「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記ベネズエラ編 2000.7.2(日) 曇りの中、川をさかのぼる。今日はエンジェルフォールを見にゆく。昨日の濡れた服は、とうとう乾かなかったので、そのまま着てきたが、ボートがスピードを出すたびに冷たい風が当たる。寒い。それに加え、急流をさかのぼるときには、大量の飛沫を浴び、ますます寒くなる。さかのぼるほどに激流が多くなり、岩と岩のほんの隙間を通ったりと運転手に拍手喝さいが起きるほどの川をものともせずさかのぼるモーターボート。でも、寒いのには変わりなかった。 やっと、トレッキング開始地点についた時には、頭の先から足の先までずぶ濡れ。空を見あげると少し晴れ間が覗き始めていた。 瑞々しい木々が生い茂るジャングルに足を踏み入れる。生い茂る木々で光は遮断され少し暗い感じがする。道は、昨日の雨のせいか、いつもそうなのかは分からないが、柔らかくドロドロですべりやすく、木の根っこや大きな岩があったりと不安定だった。でも、緑のいい匂いがして空気も美味しいのが、すばらしく気持ちがいい。登りばかりの険しい道だったが、何故か楽しかった。 約1時間ほど登った所にエンジェル・フォールの全景が見れるミラドールいたどり着く。運がいい事に空には、いつのまにか雲が消え、太陽が姿を現していた。滝の一番上の所に雲がかかって、すべて見えなかったが、感動がこみ上げる。それは、それでカッコよかった。約1000mの落差を誇る、エンジェル・フォールが見の前にあるのだ。 更に滝に近づきたい。エンジェル・フォールを浴びたい。更に山を登り始める。先ほどより更に険しい登り道が続く。エンジェル・フォールの飛沫が降り注ぎ、濡れた足場はとても滑り危険がついて回る。そして、もっともエンジェル・フォールに近い場所にたどり着く。ガイド曰く「君達は、今年始めてココまで来れた人達だよ。ココは、よほど運がよくないと来れないんだよ」なんでも、当然の事ながら雨が降ればエンジェル・フォールの水量が増えてココまで登って来れないし、逆に晴れていても下の川の水量が少なくなり、ボートがなかなか川をさかのぼれなく、川原を歩いたり、ボートを押したりしてトレッキングスタート地点までくるのに時間がかかってしまい、ミラドールまで歩くのがやっとだったり、運が悪ければ、ミラドールにも来れないなんて事があるらしい。昨日の夜の雨といい、トレッキングをはじめた頃から天気がよくなったといい、私達は、すばらしく運がいいのだった。 よく見れば、雲はどこかに消え去り、眩しいくらいの太陽が、流れ落ち霧に変化したエンジェル・フォールとの間に奇麗な虹を作っていた。美しく、綺麗だった。「3億5千年前の岩を感じて下さい」ガイドの言葉に寄り掛かっていた岩に手を当てる。3億5千年前の岩か・・・残念ながら何を感じることは無かった。「3億5千年前の石だー」うれしそうに小さな石を拾ううめちん。「どうするのそれ?」と聞くと「ん、お土産だよ」「そう、だれに?」「いや、誰かはわからないけど・・・」「・・・」その石を持っていって、3億5千年前の石って言ってもだれも信じないだろうなぁ・・・そう思ったが、うれしそうに拾っているので言わないでおこう。 ついでに3億5千年前の木が生えるからと言って、何かわからないが、変な木の実を拾っていたうめちん。「どこに植えるのそれ?」と聞くと「ん、実家の庭」そう言いながらたくさん拾っていた。そうですか・・・実家の庭をジャングルにするつもりだろうか?この人は・・・後が恐いナぁ、そう思った。 名残惜しげにその場を去る。少し下った所で、水浴びタイム。タンニンで染まった黒い川は、とても冷たかった。そりゃそうだ、高さ1000mから振ってきた水だもの、冷たいに決まってる。 険しい道を逆戻りする。よく、滑る道なので、登ってきたときより更に恐い。足元に十分注意しながら下りる。一番遅い私達に付いて来たガイドさん。4人で日本語でしゃべっている言葉を聞いて色々聞いてくる。「コレイイジャンってどういう意味だい?」「それは、エステ・ムイ・ブエノだよ。コレがエステで、イイジャンがブエノだよ」何かの拍子に納豆の話になった「ナットウクサイってどういう意味?」「クサイってスメルの事で・・・ナットウって言う食べ物が日本にあって、そのナットウって言うのはすごくクサイんだよ。で、足がクサイ事をナットウクサイって言う事あるんだよ」なんか適当に答えるうめちん。 「君達、いつまでべネゼエラにいるの?」「ココを見たらブラジルに行くよ。私達、車で来てるから・・・」「へー車で?」「そう、エクアドルで車を買って、ココまで走ってきたんだ。コレから、南下するのさ」「へーコロンビアとか通ってきたの?ベネゼエラは、安全だけど、コロンビアとか危険じゃない?」「そうね、ゲリラとかいるし・・・」何を思ったか、ガイドさんいきなり「そうだ、ゲリラは、ナットウクサイ」プー!!一同吹き出すが、ちょっと使い方が間違っているような気がするが、それは、一理あり。妙になっとくしてしまった。それからいろいろ話し始めたガイドさん。日本に行って見たいとか、野茂秀雄はすごいとかそんな話しをしている内にトレッキングスタート地点に到着した。 そして、待ちに待った昼ご飯。今日は、ポテトサラダとチキン焼きに冷たいレモンティー。鳥は、スモークの味がするとても美味しい味がしたので、スモークチキンかと思いきや、鶏ではないと言う。じゃあ、何の鳥?と聞いたが、よく分からなかった。でも、サイコ−に美味しかった。少しの昼寝タイムの後、ボートに乗ってキャンプに帰ることに。 そういえば、カンカンに晴れたせいで行きよりも水量がだいぶ減っているように思える。実際、中洲が無かった所に中洲が出来ていたり、行きはボートで登れたのに帰りは、浅すぎて人間を乗せて下れない所とかが出現していた。それに、モーターのプロペラが川底に当たって壊れてしまったりというトラブルもあった。何とか、無事にキャンプに帰れたが、もう少し遅かったら水が少なく、たくさん歩かなければならなかったと言う。やっぱり運がいいのだ。 テーブルマウンテンに夕陽が当たる。オレンジ色に輝く姿が雄大で美しかった。そして、闇が訪れる。 |
2000.7.1(土) |