「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記ブラジル編

2000.8.14(月)

 破損したガソリンタンクを直すには、溶接が必要だった。溶接をするには、爆発する危険があるので、満タン状態のガソリンを全部抜いてしまわなくてはいけない。一度、タンクから抜いたガソリンをそのまま使おうとすると、ゴミが入っていたり、容器が溶け出して不純物が混じったりして、ろ過してから使わないと牛次郎が消化不良を起してしまう。悪ければ、二度と使えないガソリンになってしまう。では、これらをすべて回避するにはどうしたらいいか?考える・・・

 ポクポクポクポクポク・・・チーン。答えは簡単。多少ガソリンを無駄にはすが、タンクが空になるまで走り、それからメカニックに行けばいいのだ。と言う事で、走る。

 広い草原を走る牛次郎。タンクが軽くなるとガソリンの漏れも止まった。計算通りだと、ここまで走れるはずとうめちんが豪語する街に近づく。目の前にはガススタの看板が青空に聳え立っていた。「あの、ガススタで見てもらおう・・・」とアクセルを踏みこんだ瞬間、プスンと言って止まってしまった牛次郎。「もう少しなのにィ〜」と悔しそうに予備ガソリンを注入するうめちんだが、「だいぶ読みが当たってたじゃん」と猪飼さんに誉められたとたん、鼻ガ天狗になっていた。笑える。

 ガススタの横のメカニックに乗りつけると、奥から、上半身裸の褐色のオヤジが出てきた。オヤジの胸の周りには、黒人さん特有のアフロ毛がポチンポチンと不自然に生えていて妙な感じ。自然とオヤジの胸毛に目がいってしまい、思わず吹き出しそうになってしまった。そんなオヤジに車の説明をするとテキパキと動きした。ガソリンタンクはすぐお湯で洗われ、溶接してもらった。クッションゴムも新しい物をつけてもらう。ついでに前輪のタイヤホイールがヒビ割れて、走ると変な音がしていたので、そこも溶接してもらい速攻直ってしまった。腕のイイメカニックに当たったようだ。

 黄昏色の空を見上げると、大きな大きな白い月が天に昇ろうとしていた。次第に闇の世界が広がり、青白い光がすべての物を照らし出す。水面に映し出されたそれは綺麗だった。今夜は、満月か・・・いつまでも、いつまでも眺めていた。

 
2000.8.13(日)