「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記エクアドル編

2000.4.29(土)

 まだ、暗い。せっかちバスは、定刻よりずいぶん早くにトゥンベスについた。その後に1時間30分遅れで、トルヒーヨを出たバスがやってきた。どっちもこっちもせっかちだと思った。せっかちバスは、国境までの送迎をしているらしく、今しがた着いたバスの運転手が「フロンテーラ!!」と叫んでいた。ので、乗りこむ事に。せっかちバスはすぐ出発したかと思ったら、車庫のすぐ目の前の路上で何故か停まってしまった。運転手も助手もバスを降り、どこかへ消えてしまった。まあ、こんなに早くに行っても国境は閉まってるだろうなと思い待つことに。

 なんだかすごく蒸し暑い。あんなに涼しかったのに・・・じわっと汗がにじみでる。ずいぶん北上したんだなぁ。それに、海岸も近いし・・・そういえば、エクアドルには赤道なるものがあったっけ・・・暑いはずだぁ。早く、爽快な風が欲しかった。 ようやく出発する。

 低層の木々広がる景色の変わらぬ空間が続く。そして、ペルー側の国境。いつものようにバスに荷物を置いたまま、バスを降りる。そしてイミグレへ急ぐ。スタンプをもらおうと並んでいると、バスの助手がやってきて「おい、荷物!!ちょっと来い!!」ん?なにかあったか?列を抜けて急いでバスに戻ると「荷物持ってってくれなきゃ困るよ」と荷台から荷物を降ろされた。ご丁寧に椅子の所に置いていった小さなお菓子袋まで持ってきていた。そして、無常にも私達をイミグレにおいてせっかちバスはエクアドル側に走り去っていった。なぜ?待ってってくれないの?ココに寄らなくていい人なんていないはずなのに・・・変じゃない?疑問が残る。

 無事、スタンプをもらってイミグレを出るといつものごとく両替屋が寄ってきた。「いくらだ?」と聞くと「1ソル、6500スクレだ。いくら換える?」考えるとずいぶんレートが悪い。「1ソル、7000じゃなきゃ嫌だ」と言うと「そんな旦那ぁ、じゃあ、6600でどうだ」と電卓を弾くが、そんな悪いレートで両替できるかと立ち去ろうとすると「今日は土曜日で、銀行は休みだ。明日も休みだよ。だから、今、両替しないと困るよ」と言う。「じゃあ、6700でどうだ?」と言うので妥協して100ソル両替する事に。 

 50000スクレ札を12枚先に渡された。そして私が札を数えている間にうめちんに残りの札を渡していた。私の方は、確かに12枚あったので「あったよ」とうめちんに言うと「じゃあ行こうか」と言うのでちゃんと全額くれたのだろうと思った。

 バイクタクシーが待っていた。えらく高い値段を言って来たので、値切ってみるが交渉の余地なし。だって、みんなその値段でホイホイ乗っていってしまうから。しかたないので私達も乗っていくことに。蒸し暑い中を風を切って走るバイクタクシー。気持ちがいい。が、しかし、思わぬ落とし穴に気がついてしまったうめちん。どうしたの?と聞くとぼちぼち話しはじめた。

 「なんかさぁ、1ソル6700スクレってことは、100ソルだと680000スクレだよなぁ・・・kは、50000スクレ札何枚もらった」「12枚ちゃんとあったよ」と答えると「俺さぁ、7000スクレしかもらってないんだよ。なんか変だなァと思ったんだけど、単位がでっかいし、別々にお金もらって訳わかんなくなってたんだなぁ・・・ああ、失敗した。悔しいなぁ。やっぱ、朝はダメだよ。頭廻ってない」と苦い顔で言った。単位がデカイのをうまく利用してうまくだまされたのだ。でも、300円位だし、まあいいかと開き直ることに。

 おんぼろの橋を渡って国境の町へ到着。ここで降りろと言うので、降りてみるが、イミグレのような建物が見当たらない。うろうろしていたら、おまわりさんが寄って来て、「イミグレはあそこだ」と指差す方へ行って見るが誰もいない。数人の観光客らしき人が待っていたが、いつのまにか散って誰もいなくなった。どうもココじゃないらしいと悟ったうめちんは、他の警察官に聞きに行くと「ココから3km、街の外れにあるよ。これからどこへ行くんだ?ん、クエンカか。だったら、クエンカ行きのバスがイミグレに寄ってくれるはずだよ。バス会社に行きなさい」と親切にバス会社の場所まで教えてくれた。

 バス会社でよく聞いて見ると確かにイミグレに寄って行くと言うのでチケットを買って出発を待つ。その間、またもや両替屋が寄ってくる。先ほどと同じ手で私達をだまそうとしたので「そんな手には乗らない。さあ、ちゃんと決めた金額払ってもらおうか」と怖い顔で言うと、すごすごと後ずさりして消えてしまった。

 なんでこんな所にイミグレがあるんだと思うような町外れの草原で無事エクアドル入国。なんてややこしい国境だろうと首をかしげる。

  バスは、急な山道をすごいスピードで走って行く。ヘアピンカーブも何のその、一向にスピードは緩まない。山一杯の緑が刻一刻と変化して行く。深い谷には、豊富に水が流れ、川裾から山の天辺まで緑で被われている。エクアドルって緑豊かで綺麗な所だなぁと思った。思っていたよりいい所なのかもしれない・・・草原に綺麗な家が立ち並び、広い牧場には牛が寝そべり草を食む。そんなのどかな風景を目にする。人々も、貧乏には見えないし、陰気そうな顔もしていない。物価が安いからと言っても貧困はなさそうに思えた。

クエンカは、エクアドル第3の都市。街並みはヨーロッパを思わせる石畳が美しく古い建物が多く残るコロニアル風だった。バスターミナルからタクシーで宿に向う。値段を聞いてびっくり!!なんとお湯シャワーとトイレ、電話とケーブルテレビが付いて、2人で125000スクレ(5ドル)だと言う。安い!が、もっと安く出来ている私達。風呂トイレなしでいいからもっと安い部屋ない?と聞くと「窓がない部屋ならあるけど・・・」窓がない部屋は嫌だと即答。超安いが超豪華な部屋に泊まることに。実にテレビと電話がついている部屋なんてアメリカ以来だと早速、ディスカバリーチャンネルに見入る二人。安いっていいなぁ・・・

  街に出てみる。今日は、土曜日だからか、それともこの国の行く先を示しているのか、妙に活気がない。どこもかしこも閉まっている。市場でご飯を食べ、「いくら?」と聞くと「18000スクレ(約70円)」と言う。そういえばシャンプー切れてたっけなんて思い出し雑貨屋さんでシャンプーを購入する。一番安い48000スクレ(約190円)の物を選んだが、なんか抵抗ある。どうも、ケチケチな二人にはスクレが円に思えてならないのだ。万単位の買物をしているようで、お金を出すのに躊躇してしまう。結局、外で夕飯を食べられず、エクアドルで豪遊するんじゃなかったけ?なんて思いながら部屋でインスタントラーメンをすする二人。どこまでもケチだなぁ・・・ケチの王道を突き進む二人。この先、果たして豪遊は出来るのか?

 

 
2000.4.28(金)