「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記チリ編 2000.2.10(木) 昨夜見た廃墟は、夢ではなく朝見ても廃墟だった。しかも、数人のヘルメット部隊によって昨夜より廃墟具合が進んでいるように見える。話しを聞くと宿の主人の住まい部分を改装中なのだそうだ。そのため今は、ドミのベット数も通常の半分で営業中とか。その少ないベットもほとんど長期旅行者で埋まっていた。 汐見荘は、その名の通り海が見えた。しかも、台所から。高台から眺める海は、雲一つない澄んだ青空から差す強い陽射しでキラキラ輝いていた。 遅い目覚め、せかくだからと寝ぼけ眼で夕陽を見に海へ行く。海を見ながら長い下り坂をテクテク歩き、ハイウエイの上に掛かる歩道橋を渡るともう海だった。沈みかけた夕陽が、なんとも言えない空の色となんとも言えない海の色を作り出していた。なぜか懐かしいような気持ちに駈られる。 はて?ここは何処かで見たことがあるようなないような。どこだったかしら?そうか!!鎌倉、逗子、江ノ島辺りの海岸線に似ている。そうだ、そうだ、そうなんだぁ・・・妙に納得してしまった2人。今ごろ日本では、何してるのかなぁ・・・しぶきを上げて迫り来る荒波を見ながら、しんみりそう思った。 八百屋の前で立ち止まり焼いたナスが食べたいとうめちんが言った。そこには、自分の足ほどはあろう大きなナスが山と積まれていた。イイヨイイヨと二つ返事で賛成。焼きナスだけでは寂しいのでインゲンも買っていこうと提案したが、なぜか渋い顔のうめちん。帰り道「そのインゲン何に使うの?」とずーっと聞いてくる。だから・・・と説明してもいまいち納得がいかない模様。もうイイやと邪険にしてみる。 台所で、ナスを切っていると「焼きナスは、縦に切った方がイインジャナイ」とか「そのインゲンどうするの?」とか横からくちばしを出してくる。「そう?大きいから横に切ったんだけど」「ナスとインゲン炒めたらおいしいかと思って、ナス焼きだけじゃ飽きるでしょ」と質問に答えると「うーんそうかぁ。炒めるの?おいしいかなぁ」プツンと堪忍袋の尾が切れた。 「あッそう、じゃあ、うめちんは焼きナスだけ食べればイイじゃないの。向こうで新聞読んでなさいよ。ここの台所は狭いから一人で十分です」またまた、邪険にすると「なんだよぉ、何怒ってんの?なんて怒るのか分からないよぉ」ときょとんとしていた。なんで怒ってんのか分からない?飽きれてしまったので、無言で料理を再開。 黙っていると今度は「なんだよぉ、俺はどうすればいいわけ?」と開き直ってきた。それでも黙って手を動かしていると横からいろいろ講釈を垂れていたので、うんざり。起こる気もうせてしまった。結局の所、ご機嫌取りかもしれないが、うまいうまいと食べていた。いつもはこんなことないのだが、なんだか知らないが妙にイライラしたのだった。 |
2000.2.9(水) |