「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記チリ編 2000.1.8(土) これから、長旅が始まる。プエルト・モンを朝10時30分に出発して、プンタ・アレーナスに到着するのは、明日の夕方らしい。30時間を越えるバス旅だ。 バスターミナルで待っていると、やけに浅黒い日本人らしき人が1人いた。声をかけると、やっぱり日本人だった。南国からイースター島経由でチリにやってきたと言う。道理で浅黒いわけだと思ってしまった。そして、プンタ・アレーナスに行くと言う。ふと見るともう一人日本人らしき人がいる。声をかけるとやっぱり日本人だった。みんな同じバスチケットを持っていた。 プンタ・アレーナス行きのターミナルに綺麗なピンクの線が入った大型バスが入ってきた。日本で走っている綺麗な観光バスだった。バス会社のオジさんが「プンタ・アレーナス」と叫んでいる。もしかして、あれ?目を疑った。一番安いバスを選んだのに・・・本当にこのバス?半信半疑で乗りこむと、ちゃんと動く豪華なリクライニングシートにトイレ、テレビ、エアコン、ライトなどちゃんと着いていた。これは、快適かも・・・とホッとする二人でした。 時間通りに出発した。バスは、一旦テムコ方面へ戻り途中のオソルノと言う町でアルゼンチン側に進路を取り、そのままチリを出国してアルゼンチンへ入国し大西洋にぶち当たるまで直進。海にぶち当たったら、進路を南に取りひたすら南下し、再びチリに入国し目的地へ。どうして?と聞くと「チリ側には、南下する道が途中までしか無いんだよ。だから、アルゼンチン側を通るんだ」なるほど。「じゃあ、なんで一旦、大西洋に出るのさ。大回りじゃないこのこのルートだと。チリとアルゼンチンの国境付近のこの道を使わないの?」と地図を見ながら聞いて見る。すると「その道は、イイ道じゃないんだ。結果的にこっちを通った方が早く着くから」と言うお答え。そうですかぁとうなずいた。 快適バスは、とっても快適だった。国境では、出入国を手伝ってくれ、国境で待っているときにはコーヒーが出てきた。ひまになると飴が配られ、夜になると映画放映までしてくれた。寒いと言うと毛布をくれ、眠いというと枕をくれた。それどころか飯どきになるとサンドイッチとコーヒーがやってきた。運賃が安いのにこんなにサービスがいい。その代わり、夕飯とガソリンスタンド、あと国境以外はすべてノンストップで何処にも止まらず。缶詰バスだったがとても満足だった。 チリを出国すると景色が一変した。針葉樹の広大な森に険しいが美しい山々が見えてくる。緑色に澄んだ湖が針葉樹の間から見え隠れしたりする。そんな風景がしばらく続き、うっとりと車窓を楽しんだ。日が暮れる頃には、山々は赤や紫の衣をまといまた一段と美しく輝いていた。湖面に夕陽が反射して金色に輝いていた。次第に薄紫の空に変わり、山も湖も広大な森さえもすっぽりと夕闇に姿を隠してしまった。 ス・バ・ラ・シ・イ・ト・コ・ロ・ダ・ナ・ァ・・・ |
2000.1.7(金) |