「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記ブラジル編

2000.7.22(土)

 朝、ブレーキオイルを調べるとほとんどなくなっていた。これは、いけないとガススタでブレーキオイルを買って来て、注入するうめちん。でも、どうして減っているのだろうか?不思議そうに車の下を覗き込みブレーキチューブをみていたうめちんが、あっと叫んだ。

 なに?どうしたの?「あそこから、ブレーキオイルが漏れてるヨ。ほら、青い液体が垂れてる。猪飼くん、ちょっとブレーキ踏んでみて」猪飼さんがブレーキを踏むと・・・ピューと勢いよく飛び出すブレーキオイル。あの悪路で、破損したのだろう。この勢いで出ていったら、ブレーキの効きが突然悪くなったのも理解出来るなぁ。

 早速、修理屋のオヤジにみせると「材料を買ってこなけりゃ」とがぜん張り切り、うめちんを連れて車でどこかへ走って行ってしまった。

  修理屋のオヤジの家族と話をしている内に帰って来たうめちんとオヤジ。さっそく、治しに取りかかる。ついでに、昨日切れたラジエーターホースとガソリンフィルターも買って来て治していた。

  そして、新しいガソリンを入れて試運転。調子よく走って行く牛次郎。ちゃんと帰って来れるだろうか?不安がつのるが、しばらくして帰って来た牛次郎をみてホッとする。「キャブもおかしかったんだけどさぁ、やっぱりガソリンが汚れてたんだヨ。すごく、よく走るようになったよ牛次郎」るんるんの笑顔で説明する、うめちん。

 ようやく直ったのだ。世話になった、修理屋のオヤジと家族にお別れを言い、ガススタを後に軽快に走りだす。今までにないと言っていいくらいもの凄く、調子のいい牛次郎。走っていて気持ちがイイ。風を切って走る牛次郎。幸せを運ぶ、ビール満載のトラックが陽気にクラクションを鳴らしながら追い越しをかける。手を振りながら、追い越しをかける乗用車。みんな、牛が治った事を祝っているかのようだ。ただ、ブレーキの利きがイマイチだが・・・

 道の向うのジャングルに白い壁がちらほら見える。走るごとにどんどん大きくなってゆく。近づくにつれて、それは大きな砂丘だと言うことに気がつく。もうすぐ、海か?

 目の前に青い水平線が見えた。それと平行に真っ青な空がどこまでも続く。きらきらと輝く白波が目にまぶしい。赤い岩肌と白い砂丘に埋もれるようにこじんまりとした町にギラギラと容赦なく降り注ぐ太陽に海風が吹きぬけホッとする瞬間を与える。一瞬で「ココハ、イイトコロダ」と思ってしまう。

 「実家を思い出す」といい、哀愁漂い、海を見つめるうめちん。夕暮時の砂浜を裸足で歩く。どこまでも、どこまでも、波の音だけは変わらない・・・

 
2000.7.21(木)