「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記チリ編 2000.2.15(火) 朝早く、眠い目をこすりながら、バルパライソの漁港に出かける。海の見える下り坂を下り、海岸線が良く見える歩道橋を渡る。いつもは、と言うか朝のビーニャを見たことのなかった私達は、目の前に大きな船が何艘もいることに驚いた。海沿いをバルパライソに向って歩く。今日は、あいにくの曇りで、海も淀んで見える。海風も冷たく肌を差す。約20分ほど歩いたか?たくさんの車と大きな平屋の建物が見えてきた。あれが、バルパライソの魚市場だそうだ。堤防の向こうを見ると、大きな岩がごろごろ積んであり、かもめがたくさん群れていた。いつもだと、アザラシやペリカンもいるらしいがなぜか今日はいなかった。 市場の門をくぐると一直線に通路がありその向こうで漁港へ通じる出口から光が差していた。なあんだそんなに大きくないじゃない。しかもス−パで売っているものとさして値段は変わらないじゃぁないですかと冷やかしながら店を見て廻る。あれ?いっしょにやってきた旅人がいない!!とふと気がつき探し回るとロクに市場を見ず、漁港に通じる出口から漁港に出ようとしているところだった。魚買いに来たんじゃないのかな?と思いつつ、迷子になってはと後を追っかけ漁港に出ると、たくさんの船と人がひしめきあっていた。一艘の船を覗くとオジさんが大量の魚に埋もれて立っていた。 その脇で、小型のナイフ片手におしゃべりしながら魚を捌いている少年がいた。「5匹で1000ペソ(約200円)でどうだい」とゆうに50cmはあろう魚のエラをつかんで持ち上げ、船を眺めていたオジサンに進めている。あんなの5匹で1000ペソぉ。すごい、すごい、安いよ−感動的な値段だぁ。と思って見ているとそのオジさんは、自前のビニール袋に30匹ほど買って次の船を覗いていた。たくさんの船に鱈や穴子などイロイロな魚がたくさん乗っていた。その中から、穴子5匹1000ペソ(約200円)なんだか分からないが30cmほどの魚5匹1000ペソ、海老の剥き身1袋1000ペソで購入。商売をしている所と道を挟んだ広場では、魚を捌けない人のための好きに捌いてあげるよコーナーも設けられていて、少々のチップを払えばどんな形の魚でも好きなように捌いてくれるそうである。醤油さえあればその場で刺身という贅沢かつ幸せなことも出きるのだ。人と船の荒波に揉まれ少し疲れたので漁港の堤防から海を眺めいると、黒光りした大きな岩がもそっと動いた。ん?あれは・・・と凝視してると、アザラシだよといっしょに来た旅人が言った。なんか動きずらそうにもそもそ動いている。しばらく眺めていたが波に飲まれて見えなくなってしまった。大変だなぁ・・・アザラシって。 バスで帰ると言う旅人に魚を預けて、来た道すがらに展示してあった魚雷や変な形の飛行機を見て帰ることにする。何故、こんなところにこんなものがあるのかしら?と疑問に思ったが、管理しているオジさんがやけに親切でどんどん見ていけと言うから見せるためにあるんだろうと思うことにして、大胆にも魚雷にまたがってオジサンに笑われてしまった。結局、なんだか分からず終いで楽しんでしまった。一体ここってなんだったのだろうか? 宿にたどり着き台所を覗くと先に帰った旅人が穴子を捌いていた。その場を少し譲ってもらってなんだか分からない魚を捌いて朝ご飯を作ることにする。 調子よく捌き始めるうめちん。頭を落としてみて驚いた。白身だと思っていたのに実は赤身だった。3枚におろすと鮮やかな真っ赤の身が実においしそうなオーラを放っていた。2匹貰ったので1匹は、塩焼きにして、もう1匹は刺身にすることにした。焼いてみると、なぜか牛肉の炭火焼のような味に変身した。刺身は、実にくせのある味ではあったが食べられないわけではなかった。しばらく置くと全然まとまでおいしい刺身に変身する不思議な魚だった。どちらにしても頬が落ちるほどおいしく幸せいっぱいの朝食だった。 夜は、みんなで天ぷら大会。穴子に始まり、ナス、ジャガイモ、ピーマン、サヨリ、海老のかき揚げと豪勢な夕食だった。でも、安いんだよねぇ〜。 そして、本を片手に夜は深けて行く。 |
2000.2.14(月) |