「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記ボリビア編 2000.10.21(土) ウーン・・・頭が痛い。体もなんだかだるいなぁ・・・起きあがると頭に鈍痛が走り、下を向くと吐きそうなくらい気分が悪い。うめちんも青山さんも頭が痛くてたまらない様子。食欲もわかないし、高山病とは、こういうものか。アスピリンを飲んではみたが・・・ああ、早く地上に下りたい・・・切実な願いだった。 車に乗りこみ出発を待っていると、今度は、荷物のことで運転手ともめているイスラエルのビフ君。今度は、なんだい?なんでもビフ君がいない間に車の屋根にバックパックを積んでいたのだが、心やさしいアイルランド人のロジャー君がついでにビフ君のバックパックも積んであげたらしいのだ。それを「勝手に俺の荷物を・・・」と怒っているらしい。そして、友人のイスラエル人ミハエル君にも「どうして、なにも言わなかったんだ」と責めている。おいおい、そりゃ、わがままでない?だって自分がその場にいなかったんだし、ロジャー君に礼を言うべきでしょ。ミハエル君は、ロジャー君が荷物を乗せている所を見てるんだし、ちゃんと確認してるよ、たぶん。可愛そうなミハエル君とロジャー君。その後、しばらく運転手が口をきかなかったことは言うまでもない。 車は、砂の大地を走る。Arubol De Piedra(アルボル・デ・ピエドラ)砂漠地帯にどこかのテレビコマーシャルで見たことのある奇岩が立ち並んでいて、不思議な感じがする。そして、砂利の道を走り、岩場を走る。遠くに天高く上がる煙が見える。あれは?・・・近づくにつれて、白さを増す煙。間欠泉だ!! エンジンを切るとボゴゴボゴゴと異様な音が聞こえて来る。「この間欠泉は、200度の温泉が沸いてるから、落ちないでくれよ」と注意を受けた。車を降りると辺りは、硫黄臭漂う温泉の臭い。蒸気が白く立ち込め前が見えない。と、足元に大きな穴が現われた。白い蒸気の合間から、穴を覗きこむと灰色の泥がボコンボコンと沸き立っていた。なるほど200度か。地の底からの叫びがそこいら中から聞こえてくる。蒸気を浴びて少し寒くなった。 大きく断層がずれたような谷を横目に断崖を走る。砂漠もいつのまにか草原に変わり、遠くリャマやグアナコが走り去る。そして、遠く、白い湖が見えてきた。近づくにつれて、ポツンポツンとピンクの物体が見えてくる。フラミンゴの大群が岸近くで、餌をついばんでいた。 Lag Hedionda(ラゴ・ヘティオンダ)だ。そろそろそろとゆっくりと車が停まる。私達が近づくと一斉に逃げ出すフラミンゴ。そーと、足音を忍ばせ近づくが、危険を察知して遠くへ行ってしまう。しばらく、じーっとしていると再び岸に餌をついばみにやってきた。足をピンと伸ばし、変に曲がった首を一生懸命、水面に突っ込んで餌を探していた。どうして、こんな過酷な土地に住んでいるのだろうか?フラミンゴはもっと温かい土地にいるものかと思っていた私は、考え違いをしていたらしい。白い水面にぽつぽつとピンクが点在していてキレイだった。 そして、昼時。リャマが草を食む川辺で昼食を取ることに。パンをかじりながらのほほんと川の流れを見ていると、車の方でなにかもめている様子。車の方へ振り向くと、ビフ君とミハエル君が運転手に食ってかかっている。「オイ、俺らのこと嫌いなのか?」すると「そう、嫌いだ」と素直に答える運転手。「なんで?」と言う問いには答えない運転手。もう、口も聞きたくないらしい。少し、落ち込み気味で引き下がりパンをかじるビフ君とミハエル君。何だか、可愛そうになって来る。楽しく行こうよ、みんな。そう、叫びたくなった。 とある、村へ休憩のため立ち寄る。人もあまりいなく、数件の家しか見当たらない閑散とした村だった。運転手が「コパカバーナと言う村だ。アレがアルマス広場だ」とちょっとした広場を指差す。いきなり吹き出すビフ君。「なに、コパカバーナ?なんだ、ここは海か?アレがプラサアルマス?アレがーーわはは」プチン、またも切れた運転手。突然、車を停め「疲れたからここで休憩だ、ジュースとかあるから好きに飲め」と一軒の商店に入っていってしまった。商店を覗くとビールをぐいっと飲み干す運転手の姿が見えた。やってられないという感じだろうか?村を散歩していると子供達が遠くから私達を見ていた。「オラ!」とあいさつすると「オラ!」とはずかしそうに元気に答えてくれた。何とも、素朴だった。 運転手の怒り具合から、もう、走らないかと思っていたが、なんとか走り出したランクル。今日の目的地San Fuan(サン・ファン)までは、大きな石が多く、轍が深く刻まれ、ひどい道が続いていた。そして、車内の雰囲気は最悪のものだった。 でも、無事、サンファンの宿に到着。ここも小さな村だが、先ほどのコパカバーナよりは発展していそうな感じがする。村を散策すると宿や商店は立ち並んでいるが、どことなく廃墟に近く、ロールプレイングの世界を歩っているような感覚に陥ってしまった。子供達が水辺で遊んでいた。「オラ!」と声を駈けてきた。てっきり、金くれとかカラメロくれの類かと思ったが、それきり自分の遊びに没頭している。擦れていない子供達。いい村だった。 夕食時、食堂に向かうともう一組のツアー客が食卓に陣をとっていた。彼らは、全員オーストラリア人家族のようだった。我々も席につく。今日は、リャマの肉だと聞いていたので楽しみにしていた私達。当然、宗教上の理由でリャマを食べられないビフ君とミハエル君は、ベジタリアン食を頼んでいる。 そして、やってきたメインディッシュは、ポテトフライと焼きチキンだった。そして、ビフ君とミハエル君に与えられた食事は、卵焼きとポテトフライだった。愕然とするビフ君とミハエル君。彼らは、リャマは食べられないがチキンは食べられるのだ。はっきりいってコレはいじめに近かった。 しかも、宿の人達のオーストラリア人達にとる態度と私達に取る態度にやけに差がある。皿の置き方から、ものを持ってくる態度まで。オーストラリア人食卓にコーヒーセットが運ばれてきたので、私達にもあるのかと待っていたが、一向に来なかった。催促すると「え、君達分?それは・・・あるよ」といい、紅茶パックとお湯だけを持ってやってきたオバさんに「コップは?」と聞くと「さあ、あなた達のコップなんて無いわ・・・」ととげとげしく言ったのだ。 コレには、ビフ君とミハエル君でなくても頭に来る。いいかげんにしろ、こっちは金払ってんだぞ!!と言いたくなったが、そんなことを言ったって教養の低い彼らには分からないだろう。ツアー会社に言ったって、今までのことを見ていると前にも同じようなことがあったに違いない。何を言われても自分の立場も先のことも分からないのだろう。頭に来ていたが、もう、あきらめることにした。 強制的に電気を消され就寝。ベットに入ると何故か砂だらけだった。トイレに行くにもろうそく一本くれない。最悪・・・ |
2000.10.20(金) |