「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記チリ編 2000.2.19(土) 朝三時、まだ月の光が青白く暗闇を照らしていた。そして、私達も動き出す。いつもネボスケの私達が、こんなに早くに起きたのには訳がある。ここの名物、タティオ間欠泉のツアーに参加するためだった。 4時にホテルの前で陰った月の変わりに輝く、幾万の星を眺めながらボーっと待つ。ワゴンが1台、そして1台とやってきて、客を拾っては静かに去って行く。そして私達もやってきたワゴンに乗りこみ、暗闇の中を走り出す。さすがに眠く、いつしか眠りこけてしまった。 デコンボコンと椅子に頭を打ちうっすらと目が覚める。しばらく辺りを見回すが、どうもでこぼこの山道を登っているらしかった。振動がからだ中を駆け巡りなんだか、気分まで悪くなってきた。少し、頭痛もする。はて?車に酔ったかな?朝早く起きたし・・・空腹で車に乗ったからかなぁ?これは、眠るのが一番とまたまた眠りに入ろうとがんばったが気分が悪いのは治らなかった。 そうこうしているうちに、広い広場らしき所に到着。窓が曇っていてよく見えないが、相当、寒のだろう。窓を拭いても拭いても外が見えない。ワゴンを降りて思わず「うわーー」と叫んでしまった。うめちんは、突然駆け出して行ってしまった。かなり、広大な平地にたくさんの煙がもうもうと湧き上がっている。耳を澄ますと「ゴボ、ボコ、ボコ」と奇怪な音が聞こえてくる。気分の悪いのも忘れて、音のする方へ煙が立ち上る方へ駈け寄ると、勢いよく水柱が地上から噴出していた。感動!!の一言。辺りは、鉱物の臭いが漂っている。その廻りの水溜まりに手を入れて見る。ヒーと言ってすぐ手を引っ込めるうめちん。相当、熱かったらしい。私も触って見るたが、同じ結果だった。おおはしゃぎのうめちんと気分が悪いのを思い出してうめちんについて行くのがやっとの私。さんざん間欠泉を見て帰ってくると、朝ご飯の用意が出来ていた。なんと、間欠泉の穴に直接牛乳を放りこんで暖めていた。それと同じく固めの温泉卵も作っていた。 辺りが明るくなり、雪をかぶった山々が朝焼けで真っ赤に染まる。そして、勢いよく噴出す間欠泉を眺めながらの朝食は格別だった。ん?雪山?なんで、雪かぶってんのさ?ここ、砂漠の真ん中じゃないの?不思議に思う。そういえば、来るとき山道登ってたなぁなんて思い出し、ガイドに「ここ、山の上?標高高いの」と聞いて見ると「そうだ、山の上だ。標高は、クワトロミル・トレシエントmだ」「・・・えーええーここそんなに高いの?4300mだってぇ〜」突然、頭が痛くなるうめちん。あんなに走りまわって高山病に犯されたんだろう。書く言う私も相当気分が悪く、少し頭も痛かった。 朝食後、ワゴンに乗りこみ近くの温泉へ。標高4300mの温泉は、茶色の汚い水に底はヘドロとなんとも気持ちが悪いものだった。おまけに源泉が流れてくるところ以外は寒くて漬かっていられず、足も届かないほど深かった。熱い所まで泳いで行くのに相当息が切れる。そんなのは標高4300mだから当たり前じゃないかと思われるが、一生懸命泳がないと沈んでしまう。必死で泳いだ末、荒い息使いに更に頭が痛くなった。温泉好きの二人は、そんな温泉でも温泉は温泉と源泉の熱い所に陣を取り温泉を堪能。たくさんの人が入っていたが、お風呂に入る習慣のない人々は熱いところへ寄ってこない。入浴の習慣のあるドイツ人と私達だけが熱いところで奇異な目で見られながらジッと漬かっていた。温泉を堪能して、帰途に着く。山を降りるにしたがって、気分の悪いのも、頭が痛いのも次第に薄らいで行く。不思議だなぁと思った。 木々の木陰でお昼を食べて、お昼寝。風がそよそよと気持ちがいい。 夕方、月の谷ツアーに参加する。風化や雨水の浸食で出来た奇岩地帯を廻るものだ。死の谷は、赤茶けた奇岩と砂丘が混在したなんとも奇妙な場所であった。月の谷では、侵食によって出来た洞窟を歩き、塩でデコレーションが施された奇岩を登った。その後、潮の海の一本道を走る。一面塩、塩、塩360度塩の大地。そして、月の谷を一望できる砂丘を日没を見ながら歩く。幻想的な世界が展開される。人を寄せ付けない大地がここにはあった。 人間とは、なんとちっぽけなものだろうか・・・ |
2000.2.18(金) |