「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記ペルー編

2000.3.3(金)

 イカの郊外にワカチナと言うオアシスがあるというので行って見ることに。バスを捕まえようとあちこちで尋ねるが、皆さん言うことが違う。料金は?と聞くと「一人2ソル位かな」とあいまいな答え。さんざん暑い中、歩かされてばてばて気味の二人。結局、バスはあきらめてオートリキシャを捕まえてイザ出発。

 郊外に向えば向うほど、景色が砂漠に変化する。そして、大きな砂丘が幾重にも重なって前方に現われたかと思うと、ポツンと赤い建物が見えてくる。ココだと下ろされたところは、本当に砂丘に囲まれポツンポツンとナツメ椰子が立つオアシスだった。自分のオアシスのイメージそのまんまであった。

 早速、湖水浴開始のうめちん。体調の悪い私は、それを眺める。気持ちよさそうだな・・・と思い足だけつかることに。湖岸の丸太に腰をかけ足をポチャッと漬けると、なんだかくすぐったくなってくる。なんだ?と思ってよーく湖面を見ると、大量の小さな魚ドモが足を突っついている。なんとも、ほのぼのだなぁーと思っているとうめちんが横に座ると、うめちんの足に一斉に魚が向って行く。あらら、この魚ドモ、臭い足が好きなんだぁと口に出しては言えないがそう思ってしまった。しばらく、足をぽちゃぽちゃ動かし小魚と戯れていたうめちん。

 「ウぎゃッ!!」突然叫んだと思ったら水面から急いで足を引っ込めた。なになになにどうしたの?きょとんとしてると「なんか足噛まれたー。なんかいるよぉ」足を見るとアキレス腱の所が赤く引っかき傷になっている。え、ここの魚って噛むの?と大騒ぎしていると、廻りにいた人達がケタケタ笑って寄ってきた。「あはは、そこはとても危険だよ。俺も手を噛まれてねぇ」と黒く太い腕をニューっと出して傷を指差す。そして「ほれ、ココに手を突っ込んでみれ」と湖に這いつくばり、座っていた丸太のしたを指差した。言われた通りおそるおそる手をすべり込ませるうめちん。「・・・!!うギャポッぷろポッ!!」あわてて手を引っ込めるうめちんを見て一同大爆笑。うめちん曰く「ここの丸太の下が大きな空間になっててさぁ、ちょっと大きな魚がいるんだ。そいつがガブチョって噛むんだよ」大爆笑の連中は、もう経験済みってことですね。はい。

 それから、こいつを捕まえてやると小魚に体中をつつかれながら湖に這いつくばり、穴に手を突っ込んでは一同に大爆笑されること数回・・・結局、魚があきてうめちんの包囲網をなんなくすいーっとすり抜け何処かに行ってしまった。「ウキーッッ!!」と悔しがるうめちんが一瞬止まった。砂丘の方をじっと見ている。?その目線をたどって見る・・・・・・遠く壁のようにそびえる砂丘のてっぺんにポツンと人が座っていた。そして、ピョコンと立ちあがったかと思ったら一直線に斜面をすべりだした。へえええーサンドボードかぁ・・・と目線をうめちんに戻すと、さっきまで悔しがっていた顔が目がきらきらと輝いている。

 そして、一直線にレンタルボードを借りに向ったのは言うまでもない。しかも、1.5時間で3ソルだと言うので1時間2ソルに値切って借りる。店のオバチャンが「日本では、雪の上でやるんだろ。これと同じボードかい?」いやぁ・・・1500mm×300mmの大きさに切ったパネコート仕様の15mmのコンパネに、何故か下に向って小さな羽が船尾に取り付けられていて、足を固定するためのマジックテープが2箇所ついているのみと言う、日本のボードとはお世辞にも同じと言えない代物である。そして「あんたたち靴は持ってないの?靴の方がいいわよ」と意味不明な事をつぶやいていた。

 なんとなく体調の悪い私は、下で待っているつもりだったのに・・・無理やり手をつかんで砂丘の頂上に引っ張って行こうとする。わかったから、先に行ってていいよぉと犬のようにかけ上がるうめちんの後を追ってザクザク登り始める。

 5分の1くらい登っただろうか?さらさらの砂に足をとられて歩きにくく、しかも、足を乗っけた先からさらさらと崩れて行く。そして、サンサンと照りつける太陽にばてばての私。もう、すでに半分以上登り切っているうめちんを仰ぎ見ながら休憩しようと斜面で歩みを止めると足からさらさらの砂の中に吸い込まれて行く。フーっと息を大きく吐く暇もなく足にチクチクと傷みが走る。地に足をつけていられないほどチクチクと刺さるようだ。虫かと思って砂の中で足踏みをして一生懸命足を出すが傷みが止まらない。何回か足踏みしている拍子にサンダルがホイっと抜け、素足で砂を踏んでようやく理解。痛いのではなく熱いのだった。

 砂は、サンサンと降り注ぐ直射日光でカンカンに熱くなっていたのだ。ようやく、レンタル屋のオバチャンの言ったことが理解できたのだった。「こんな、所にいられるかぁ」と吐き捨てて、急いで斜面の下に避難する。ひりひりする足の裏を見ると真っ赤になっていた。足をパタパタ仰ぎながら砂丘を見上げると、まだ犬のように登っているうめちんを発見。あの人の足ってどうなってるんだろう?と疑問に思った。が、やはり熱いらしくしばらく登っては、足を上げて休憩、そしてまた犬のように登るを繰り返していた。

 ようやく、てっぺんに着いたときはこっちに向って手を大きく振っていた。そして、初すべり。両手をぱっと前後に伸ばしてちょっと中腰の体勢でちょっとジャンプして斜面になだれこむ。しかも、直滑降。ハッとかホッとか言って飛びあがっているが、なかなか降りてこない。スピードが出るようにとワックスを塗っていたが、効いていないように見える。傾斜はそこそこあるが雪のようには滑らないのだった。やっと降りてきたうめちんの足の裏も真っ赤にはれていた。結局、1回滑ってサンドボード終了。お金を払って火傷した私はなんだったのか・・・

 暑さでますます体調が悪くなる。木陰でボーっとしているとかき氷を食べようといううめちん。生水、大丈夫かなぁ?と心配する私に「大丈夫だと思って食べれば、大丈夫だよ」と言って買ってきたかき氷を進めた。暑さに負けて口にしてしまった私は、その夜吐き気と下痢に見舞われたのでした。

 ああ、何しにリゾートに行ったんだか・・・

 
2000.3.2(木)