「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記タイ編

2001.2.4(日)

 すずしい朝。ベットでうだうだと気持ちのいい時間を過ごす二人。突然、ガン、ガランガラン、ボテ、ガランゴロンゴロン、カーン・・・ものすごい音に飛び起きる。なんだ?なんか屋根に落っこちてきたねぇ・・・外を眺めると、通路の向こう側に上から大きな丸いものが降ってきた。ボテ、ガランゴロンゴロン、カーン・・・それは、茶色く変色した椰子の実だった。ひえーこんなの頭にあたったら死んじゃうよ。オチオチ通路も通れないと思ったが、そこは客商売。抜かりはない。通路の上の椰子の実は全て取り除いてあり、バンガローの屋根は、落ちてきた椰子の実でぶち抜けないように頑丈に作ってあるらしい。

 今日は、釣り道具を抱えて海へ行く事に。その辺で釣りツアーを取り扱っているツアーエージェントに「どこに行けば釣れる?」と聞くと「ボートで行くのが一番だけど、この辺だったら、桟橋がある湾かな。後は、ロングビーチの方もいいな」フムフムそうか「で、どんな仕掛けがいいの?ウキ?投げ?」「そりゃ、投げの方が大きいのが釣れるよ」そうかそうか「ありがとう」と言って立ち去ろうとすると「オイ、ツアーいかないの・・・」そんな高い釣りツアーには行けないのだが「ん?考えておくヨ」と希望をもたせて立ち去る。ちょっと悪いことしたかな?

 私達が降り立った桟橋にはたくさん船がいたので、別の桟橋へ向かう。途中、ビーチに黄色いエアーマットが落ちていたので、思わず拾ってみる。どうせ穴があいて捨てたのだろうとよく見れば、大きく人がのる所と頭を乗せる小さなところと2箇所に分かれたタイプのエアーマットだった。望みを込めて、木陰で空気を入れてみる。ラッキー、穴が空いていたのは小さな頭の方で、大きい方はまだ現役ばりばりだった。これで海がもっと楽しくなるぞ。はしゃぐ二人。

 海にぷかぷか浮かぶフロート桟橋で釣りを始めたうめちん。そして、お決まりの地元っ子が群れをなす。釣り道具をあれやこれやと引っ掻き回し、うめちんの釣り竿を貸してくれだのシュノーケルを勝手に持ち出し海に飛び込んだりと、釣りをするにあたってのいつもの展開が繰り広げられる。のんびり釣りも出来ないと不満顔のうめちん。しゃあないな・・・テグスに針と錘だけを付けた簡単釣り具をそこにいた人数分だけ作ってあげると、おとなしく釣りを始めた子供達。そして、ゆらゆら桟橋に揺られて気分が悪くなった私は、そそくさとビーチに退散。しばらくうめちん達をボーっと眺める。

 釣りに飽きたのか、のこのこビーチへやってくるうめちんと昨日のビーチへ泳ぎに行く。シュノーケルを付けて泳ぎまわっていると、足元に新品のタモを発見。これも拾ってみる。「こんなのどうするの?」と持ってくのかと言う顔でうめちんに聞かれたので「うめちんが大きな魚釣ったときに使うんだよ」と強引に持たせる。いつのまにか、少しオレンジ色になってきた空。さんざん岩場をシュノーケルで泳ぎ廻る私と先ほどのエアーマットがよほど気に入ったのか、いつまでもぷかぷか浮かぶうめちん。時がたつのも忘れてしまいそうなくらい楽しいひとときが過ぎて行く。

 さんざん遊んで宿に帰り、部屋へ向かう途中、「オーイ、日本人ですか?」と後ろから声をかけられた。振り向きざま「そうでース」と答えると、すらっと背の高い女の人が、こちらに駆けてきた。そして「もしかして、シタール弾いてる人ですよね、○○さんの結婚式でシタール弾いてたでしょ」「そうだけど」そう言われても、彼女の事が思い出せないうめちん。二人で顔を見合わせる。なんと、良く聞けば、うめちんの友達の友達で、昨日から私達の事を見知っていて、「あれは、知ったシタールの人じゃないか」と思っていたんだそうだ。こんな所で知り合いに会うなんて。ということで、一緒にご飯を食べに行くことに。そして、夜遅くまで、いろいんな話に花が咲く。

 世間は狭い。ほんと、世界は狭いなぁ。

2001.2.3(土)