「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記チリ編 2000.2.18(金) 朝方、寝てもいられないほど急激な冷えこみが襲ってくる。震えが止まらない。4時か5時か分からないが、震えていたら助手君が暖かいコーヒーを持ってきてくれた。ありがたかった。 車窓は、月明かりのぼんやり青白いのが消え、変わって朝靄でぼんやり明るかった。景色も一変して、何もないただただ平地の砂漠と化していた。ああ、だいぶ北に移動したんだなぁと実感する。 時間が立つうちに、朝日がサンサンとバスの中に差して来る。ホカホカと暖かい。ホカホカのまどろみの中いつしか眠りについてしまった。そして、起きたときには、アントファガスタのターミナルに着いていた。バスを掃除するからと一旦バスを降ろされ、待つ。少し肌寒い。 ギンギンに降り注ぐ太陽。雲一つない青空。何もない何処までも続く土漠。そして、蜃気楼の山と湖。まったく違う世界に来てしまったものだとシミジミ思う。何処までも、何処までも、カラマまでそんな風景だった。 カラマに到着後、その足でサンペドロ・デ・アタカマに向う。これまた、赤い砂漠の中の一本道をひた走る。人間は、どうしてこんな何もないところに住もうと思ったのか?疑問であった。奇怪な岩山を抜けるとそこにポツンと砂漠と同じ色の建物集団があった。これが・・・サンペドロ・デ・アタカマ・・・。バスを降りると、熱風と赤茶けた埃が全身を覆いまとわりつく。なんともいない脱落感も襲ってくる。重い荷物を担ぐとなおさらそう思ってしまう。 宿を探すが、どこも高い。仕方がないので、キャンプサイトにテントを張ることにする。ああ、テント売ってこなくてよかったねとチーンガチャガチャと頭の中でケチケチレジスターが働く二人であった。 日が傾きかけた頃、薄いオレンジ色の空に大輪の月が咲く。今日は、満月だそうだ。暗闇を青白く照らし出す。幾万の星々もまけじと輝くが、今日の月にかなうものは何もなかった。暗闇を支配し、ランタンを持っていない私達のために暗闇を光々と照らしてくれた。 |
2000.2.17(木) |