「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記ブラジル編 2000.9.21(木) コルンバから、パンタナール湿原へ。幹線を逸れて雨季になるとなくなってしまうと言う未舗装道路を走る。赤茶けた土埃をモウモウと揚げ走る牛次郎。 入ってすぐに「パンタナール、ミラドール」と書いた見晴台があるが何も見えそうにない。どんどん奥に走っていく。数時間走った頃、木の橋があらあわれる。橋にさしかかると、湿原らしい風景が広がっていた。照りつける太陽に緑がキラキラ輝き、そよ風に揺られ、静かにたたずむ水面を跳ねる魚達。虫の鳴き声がこだまし、鳥達が警戒なく飛びまわる。車を降りのほほんと橋に座り込み、その場に同化する。心地よく、気持ちがイイ。釣りをしたり、しばらくそこで遊んで先に進む。それからは、綺麗な風景がどこまでも続いていた。ある橋池では、ワニが数匹のほほんと水浴びをし、私達が近寄ってもホエーとしたまま動かない。石を投げても気がつきもしない。はたまた、大きなねずみみたいな動物がのそのそと道を横切ったり、鳥が大きな羽をいっぱいに伸ばしゆうゆうと空を飛びまわる。ここは自然の宝庫なのだと実感した。 感動しきりもつかの間、牛次郎がパンクした。やはりと言うか予想通りと言うか・・・そんなに大きなパンクではないので、空気が抜けきるまで走ろうと自然を満喫しながら走る走る。途中、艀に乗る所までは良かった。 艀を渡ってから、ワニの数も鳥の数も動物の数も増えてきた。探さなくても見える動物達。感動大である。でも、その感動が、恐怖に変わる。突然、牛次郎のクラッチが効かなくなったのだ。クラッチオイルを見ると空になっていた。オイルを足してみるが、一向に直らない。たぶんどこか破損していて漏れているのだろうと推測は付くには付くが、こんなパンタナール湿原の真ん中では・・・クラッチなしでどうやって走るの?今度こそ、牛次郎の御冥福をお祈りか?と思ったが、こんなとき頼りになるバイカー青山さん。クラッチなしで無理やりギアをいれ走り出す。これで、メカニックまで行くしかない!!自然を満喫している場合ではなくなった。止まりません様にと祈る。 真っ赤な夕陽がパンタナールに沈む。綺麗だった。でも、停まる事はできない牛次郎は、走り続けるしかないのに、先ほどパンクしたタイヤを交換しなければならず停まり、舗装路に出たとたんに検問に引っかかる。運が悪い。無理やりギアを入れるたびに叫び声をあげるギアにエンジンがガンと揺れる。その度に心が痛い。ギアが壊れたら、本当に御冥福を祈らなければいけなくなる。何とかもってくれ。 祈る気持ちでやっと見つけたメカニックは、クラッチが壊れた場所から200kmほどのミランダと言う町の入り口にあった。疲れ果てる。修理は明日と言うので今日は、ここに宿を取ることに。クラッチなしでずっと走り続けた青山さん、本当にご苦労様でした。 |
2000.9.20(水) |