「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記チリ編

2000.1.3(月)

 昼頃起きだし、街へ出る。中央市場が開いていたので覗いて見る。海産物が並んでいた。シーフードレストランがたくさんあった。「ウニ、カニ、ヒラメ、スズキ、アリマース」と客引きが寄って来る。「いくらですか?」と聞くと値段表の所まで連れていってくれる。値段を見ると日本で食べるよりはるかに安い値段(900〜4000ペソ約180〜800円)だが私達には出せない金額だった。丁寧に断ると、ニコニコして「マタ、キテクダサーイ」とあっさり引き下がって行く。

そんなやり取りを数回繰り返したが、結局、レストランでは食べないで、問屋で大きなアサリ1.5kgとほうれん草2束、アメリカンチェリーをたくさん買って自分で料理することにする。帰り際、立ち食いパン屋でエンパナーダと言うパンに挽き肉とたまねぎを炒めて餡状にしたものが入ったものとピザ一切れそれにダマスコス(アプリコット)のジュースを飲んで帰った。

 アサリの砂抜きをしなければと鍋に水を張りアサリを入れて、部屋を暗くして街へ再び出る。

 地下鉄に乗って観光案内所へ向う。チリの地図とインターネットの場所、それに南に向うにはどうしたら一番いいか聞こうと思ったからだ。地下鉄の切符を行きと帰りの4枚買い、改札をくぐる。メキシコ同様、札幌の地下鉄と同じタイヤ列車でひゅんひゅんひゅんと言いながらやってきた。

 写真を撮って、乗りこむ。地下鉄は、暑かった。蒸し暑いといった感じがする。駅はどの駅も壁一面に絵が書かれたり、銅像など置いてあって感じがいいし、なんといっても危険な感じがしなかった。

 観光案内所がある駅で降り、階段の向こうは夕方だと言うのに明るく太陽がさんさんと降り注いでいた。思わず目を細めた。夕方の日が眩しかった。

 観光案内所で、サンチアゴの地図とインターネットの場所など聞き出したがチリのロードマップはくれなかった。「南に行くには、バスが一番安いけどテムコと言うところまで鉄道があって鉄道が一番安いわよ。そこから先はバスで行くしかないわね」と言われる。そうか・・・そういえば「地球の〜」にプエルトモンまで鉄道があると書いてあったなぁと思い、もう一度聞いてみるが、プエルトモンまでの鉄道はなくなってしまったらしく、今はテムコまでしか行かないらしい。「今までバスばっかりだったからなぁ。たまには鉄道もイイねぇ、しかもバスより安いから」と言うことで鉄道を使うことに決まった。

 観光案内所をでて、とおしゃれな通りを次ぎの駅まで散歩する。どうやら、高級そうな家や店が並んでいる。売っているものも若干高いような感じがするが、相当センスが光る通りだった。

  地下鉄に乗ろうと行きの駅で買った切符を自動改札に通すが受け付けてくれない。はて?なんでかしらと悩んでいると警備員のオジさんがやってきて切符を見て「これじゃダメだ、今の時間帯の切符を買わないと。これは、夕方6時までの切符だから」と言われる。サンチアゴの地下鉄は、時間によって料金が決まるらしく、朝夕のラッシュアワーの時間帯は料金が多少高くなる仕組みらしい。時間で料金が決まるなんて、知らなかったぁーー。と、渋い顔で高い切符を買い、あまった切符は後日使うことが出きるらしいので取っておくことに。

 地下鉄で、そのままサンチアゴバスターミナルへ。バスの料金を調べ、その足で中央駅へ向う。地下鉄の駅1つ分の距離なので歩いて行く。道すがら露店や安売りの店を冷やかしながら散歩を楽しんだ。駅に近づくにつれて次第に街が綺麗になっていく。駅舎は、パリのエッヘェル塔の設計者が設計したものらしくアーチが美しい。それに合わせるように周辺の街並みを作ったように感じた。

 駅で料金を確かめ、予約を入れようと切符売り場に向ううめちん。ポケットを探ってきびすを返したかと思ったら「だめだ」の一言。どうした?と聞くと「宿にもどんないと、金がない」ああ、そうですかと言って駅を出る。スラれるのが嫌なので小額しか持っていなかったのが仇に出た。でも、明日もこればイイよねなんて言いながら地下鉄は高いのでバスで帰ることに。ぶんぶん走るバスをようやく捕まえ、モネダ宮殿の前で降りる。たぶん、相当遊んだので、夜7時を廻っているのではないかと思うのだが、まだまだ明るかったし、商店も商いをしていた。人もたくさん行き来しているし、感覚的にはまだ昼の2〜3時くらいの様に思えてならない。

 明るい内に宿に帰り、夕飯を作ろうとアサリと野菜を持って台所へ行くと、たくさんの外人がいた。この宿には、こんなに人がいたのかと思うくらいたくさんいた。場所を確保して料理を始めて3分、みんなが使っている言葉が英語じゃないことに気がつく。聞いていても何を言ってるか分からない。喉から「カッ」とか「カハッ」とか変な発音が混じっている。うめちんは、気がついたらしくははぁーと言っている。「何処の人さ?」と聞くと「お髭の長いオジさんの国だよ」ははぁー分かった。こいつらは、みんなイスラエル人かぁ。

 あんのじょう何処からきたのと聞くと「イスラエル」とみんな答える。たまに「スウェーデン」とか答える人もいるがホンの少数だった。ここは、イスラエル人宿と化していたのだ。そういえば、壁にはイスラエルのテルアビブの写真が貼ってあるし、情報掲示板には、初めて見る文字が並んでいた。これだけ、イスラエル人がいるのはちょっと気味が悪いと思ったが、安いので当たり前かとも思った。でも、いいこともある。安い旅行が大好きなイスラエル人たちにいろいろ情報をもらった。「この国は、ヒッチハイクが簡単にできるよ。しかも、チリ人の家に簡単に泊まれる」と言う情報をくれた。そうか、ヒッチハイクかぁ・・・と考える。

 その夜、ヒッチハイクもイイなぁ。でも、鉄道にも乗りたいなぁと悩めるうめちん。どうせうめちんは、私の意見を言っても自分の思いどおりにならないと気が澄まないと思うので「私は、どっちでもイイ、君に着いて行くよ」さんざん悩ませることにする。うめちん、眠れないかなぁと思ったがグーグー寝てしまっている。ああ・・・チリの短い夜は深けて行く。

 
2000.1.2(日)