「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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k日記ブラジル編 2000.8.18(金) 冷たい風が窓の隙間から入りこみ、露出した肌にまとわり着く。サンパウロに近づくに連れて、寒さが増した様に思われた。 サンパウロ州に入るとさすがに交通量も増えてきた。道路も車線が増え今では片側6車線になっていた。ブレーキランプがつかず、ウィンカーの出ない牛次郎には恐怖としか言いようがない。とにかく追突を免れようと、ブレーキを踏んだと同時にテールランプを点けると言う早技をあみ出し、右の車線に入るときには、猪飼さんが窓から手を出すことで何とか切り抜けることに。そして、大都市サンパウロ・イン。取り合えず、日本人宿ペンション・荒木を目指す。どうにかこうにかセー広場を見つけだし、日本人街リベルタージ通りに入る。「オー!!これだよぉここだリベルタージって・・・」提灯型の街灯が現われた。そして、ペンション荒木に無事到着。牛次郎を枯れ木の目の前に停めて、荷物を運ぶ。「はい、いらっしゃい。あんな車できてぇ・・・疲れたばい。さささ、お茶でもいれるから」何だか田舎のばあちゃんみたいな荒木のお母さんが、どーんと向かえてくれた。懐かしい感じがする。 いてもたってもいられず、暗くなるのに街へ。日本人街へ・・・ 私は一体どこにいるのだろう?そんな錯覚を起してしまう空間に迷い込んでしまった。通りを進むに連れて、日本語とポルトガル語が交差する看板が店先に並び、朱の橋を渡ると大きな鳥居がデーンと立っていた。そして、私達と同じ東洋系の顔、かお、カオ・・・。私達は、目立つことなく解け込んでいる様子。白人系の外人が浮いている。いつもの逆ではないか。 目の前に煌々と光るスーパーに足を踏み入れる。味噌、醤油はもちろん、豆腐に納豆、ぽたぽた焼きからサラダせんべいまで、もう日本そのもの。店先でのオバチャンの井戸端会議は、もちろん日本語。そこそこで日本語が聞こえる。取り合えず、納豆を見て感動したが、あまりの「日本」に戸惑いすら感じる、リベルタージ。ここの日本に戸惑ってて、本物の日本に帰れるのか?動揺を隠しきれない二人と「日本の調味料だー」とはしゃぎ、壊れそうな猪飼さん。あまりにも豊富な日本食品を目の当たりにして、今晩の夕飯を何にしたらいいか決められない3人・・・結局、納豆を2つと酒の肴にキムチを購入。夕飯に量り売りの日本食を食べ、すごすご荒木に戻ってきてしまった。恐いとまで思えてくるリベルタージ、ここから無事に離れられるのだろうか? |
2000.8.17(木) |