「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記コロンビア編

2000.6.16(金)

 パストを朝早く出る。快調に走り出す牛次郎。パスト〜カリ間の道路は、とても危険だとさんざん聞いてきた。ゲリラや山賊などたくさん出るらしい。町を出ると、山道に突入した。昨日同様、緑の山々に深い谷、カーブが多く登り降りの激しい道。牛次郎には、きついらしくのろのろ登る。そして、惰性で下るが続く。そんなもんだから、外からは、車はよく見えるのだろう。追い抜いて行く車がクラクションを鳴らし、手を振っていく。バスを待つ人の顔は車を追って180横に回っていた。指を差す人までいたくらいだ。やっぱり、目立つのだろう。

 ガソリンスタンドに立ち寄れば、人気者なのか笑い者なのか、人が寄って来る。そして、どこへ行くんだと聞いてくる。そして・・・緑の迷彩色の制服を着た、対向車線を二人乗りの二台のバイクが走りさる。後ろに乗った人の手にはマシンガンが握られていた。あれは、ゲリラ?ヤバイと思ったが、牛次郎と目が合った彼らは、牛次郎に釘付け。あっけに取られてそのまま走り去ってしまった。悠然と走る牛次郎。これは、得なのかも知れない。

 難を逃れた牛次郎。低地に降りるとますます調子がよくなった。走る、走る。突然、目の前に現われた停まれ看板を持った男達。なんだこの人達は、よく見れば、手にマシンガン。肩からは拳銃がぶら下る。サングラスをかけた強面の人たちばかり4、5人。これは・・・今度こそゲリラか?とうとうゲリラにあたってしまったか・・・右の路肩によって停まれと言う。このまま、走り去ってしまおうと運転手の青山さんに勧めようか?いやいや、撃たれるのが落ちだ。頭に大きく牛次郎が載った、新聞の三面記事が浮かぶ「邦人4人、コロンビアでゲリラに襲われる!!牛車でコロンビアを通過しようとした、貧乏旅行者の無謀な計画」ココは、おとなしく従おう。

 おそるおそる車を停める。すると、「我々は、警察だ。お前らはどこに行く?ドキュメントを見せろ。ん?お前達、日本人か・・・」書類を差し出すと、しげしげ眺めて「OKだ、セニョール。気をつけて行きなさい。でも、どうしてエクアドルの車なんだ」と笑いながらいろいろ聞いてきた。なぁんだ、ゲリラじゃないんだ。そういえば、白い車に「ポリス」と書いてある。そして、笑って開放してくれた。それから、いくつかの検問で止められたが、最後は笑って通してくれる。みんな、暖かく見守ってくれるのだ。

 雨の中、カリに到着。無事にカリの日本人宿「達磨」に到着。エンジンルームを見れば、エンジンの所からエンジンオイルが漏れていた。あんなに腕のイイ整備士さんだったと思ったのに、どういうことだ?エクアドル人で初めてF1カーピットに入った人じゃなかったのか?えーい終わった事をぐちゃぐちゃ言ってもしょうがない。なんとかするしかない。

 カリの日本人宿「達磨」は、牛車で来た私達を暖かく向かえてくれた。一発で牛と分かった彼らには、感動した。これから、しばらくよろしくおねがい致します。

 
2000.6.15(木)