「天竺」目指して夫婦モバイル放浪

 
 

 

k日記アルゼンチン編

2000.10.4(水)

 アルゼンチンに入国しようと思ったら、ものすごく大変だった。国境の橋を渡り、いつもの様にアドアナ(一時輸入許可証をくれる所)へ向かううめちん。国境の写真を撮り、帰って来ると牛次郎を動かし、何やら騒いでいるようす。どうしたのだろう?何かもめている・・・

 「荷物を全部そこの机に出してもらいたい」そう私達に告げるアドアナのおじさん。「え、全部・・・」こんなにたくさんあるのに、めんどうくさいなぁ。どうせ、そんなに調べないに決まっている。バックパックだけ出せばイイだろうとタカをくくっていた私達。バックパックを机の上においてボーっとしていると「まだ、あるじゃないか、全部だ、全部」エー!!ブーイングの嵐。でも、ここを通らない事には先に進めないので、従うしかない。すべての荷物を机の上へ運び出す。

 すると、真っ黒い大きな犬登場。「よし、ここに入れ」黒犬君に指図するお兄さん。「エー、僕、イヤだワン」と入るのを嫌がる黒犬。無理やり押し込まれ、仕方なく嗅いでいるようす。一通り、臭いを嗅いだあと、車の横に放って置かれ、遊び相手を探して虚しく吠え続けていた。犬の後は、アドアナのおじさんが二人掛かりでくまなく調べる。スポンジを引っ剥がしたり、ありとあらゆる小さな穴にドライバーを突っ込んだり、天井を叩いたり、エンジンルームを覗きこんだり・・・怒りを通り越して、笑っちゃうくらい調べている。何も出てこないって。30分位、牛を調べていたが、やっとあきらめたらしく、おかしい?と言った顔で、牛次郎の中から出てきた。

 同じく、荷物もさんざん調べあげられた。食料をたんまり持っていた私達、内心ひやひやもの。「食料をすべて取られてしまったら・・・悲しいじゃないか!!案の定、パラグアイで買ってきた、長ねぎと大根それにキャベツの入った袋が無残にゴミ箱へ。後で聞きいた所によると卵も捨てられたらしい。そして、ブラジルで買ったプロポリス製品に手が掛かる。なぜか知らないが、興味を示している様子。プロポリス石鹸を手に取り臭いを嗅いだり叩いたり。でも、これは没収されず。助かった。なんでも、蜂蜜製品は持ち込み禁止なのだそうだ。ただ、ここのおじさん達は、プロポリスが蜂蜜製品だと言う事を知らなかったらしく、どちらかと言うと、石鹸に麻薬が隠されていないかと疑っていたらしい。ホッと一安心。

 さんざん調べて、何も出てこないに決まっているのに、まだ不思議な顔のおじさんたち。うめちんが着ていたボブ・マーリーのTシャツを指差し「おい、お前の着ているTシャツにマリファナの模様が書いてあるじゃないか。吸ってるんだろ、マリファナ」「吸ってないですよ・・・俺は、この人の歌が好きなだけなんだけど?」そう言うと、疑問が晴れたのかおじさん達。ニコニコ顔で色々聞いてきた。

 そして、やっとの事でアルゼンチン入国を果たした牛次郎。快適に走り始めたのもつかの間、またしても検問で捕まる。「さっき、国境でさんざん調べられたんだけど・・・」と言っているのに、積んだばかりの荷物を引きずり出され、犬に嗅がせ、何かを一生懸命探している。そして「お前、マリファナ吸ってるだろ?なんだ、そのTシャツは?」だからぁ、国境で説明したのと同じ事を言ったが、こちらはあまり信じてくれず、いつまでも、いつまでも荷物を調べていた。うめちんのTシャツがよっぽど目につくらしい、しかも相当怪しい車・・・彼らの目の付けどころは所は正しいような気がするが・・・こんなに厳しい取り締まりは初めてだった。

何故か捨てられなかった、玉ねぎやにんじんなどどこでも手に入るような野菜袋を眺め「なんで、そこいら辺で売ってない大根が生き残らなかったのか・・・大根の味噌汁ぅぅぅ・・・」食い物の恨みは恐ろしいんだぞ!アルゼンチン。持ち込み禁止だったら国内のスーパーで売ってくれ!!私の勝手な言い分かもしれない。

2000.10.3(火)