「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記チリ編

2000.1.4(火)

 「汽車に乗ろう!」とうめちんが言いった。寝ている間に考えたのだろうか?なんと器用なことだろうと思ったが、汽車に乗るのは賛成だった。

 昨日と同じ立ち食いパン屋で朝ご飯を食べ、汽車の予約を取りに地下鉄で駅へ向う。

 料金表を見ると、サロンとツーリスモ、それにエコノミコの3種類あった。サロンが一番高く、ツーリスモとエコノミコと差は1000ぺソくらい。はて何が違うのかこれは・・・どうも、エコノミコは、鈍行列車らしく出発する時間も違うらしく、サロンとツーリスモは急行らしい。でも、15分しか違わない。それだったら、一番安いのにしようと切符売り場に行き、行き先とクラスを告げると「エコノミコはもう無いわ。ツーリスモは3席だけあるけど、いっしょには座れないわよ」考えてしまった。じゃあ、明後日は?と聞くと「いっぱいだ」と言う答え。しょうがないので、明日の便を取って車内で交渉する事にする。

 そのまま地下鉄に乗って、もっと詳しい地図とキャンピング情報をもらうためにまたまた観光案内所に向う。気のいいおばちゃんが対応してくれて、いろいろパンフレットを持って来たが、またしても細かい地図はくれなかった。「安く旅をしたいんだが・・」と言うと、こともなげに「ヒッチでもしなさいよ」と進められた。観光案内所でヒッチを進めるということは相当、安全かつ一般的なんだろうと思った。またまた考えるうめちん。でも、取り合えず汽車に乗りたいから汽車に乗ろうと説得すると納得してうなずいた。

 まだまだ、日が高いので、サンクリストバルの丘に行くことにする。橋を渡り高級住宅街を抜けると、真っ青な空をロープウェイが行き来していた。閑散としたロープウェイ乗り場でゆっくり動きながら乗客を待つゴンドラ。はしゃぐうめちんと恐れおののく私。確かに街が一望出来た。でも風が吹くたびゴンドラは揺れ、はしゃぐうめちんがしゃべるたびに揺れた。恐かった。相当緊張していたせいか、頂上でゴンドラから降りたとき肩からすーっと力が抜けるのが分かった。

山頂駅からしばらく歩き、空を仰ぎ見ると大きなマリア像が立っていた。そこまで階段を登るとサンチアゴの街が270度見えた。広い、広いサンチアゴは広かった。遠くに禿げた山々が霞んで見える。太陽に近づいたからか、山を登ったからか分からないが日差しが強く相当、暑かった。写真を撮り終えて、辺りを見回すとうめちんの姿が消えていた。干からびたか?いや溶けてしまったか?と探しまわると、マリア像の足元の日陰に避難していた。少し干からびてしまったらしく、頬がこけ肌が浅黒く見えた。痩せたよね・・・ちゃんと同じご飯、いや、私より食べてるのに変だなぁと思った。

 帰りは、ケーブルカーで急な坂を降りる。ケーブルカーを降りると同時にポケットを探ると、ペソがすっかりなくなっていた。スリにあったわけでもなく、使い果たしてしまったのだ。どうやって宿に帰ろうか?銀行も閉まってる時間だし、カードも持っていない・・・歩くかぁ。それしかなかった。「そういえば、今日は地図もガイドも持ってなかったっけ、道わかんないね」日がサンサンと降り注ぐ午後7時の暑い道を、たぶん宿の方向?に歩いて歩いてさんざん歩いた。やっとたどり着いた時には、青い空が淡いオレンジ色に変わっていた。今日は、早く帰ろうと決めていたのに、やっぱり夜遊びになってしまった。

 
2000.1.3(月)