「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記ブラジル編 2000.9.20(水) 牛次郎を木陰に停めたおかげで、朝の炎天下目覚ましが鳴らなく、快適に目覚められた。雲一つない晴天。そよ風が心地よく気持ちがイイ朝。 後ろブレーキを見ると、空気抜きのネジからブレーキ液が漏れていた。ブレーキを踏む度にぴゅ−と飛び出すブレーキ液。面白い様に出てくる。 いつまでも笑ってはいられないので、修理に取りかかる。四苦八苦の末、何とか漏れが止まったので、出発することに。 ここは、サンパウロとは比較にならないほど暑い所だ。毎日、雲一つない青空が広がる。要は炎天下と言う事で、日中の気温は40℃近くに上昇する乾いた土地。クーラーのない牛次郎。窓を全開に開けての走行は、過酷そのもの。熱風吹き荒れる車内の温度は常に35℃以上。乾いた風は、赤茶けた土をつれて来る。車内は粉を吹いたように、赤土が溜まってしまう・・・でも、どうしようもない。 パンタナール湿原の入り口の町、ミランダを過ぎた所に大きな川があった。まだ、橋の建設中で艀が行き来をしていた。大きなバスと共に艀に乗船。大きな川を横切ったあと、細い支流に入って行く艀。ちょっとした、ジャングル探検のような気分だ。 無事、川を渡り走り始める牛次郎。しばらく走ると道の状態が悪くなった。ブスン・・・ギュルギュュュ、、、突然、静かにエンジン停止。はて?ガス欠か?そんなはずはないのだが?とガソリンを計ってみるが十分なほどガソリンはあった。では、なんで止まったの?ガス欠じゃないとすると考えられる原因は電気系統だろうと推測するうめちんと青山さん。早速、調査に取りかかる二人。まず、セルを回して見る。ちゃんと作動したので、セルは異常なし。セルが回ると言う事はバッテリー、ジェネレーターもちゃんと動いていると言う事になる。 では、エンジンプラグに電気が来ていないのでは?プラグに接続されているコードを外し鉄に押しつけ、セルを回す。案の定、火花が出ない。たぶんどこかの配線が切れたか、外れたのだろう。原因は特定できたが、牛次郎のはちゃめちゃな配線を目の前に修理を断念するうめちん。近くのガススタまで運んでもらおうと通りすがりの車を止めて事情を説明する。「え、あの車を牽引しろって・・・それは、うちの車じゃムリだから、もっと大きいのに頼むんだな」ブイーンと走り去って行く車ドモ。 やっとこ拾った車も牽引は断られたが、青山さんを乗せてガススタまで行ってくれる事になった。青山さんを待つ事、数十分。一台のコンクリートミキサー車が走り去る。何を思ったのか、Uターンして牛次郎の前に停まった。助手席のドアから、青山さんがポロっと出てきた。「イヤー、ガススタ行ったら、断られちゃって。で、つれてってくれたオヤジが、工場みたいな所で交渉してくれたんだよ」はーそれで、ミキサー車かぁ・・・そして、牽引。ブレーキが効かない牽引は怖かった。どこまで引っ張って行ってくれるのだろう?と思っていると見覚えのある景色が現われ、ミキサー車は停まった。そそくさとチェーンを外し、ブーンと走り去るミキサー車。 ここ、艀の乗場じゃないですか。どうやら、先ほどのミキサー車は橋建設用のものだったらしい。さて、これからどうする?と大量の蚊の中で呆然としていると、工事現場から一人の男がうめちんと共に歩ってきた。どうやら、メカニックらしい。「私は、船のメカニックなんだよ。艀の電気系統を見てるんだよ」と牛次郎のはちゃめちゃな配線を辛抱強く識別していく。そして、これだ!!とどこからか落ちた配線をここだと言う所にブッと差し、エンジンを掛けるところっと直ってしまった。「すごい、さすが!!プロは違う」と褒めちぎる。 そして、コルンバに向けて走りだす。真っ暗な闇の一本道。唯一光るは、満天の星と無数の蛍達。大地は、満天の星がちりばめられた夜空の様に瞬いていた。まるで、宇宙を走っているかのような錯覚に陥る。こんなに蛍を見るのは初めてだった。車を停めて外に出るとどこからともなく、動物の鳴き声が聞こえる。自然の音楽、満天の星に蛍の瞬き、とても贅沢な所だなぁ・・・長い一日が終わった。 |
2000.9.19(火) |