「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記チリ編 2000.2.17(木) まだ、外は暗かった。やはり、肩をゆすられ目が覚める。どうやら着いたらしい。バスを降りるとまたもや道路際。バスターミナルで降ろしてくれって頼んだのに・・・無常にも荷物を放り出され、足早に走り去るバス。そこにはタクシーの運転手だけがいらしゃいとニコニコ顔で出迎えてくれた。ここは、本当にラ・セレナなのか?遠くに大きな広場と光が見えた。よく見るとバスがたくさん停まっている。ああ、あれがバスターミナルか?何故、バスターミナルの中で降ろしてくれなかったのか?つくづく疑問が残るバス会社だった。タクシーの運ちゃんの勧誘をうまく交わしながらターミナルへ向う。看板を見るてラ・セレナには間違いなさそうだと確認。時計を見ると朝の7時ちょっと前、辺りはまだ暗闇だ。夜が明けるまでターミナルの中で眠ることにする。 窓を開ける音で目が覚める。陣とっていたバスチケットブースが開店するらしかった。辺りを見回すとほとんどのバスチケットブースがすでに開いていた。ここでは、ピスコの工場を見学できると言うので寄っただけなので、早速、一番安いカラマ行き夜行バスチケットを購入。荷物を担いで街を歩こうかと思ったが、クロークが案外安かったので預けて出かけることにする。クロークで、預かり証を参枚と領収書を貰って荷物を渡しお金もついでに渡した。そして、タクシーで街へ出かける。アルマス広場の前でタクシーを降り、お金を払おうとポケットに手を突っ込むうめちん。突然「ああ、アレー?」な、なんだ?とびっくりしてしまった。「なんか、俺、クロークでお釣り貰ってくるの忘れたらしい・・・」なななにー!!いくら出したの?「5000ペソだから3500ペソのお釣り・・・」顔が情けない顔になってる。たぶん、今からバスターミナルに帰ってもお金は返ってこないだろうなぁと思った。まあ、気を取り直して、レコバ市場に向うが朝が早く開いていない。近くのエンパナーダ屋さんでエンパナーダを1つ320ペソで購入。ふと横の店を見ると300ペソで売っていた。それからピスコ工場に行くが1時間ほど待ってくれと言われ、工場の待合室で寝ながら待つが一向に見学が始まらない。やっと、案内してくれた工場は、月1度の清掃日でマシーンは作動してないし、大した説明もないまま写真を撮って追い出された。 その足で、レコバ市場を覗く。2階の入り口近くに靴の修理屋さんが並んでいた。そう言えば、私の靴底が擦り減って、水がしみてきて困っていたので治してくれと頼むと30分ほどでさっと治してくれた。ただ、茶色い靴底が真っ黒に変わり、コールマンの靴ではなくなったが・・・これで水がしみてこなければ安いものだと思った。レコバ市場はお土産市場のようだった。ありとあらゆる民芸品が並び、歩く場所もないくらい人があふれていた。そんな中を歩いていてまたもや不幸な事件が起こった。ある店でかわいい豚の貯金箱が飾ってあった。それを取ろうと手を伸ばしたうめちん。あ!!と思った瞬間!!ガシャー−ン。すごい音と共に石のみやげ物の上にうめちんの手をすり抜けてカメラが落っこちた。一瞬何が起こったの?と、微動だにしなかったうめちんとその場にいた店員。我に帰り、カメラを拾い、壊れていませんようにと祈りながら、手早く石のみやげ物を見る。ああ、ガックリ。1つだけ壊れていた。こんなもの買いたくはないが、しょうがない。店の店員も哀れんで安くはしてくれたものの、とんだ災難だった。 クロークのお釣りといい、さっきのみやげ物といい、今日はうめちんの災難続き。すっかり落ちこんでしまっている。 昼ご飯時、ホットドックを食べていると、少年の物乞いがやってきた。いつもは、お金をあげないだが今日は、厄を彼に上げると言うことで20ペソ程あげてはどうだいとうめちんに提案。早速、20ペソに厄を付けて彼に渡すと感謝されてしまった。これで、厄もすっ飛ぶだろう。 何もすることがなくなったのでターミナルに戻ることに。あたって砕けろで、クロークにお釣りを貰い忘れた旨を言って見ると、朝の係員に電話して聞いてみようとなんとも親切な対応。しばらく待っていると、3500ペソ持ってやってきた。「なんか、じいさんボケてたみたいで・・・お釣り渡すの忘れてたみたいだ。申し訳ないな」と奇跡的にお釣りが帰ってきた。物乞いの彼に厄をあげたから、運が廻ってきたんだよと喜ぶうめちん。 定刻にバスは出発した。眩しいほどに夕陽がバスに差し込む。海沿いの道をひた走り、そして日が沈み、暗闇が訪れる。暗闇に青白い月の光がやさしく降り注ぎ、辺りを美しく映し出す。 |
2000.2.16(水) |