「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記インド編

2001.5.11(金)

 朝、一本の電話があった。誰だろうと受話器を取ったうめちん。飛行機のチケットを買った旅行会社の奴だった。なにかと思ったら「チケットをリファンドするが、いろいろこっちもお金がかかっているから、うちのマージン分を引いた金額を払い戻しするけどいいか?」いい訳がなかった。詳しく話を聞くために暑い中、旅行会社まで行くことになった。なぜに私達が出かけねばならない?すでに二人とも頭に来ていた。彼らに負けないために「あんな旅行会社トラブルの元だから縁を切ったほうがいい」と久美子さんに了解をもらって勝負のネタを引っさげて、外に出た。暑かった。

 旅行会社に行くと雑魚がたくさんいた。汗をかきながらボスがやってきた。やあやあ、と手を振って。そして、一方的に話し始めようとしたので「どうして、全額帰ってこないんだ」と突っ込む。すると「だから、電話でも言ったように俺達は、おまえのチケットを取るためにデリーに電話をしたり、FAXをしたりいろいろお金がかかっているんだ。損をしてるんだよ」「そんなの仕事の内じゃないか。いつもいつも予約ばかりで利益を上げるだけじゃないだろ。リファンドやキャンセルする客だっているじゃないか。お前らは、俺が頼んだ8枚の飛行機のチケットの内2枚しか取れなかっただろ。キャンセル待ちをかけといてくれと頼んだら、いや違う飛行機会社にあたってみると言って勝手に変更したんじゃないか。手数料は、かかるか?と聞いたら何も言わなかったじゃないか。リファンドしたときには全額返ってくるって言ったじゃないか。それをチケットが取れなくて、利益が出ない、デリーに電話してお金がかかったからってどうして俺から金を取る。予約をしたりキャンセルしたり飛行機の席を探したりするのがお前らの仕事だろ。デリーに電話やFAX、インターネット代は必要経費だろうが」そう言うと「そうじゃない、それは俺達の仕事外だ。手数料がかかる」責任を放棄した。

 全額返ってくるなんて言ってないと嘘をついた。「俺達には利益が入らん、損してる」そればかりを連発して、私達がツアー会社に払ったお金を書き、インデアンエアラインに払ったチケット代を書き、電話ファックス代などを書いていかに損をしているかと言う事を説明していた。なんども、何度も・・・埒があかなかった。ここにいても話は進まない。そう思ったうめちんは最終通達をした。「久美子ハウスからは、一切電話はこなくなるから・・・」「まあまあ」少々、あせっているようだった。そして、ちょっと開き直ったのか「久美子ハウスからの客じゃなくとも、うちには客がいっぱいる」そういって伝票を見せてきた。そんな旅行会社員の態度を横で見ていたおじさんがこれはいけないと思ったらしく、仲介に入ってきた。この人は、少し話がわかるようで「日本人は、約束を重んじるんだ。久美子ハウスから手を切られたら、客が減ってしまうぞ。客は大切にしないといけない。約束もだ」そういって、いろいろな妥協案を出してくれたが、どれもこれも旅行会社が否定した。もう、だめだった。疲れた。2枚のチケットを持って、旅行会社を出た。正規のチケットだからデリーのインデアン・エアラインのオフィスでリファンドすればいいのだ。

 インド人と商売からみの話をするのは疲れる。日本人とは、あらゆるメンタリティーが違うと言うことを身をもって体験した。宗教や家柄などの違いでこんなインド人ばかりではないが、インド人が嫌になった。

 疲れた、非常に疲れた。照りつける日光の下をとぼとぼ、歩いて宿に向かった。久美子さんに旅行会社での事を話して、部屋に戻った。足がだるかった。足を揉んでしばらく横になっていたが一向によくならなかった。熱があるかな?と思った。うめちんはやけに青い顔をして、汗を流していた。熱を測ると二人とも多少、熱があった。インド人と熱く話をしたからかもしれない・・・こんなことは、もう嫌だった。

2001.5.10(木)