よく晴れた日にイランへ

本の帯の「イランの普通の人々の普通の生活を知ろう」とあるとおり(何を普通というのかについては作者自身も外国人に英語で話しかけてくる人はイランの普通の人かどうかについて論じているけれども)宗教がちがちのイメージどおりの人だけではない普通の人たちと会話やふれあいが楽しい一冊でした。

イランの場合その普通にが日本と同じように町で暮らしている人以外に遊牧している普通の人々もおり、多民族なため外見や衣装が独特な現地では普通の人たちもいるわけです。写真では初めて見る民族衣装などもありましたし、地方の家など雨の多い日本では建築不可能そうな家もありましたが住人には普通。普通はこちらから見ると新発見で逆もそうなんだろうと思います。

いろいろなエピソードのなか一番意外だったのがイランは石油輸入国でそれが国家財政を圧迫しているというブラックジョークのような話です。ネタバレになりますので理由が知りたい人は自分で本を買いましょう。

また昔日本に出稼ぎに来ていた人の話などはしんみりしてしまいますね戦争の影も感じます、私が子供のころ上野公園にたくさんおいででした。個人的には絨毯も好きだしもう少しこの辺つっこんで取材とかしてくれるととも思ったのですが本の趣旨とずれますし、全体に第三世界の旅本にありがちな求道とか人生の意味について考察などということもないさらったした読後感の旅行記で逆によかったと思います。

写真図版も有名な観光地以外の写真多数だったのでいろいろ発見があり楽しめました。