社に買収されたのか、ビール販売のブースと宣伝ステージが100mごとに設営され、すでに通行止めになっていて通りの終わりに道いっぱいのステージを作っていた。他の広場ににも仮設ステージや客席などを作っていてお祭りムード60%といった感じだった。

 日本は、一足早く新年を迎えている頃と思い、500コロン(1ドル位)の電話カードを2枚買い、お互いの実家に電話をして見た。そんなに話せないよねなんて思っていたが3分経っても電話は切れず、ゆうに5分はしゃべれた感じだった。1ドルで5分も国際電話がかけられるなんてコスタリカっていいところだなとゲンキンな二人であった。

 一旦、ホテルに帰り、明日ゆっくり出きるように荷物の整理をする。だいぶ荷物が増えたもんだと思いながら、小さいゴミやビンに入っている調味料をプラのジュース容器に移したりと100gでも荷物を減らそう運動をするが、テントの2kgが増えたのでそんなのは無駄だったと後で気がついた。結局、荷物は重いままなのである。

 夜8時過ぎ、街へ。めずらしくバーガーキングなるものに入って贅沢な夕飯を食べる。そんな贅沢してイイのか?と二人でそうとう悩んだのだが、コンロの燃料が街中で買えなく自炊が出来ないし、他の食堂はもう何処も閉まっている。それに、お腹が空いたのにはかなわなく、一大決心してバーガーキングに入ってしまった。ファーストフードもいつも食べてると飽きてしまうが、たまに食べると本当に美味しいものだと思ってしまう。私達の感覚では、中米のファーストフードは高価な食べ物の部類に入ると頭にインプットされているので後の事を考えるとナカナカ足を踏み入れることが出来ないのだ。

 腹が満たされ、店を出ると目の前の広場でコスタリカ版小田和正らしきコンサートをやっていた。私達は知らないが有名な人らしくテレビ中継とかもやっている。しばらく聞いていたが、すぐ飽きてしまった。その後にやってきたチンドンやと大型人形の芸人の方がよっぽど楽しくウケてしまった。

その後、ビール会社の買収道路に突入。ビール模様がしこたま書かれたビニール風船をゲット。うめちんが膨らましてるうちに競争率の高い三角帽子も人ごみにまぎれてゲットする。そして、給料も出ないのにビール屋の宣伝マンに変身。周りにも無給の宣伝マンがたくさん登場していた。

 しばらく、ビールの宣伝ブースを冷やかして歩く。そして、片手にビニールふー船、片手にビールを引っさげ通りの端の大きなステージに向う。99ヒット曲コンサートをいいノリでやっていた。みんな踊り狂っている。ここのコンサートでカウントダウンは面白そうだと前の方へ進むがとてもじゃないけど人がいっぱいで進めない。これ以上限界と言うところでいっしょにリズムをとりながら楽しむ。

 うめちんが花火をやりたいと言い出すが、肝心の火が無い。こんな人ごみでやったら迷惑だって言い聞かせて、その場は納得させる。そういえば、誰も花火やってないなぁとリズムに乗っていると、横にいた人達が突然スーッといなくなったと言うか後ずさりしている。なに?と少し空いた空間を見下ろすと、小型の缶コーヒー位の白い筒が転がっていた。よく見ると、黒い紐の先から火がチロチロと白い筒に向って進んでいた。ハッと気がつきうめちんを思いっきり押して横に逃げ、白い筒を背にした瞬間、ボンと大きな音と共に足に思いっきり何かが当たった。

 耳がヒーンといって足元が安定しない。くらくらと酒の飲みすぎみたいにうめちんにつかまってないと立っていいられない。と、目の前を禿げたすご顔の強そうなお兄さんが2、3人人ごみの中からやってきて花火を投げた、若いお兄さん2人を羽交い締めにして連れて行ってしまった。そんな一部始終をあ然と見ていた私達は「うめちん、花火やらなくてよかったね」と心を撫で下ろしたのでした。せっかく買った花火はポケットの肥やしになりはててしまったが、捕まってしまっては事も子も無い。でも、禁止だったらなんで花火売ってたんだろうか?と疑問に思う二人であった。

 カウントダウン5分前、ステージと客は盛り上がり、当然私達も盛りあがる。そして、「Tres、Dos、Uno、Feriz、Ano(3.2.1、HappyNewYear)」パン、パン、パン、パン・・・左右のビルから色とりどりの花火が一斉に上がる。みんな、握手し抱擁しあって新しい年がやってきたことを喜びあっている。私達も握手し「今年もよろしく」と新しい年がやってきたことを喜んだ。

 コスタリカで向えた新年、来年はどこで迎えることか・・・ますます盛りあがるステージを後によい年でありますようにと願いながら足早にホテルに向った。

 
99.12.30(木)