「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記チリ編

2000.1.10(月)

 シャツ2枚にウインドブレーカー、ジーパンをはいて、毛布をすっぽりかぶっても寒さが身にしみた。部屋の中はストーブが炊いてるのにこんなに寒いんだろう?と思った。外は、強風が吹き荒れ窓を激しく叩いていた。

 ト・ン・デ・モ・ナ・イ・ト・コ・ロ・ヘ・キ・テ・シ・マッ・タ・ナァ・・・ナ・ン・ダッ・テ・コ・ン・ナ・ト・コ・ロ・ニ・ヒ・ト・ガ・ス・ン・デ・イ・ル・ノ・ダ・ロ・ウ?

 マゼラン海峡を見に行こうと外に出る。玄関のドアを開けた途端に冷たい強風が全身にぶち当たり、寒さがまとわりつく。容赦無く、肌の露出部分を攻撃してくる。耳が痛い。宿から少し歩くと海が視界に入ってくる。よく見ると風に乗って砂もいっしょに飛んでいた。荒れた海を砂と石つぶてに攻撃されながらタダ呆然と見た。・・・これがマゼラン海峡かぁ・・・あと1500kmで南極・・・

 ト・ン・デ・モ・ナ・イ・ト・コ・ロ・ヘ・キ・テ・シ・マッ・タ・ナァ・・・

 ペンギンの生息地を見るツアーに参加する。宿から車で1時間ほど何も無い草原を走ったところにそれはあった。車を降りると強風で少し飛ばされた。吹きすさぶ向い風の中を必死に歩いてペンギン村のアーチをくぐるとそこには、荒れた海と一面の草原と小さな小屋しかなかった。ペンギンは何処?と注意と説明をしていたお姉さんの話しを聞くと「ここから歩って30分から1時間の所に観測所があって・・・」へ!この強風のなか1時間も歩くのか?地図の下のほうに風速86km/h、気温12度と書いてある。でも、歩くしかなかった。

前に進もうとすると拒まれた。何とか足を前に出すがもう片方が前に出ない。少し風が収まったところで一気に歩く。そんなこんなでペンギン生息地を歩く。と、突然、ペンギンが群れで現れる。何をしてるのか分からないが胸を張って皆同じ方向を凝視している。???これは、日向ぼっこ???でも、こんなに風が吹いていては寒いだろうに・・・と思ってみたが、寒かったらこんなところにはいないだろうと思いなおした。この群れをかわきりに続々とペンギンが現れた。巣の中に母親と子供が丸まって入っていたり、一匹だけぽつんと立っていたり、大群で胸を張って歩いていたりとさまざまだ。また、ダチョウみたいな鳥やフラミンゴ、海鳥など野鳥が悠々と空を飛び水に腰掛けていた。

 強風の寒さの中、目の前のペンギンをいつまでも観察し、ダチョウらしき鳥の思わぬ出現に驚き、無邪気に楽しんだ。帰りは、強風に背中を押されて走るように車に戻った。風に開放された後は、耳と顔の感覚は無くなっていた。

 ト・ン・デ・モ・ナ・イ・ト・コ・ロ・ヘ・キ・テ・シ・マッ・タ・ナァ・・・

 
2000.1.9(日)