「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記ベリーズ編

99.10.12(火)

ギラギラと容赦なく太陽が照りつけるサン・イグナシオ郊外の坂道を木陰を求めながら延々歩く。車が通ると真っ白になる未舗装の砂利の坂道に反れ、また延々と歩く。ふーふー言いながら、ふと後ろを振り向くと小高い山々とサン・イグナシオの緑多い町並みが一望できる。光を浴びた鮮やかな緑が雲の流れで変化するのがとても美しい。

カンペチ遺跡は、こんな小高い山の中にひっそり埋もれている。昔の人は、眺めのいいところが好きだったのだのだろうか? 博物館で入場料を払い遺跡の入り口へ。博物館の裏手に入り口への道があるが、道の先に見えるのはうっそうとしたジャングル・・・道の終わりにぽつんと木のトンネルが口をあけている・・・遺跡入り口って書いてある。少し覗いて見ると獣道が奥まで続いてる。横を見ると森男の梅ちんはなんだかうきうきうれしそう。と、思っていると、「わーい、僕こういうとこ好き!」とスキップしながら私の手を引いジャングルの中へ。

うっそうと木が生い茂り、木々の間からほんの少し光が差し込む。ふと目の前に一本の蔓が見えてくる。見境のない梅ちんは、ターザンのごとく蔓につかまり、ぶら下がろうと足を宙に投げ出した瞬間・・・ボキ、バキ、ボキ、ズリズリ、ゴン、森中に響き渡る。蔓に身放されて、獣道に落下。この事件で仕事中だったと推定される、背中に6本とげがあるアリさん一匹がお尻をつぶされるなどの重症を負い、まもなく死亡。当の梅ちんは、腰とお尻の打撲とひじのかすり傷などの軽傷で済みました。アリさんごめんなさい。こんな、考えなしの梅ちんを許してね。

獣道をどんどん進むとぱっと木々が消え、広場と石の建物が見えてくる。広場を囲むように建っている。中央の階段を登って石のアーチをくぐると広場になっていて小高い山が見える。よく見ると山の上のほうは綺麗な石が組んである。これは、ピラミットだ。ピラミットを登ると裏手にいくつもの部屋に分かれた建物が見えるが、これは、王宮らしい。どれもこれも土を半分くらいかぶりそこに木々が生い茂り完全な形をしていない。修復中とガイドブックには書いてあったが修復している様子がない。これ以上の修復はしないのだろうか?かつては、ティカルを忍ぶほどだったとか・・・今は、ジャングルの中にひっそりと眠る。

雲行きが怪しくなってきたので急いで山を降りることに。向こうの黒い空に稲妻が走る。行きの暑さは何処へやら、肌寒いほどの風が吹き抜け、程なく雨が降ってくる。 梅ちんが昨日の日記を読んだらしく今日も中華料理。雨が落ち着いたころ昨日の中華料理屋に向かう。夢にまで見たロブスターラーメンをジャッキーチェンの映画を見ながら食べるが日本のラーメンとは程遠い。でも、スープはとってもおいしかった。腰が痛いと嘆いている梅ちんを横目に満足満腹で一日を終える。

99.10.11(月)