「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記コロンビア編

2000.6.23(金)

 「牛注意」の看板があった。これは、牛次郎注意か?思わず記念撮影。そう言えば、最近、ポリスや軍の検問に捕まらない。どうしてだろう?「あれは、牛だから止めてもしょうがない」とか「牛に検問は必要ない」とか思ってるんだろうか?いやいや心やさしいコロンビア人。前の検問のやつらが「今度、その地点を牛車が行くけど、あいつらただのバカだから、検問しなくても大丈夫だ」と通達してくれたに違いない。と思ったが、検問者が牛次郎を唖然として見ている内に停めるのを忘れてしまっているだけのようだ。

 カルタヘナへついた時には、雨が降っていた。街全体をどんよりと雲が覆い、湿気全開で重苦しく感じた。これがカリブか?海に向かって走れば走るほど雨が強くなる。そして、海は、灰色だった。これが、カリブか?だいぶがっかりする3人と、釣りだ釣り!!と一人はしゃぐうめちん。頭の構造が違うんだなァ・・・3人で顔を見合わす。カルタヘナの城砦が横に見えてくる。そして、城壁の内側には、美しいカルタヘナの旧市街が広がっていた。

 宿を探すために安宿街の道路に牛次郎を停め、うめちん1人で数件の宿を見に行った。その時、変な黒人がフラーとやって来て「ヘイ!!ジャパニ、それともチノか?何してんだ。宿探しか?」と運転席の青山さんに声を掛けてきた。一瞬、マリファナの匂いが漂う。なんかヤバイ奴だと直感。「私達、スペイン語分からない」と嘘をつき無視を決め込むことに。そしたら今度は英語でしゃべってきた。

 そして、窓から首を突っ込んで、猪飼さんに向かって「俺、マリファナとコカイン持ってるぜ。欲しい?」と聞いてきた。当然「いらないよ」と断る。こんな奴にかかわったらいい事ないに決まっている。そして、宿の下見を終えて牛次郎の方に向かってきたうめちんを見つけて「へーイ!!ジャパニ。宿ならあそこがいい。こっちもイイかな?」分けわからん事を言ってうめちんの手を取ろうとする。逃げるうめちん。そして、うめちんに逃げられたヤバイ黒人が戻ってきて、今度は、助手席の窓を押し開けて「ヘイ、そこにある水をくれよ。食べ物でもイイからさぁ」と窓から半分体を車突っ込んで手を伸ばして来る。なんだか恐ろしい。一同無視を決め込む。

 あんまりしつこいので「この水は、ラジエーター用なの。飲めない水なのよ」「じゃあ、お菓子くれ、どうしてくれないんだ?」「なんで、あんたにあげなきゃいけないんだ?」しつこ過ぎる。完全無視を決め込もうとちょっと目をそらす。青山さんも外を向いてすでに無視を決め込んでいた、その時、すごい視線を感じて黒人の方に振り返ると彼の手が私達のデジカメに伸び、しっかとカメラをつかんでいた。私と目が合った彼は、一瞬動きが止まったように見えた。「ダメ−」と叫び!!勝手に開いてしまうドアを押さえていた手を放し、カメラを取り戻した。

 マリファナで思考能力が低下していたのか、やけに行動が遅い。我に返って、逃げようとしたにもかかわらず、勝手に開いてしまう牛次郎のドアに阻まれ黒人は、うろたえていた。ああ、危なかった。

 こんな事があったにもかかわらず、まだ、私達に付きまとうヤバイ黒人。相当、気をつけないといけないということを彼から学んだような気がした。ココ、カルタヘナは、黒人さんの街。いい人もたくさんいるんだろうけど、悪い人もたくさんいるのだろう。気を引締めることに。

 昔、キリスト教の名前を背負ったスペイン人が、異端者や異教徒を裁くために拷問などをしていた宗教裁判所に行ってみる。そんなに大きくはないが、ギロチンや連続足かせ、魔女天秤に無理やり体引っ張り機などなど、拷問道具が多数。拷問の様子を書いた絵などもたくさん飾ってあった。趣味の悪い博物館である。

 古い街並みを散歩して城壁に登り海を見る。やっぱり、灰色の海。でも、沈む夕陽が美しかった。

 
2000.6.22(木)