「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記エクアドル編

2000.5.1(月)

 早めに起きて、荷物をまとめディスカバリーチャンネルに別れを告げてクエンカの宿を後にバスターミナルへ向う。「すぐ出発する」と言う、ロハ行きのバスがあったのでそれに乗りこむことにする。荷物を預け、バスに乗りこむと同時に出発した。「すぐ」は、本当に「すぐ」だった。

 クエンカの街を見下ろしながら街を離れ、山深くバスは走って行く。そういえば、昼間のバスは久しぶりだと思った。最近、夜行ばっかりだったし・・・山深く、木々は瑞々しく生い茂り、険しい山肌には、緑のじゅうたんが敷き詰められている。手付かずの自然が多いエクアドル。すばらしい・・・

 バスは、クエンカを出たときから閑散としていた。途中、ぽろぽろ人を拾っているが、これでは、採算が取れないんでは?なんて思っている矢先、大量の少年が乗りこんできた。しかも、どれもこれも美形ばかり。日本にいれば間違いなくジャニーズ行き決定と言った感じだ。ほーなんて関心していると、今度は黒いストレートのロン毛を後ろにきゅっと縛り黒いポンチョに黒の判ズボンをはいた「エクアドル版キムタク」かと思うほどのかっこいい男が乗ってきた。またまた関心。はずかしながら、見とれてしまった。

 「あいつキムタクに似てるなぁ・・・でも、俺が一番カッコイイかな?俺、ウメタク!!」と寒い事を言っていたうめちんが、先ほど乗ってきた、インディヘナのお姉さんに愛想を振り撒いていた。これまた、美形のおねえさんだった。しかも、ペルーやボリビアにいた尻デカでぶちんではなく痩せている。乗ってくる人ほとんどが、美形かダンディーか美女だった。「かっこいい人多いし自然もいっぱいあるし、ここに住もうかなぁ・・・でも、ス−パー近くにないよねぇ・・・」なんてつぶやいたら、うめちんに笑われた。そんなこんなで、ロハに到着。

 すぐさま、ビルカバンバ行きのワゴンに乗りこむ。遥か険しい山々に囲まれたロハの町を眼下に山にへばりついたような道を登っていく。これから向かう先は、空はどんよりと曇り、今にも雨が降ってきそうな按配。途中、雨で地盤が崩れ道路がえぐれていたり、緑の土手が崩れ、道路や付近の民家になだれ込んだ後が生々しく残っていた。雨、たくさん降るんだろうか?などと思っている矢先、大粒の雨がバラバラと降ってきた。「あや、雨だ!!屋根に積んだシタールと荷物!!!」と叫んだが、誰も聞いちゃくれなかった。

 ビルカバンバに着いた頃には、辺りは薄暗く、雨は本降りに変化していた。急いで荷物を降ろし、外人が持っていたガイドブックで調べておいた宿へ向かう。うっそうと木々が生い茂る庭に埋もれるように部屋が点在していて、隠れ家的宿だった。結構、綺麗なキッチンもあるし・・・いい宿だと思った。

 真っ黒の空に一筋の光線と共に激しく雷鳴がとどろく。そして、一瞬の内に激しかった雨が終わりを告げる。静寂・・・

 
2000.4.30(日)