「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記ブラジル編 2000.7.28(金) ガススタの裏は、どこまでも続く草原だった。草の大地。後は何も見えない・・・朝靄美しく、ブラジルは広いナぁと実感する一瞬。 太陽輝くころ、ナタルに到着。大きなショッピングセンターで、大量に食料品を買った後、ブラジル一綺麗な、砂丘と海岸と言われるナタル近郊のポンタ・ネグラ海岸に向かう。綺麗な青が目に飛び込む。砂丘も白い砂浜も綺麗だった。でも・・・カノア・ケブラダの方が綺麗に思えてならない。そんなに魅力を感じなかったので、もう少し南にある海岸を目指す。 青い海を見ながら、海岸線の細い道路を走る。どうも、なかなか発進しなく坂を登らない牛次郎。調子がいまいちと思った。突然「ウワぁーーーーー」叫ぶうめちん。ギューンと言って突然のエンジンブレーキ音。後ろに座っていて状況が把握出来なかった私は、トペ(スピードを減速させるために道路に作ってある山)かと思い頭を抱えるが、衝撃はなく、ゆるゆると路肩に停まった。 「どうしたの?」と聞くと「突然、ブレーキが利かなくなった」「・・・へ?」緩やかな下り坂で、その先は急カーブで目の前には民家があった。通常のスピードで坂を下ったが、急カーブが見えたのでブレーキを踏んだがいつもは重いはずのブレーキがカスっと奥まで踏めてしまう。しかも、減速しない。慌てて、2速に入れなおし、エンジンブレーキで難を逃れ、冷や汗もんだったと一生懸命、説明するうめちん。危うく、御陀仏になるところだったらしい。 回りを見渡せば、民家がポツラ、ポツラとあるのみ。その辺の人に「メカニックはありますか?」と聞くと「7km先にある」との事。そこまで慎重に走るか?そう思い、発進しようとしたが、1速でアクセルをふかしても発進しない。どうやら、ブレーキの何かが引っかかっていて、駆動しないらしい。しょうがないので道端でブレーキを開けてみる事に。 ジャッキで後ろのタイヤを上げ、手で回してみるが、案の定、回らない。タイヤを外し、シフトを外して、ドラムブレーキの外側を外そうとするが、押しても引いても何故か外れない。そうこしている内に大量の野次馬出現。その中から自称メカニック登場。あれやこれやと、道具を使ってドラムブレーキの外側を外そうとしたが、結局外れず。「コレは、ブレーキオイルが漏れてるからだ」と勝手に解釈して、適当な処置をして、タイヤをはめてしまった。まだ、直ってないじゃン。コレじゃ、危険だよ、コレだったら7km先のメカニックに行った方がいいなぁ・・・そう思いながら、取り合えず自称メカニックに笑顔で「ありがとう」と言って、タバコを数本あげて、そうそう立ち去ろうとするうめちん。 と、そこに今度は、本物のメカニック登場。またまた作業開始。「んー、このブレーキはここじゃ直せないから、メカニックに行くんだな。取り合えず、この壊れたブレーキは、殺しておくから」そう言って、ブレーキホースに釘を一本刺して圧力を止めるメカニック。そして「ここから、20km先にブレーキ屋があるから、ゆっくり走って行くんだね」メカニックの言葉にゆるゆると走り出す牛次郎。 ブレーキが利かないと分かっていると時速10kmほどでもトペや、前を走る車の急ブレーキが結構恐い。車間距離は十分取ってあるものの、腰が引けてしまう。日が暮れた頃、ようやくメカニックに到着。一気に肩の力が抜ける。 てきぱきと作業するメカニック。どうやら、ブレーキシリンダー内のゴムパッキンが、ブレーキをかけた際にどこかに突っかかりそのまま戻らなくなってしまったようだった。そのため、ブレーキパッドが戻らずホイールを固定していたので、外れなかったらしい。しかも、そこから、ブレーキオイルが少しずつ漏れてきてもいた。てきぱき直すメカニックのおかげですぐ直る。ついでにブレーキホースのエア抜きもしてもらったので、だいぶブレーキが利くようになった。これで、一安心。 近くのガススタで寝ようと思ったが、設備の整ったガススタが見当たらなかったので、先に進む事にする。幸い、ブレーキが直るのと同時にロービームも点く様になっていた。変な車だよ、本当に。 チバウ・ド・スルと言う漁村へ。途中まで行った所で道を尋ねる。「えー・・・」地名がなかなか出てこない。と、「ピパでしょ?それならこの道をまっすぐよ」と先回りして答えられてしまう。ピパは、チバウ・ド・スルから更に奥に入った海岸の村なので、まっすぐでいいらしい。急な坂を登って降りてを何回か繰り返し、まっすぐ進む。そして、分岐が見えたので、また道を尋ねる。「えー・・・」「ピパか?こっちの道をまっすぐだ」そうですか。何も言わないのにこの辺の人は、分かってしまうらしい。ピパってそんなにいい村なのかな?それにしても、チバウ・ド・スルは遠いナぁ・・・そう思っている内に標識が見えてきた。 「・・・kちん、チバウ・ド・スルはとっくの昔に過ぎたらしいよ」眠そうな声で言ううめちん。へ?3差路の標識を見ると、今走ってきた道路の方に「チバウ・ド・スル5km」と書いてあった。あや、最後に道を聞いた村がチバウ・ド・スルだったらしい。あやや、どうする、戻る?とうめちんに問うと「僕、もう眠いから戻るの嫌だ」と言うのでピパに行く事にする。村に入ると、もう、夜も遅いと言うのに、通りの店には煌々と明かりが点いていて、だいぶ人があふれていた。「なんだ、ここ結構いいとこかも・・・」なんてつぶやきながら海岸の方へ向かう。どんずまりの広場で、海の音を聞きながら、今日一日も無事終わろうとしていた。生きててよかったねぇ・・・ |
2000.7.27(水) |