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■ニゲラ

ニゲラとは、クロタネソウ属、キンポウゲ科の植物です。その種子をスパイスとして使用します。

ニゲラは通称、ブラッククミン、ブラックシード、ブラックセサミ、ブラックキャラウェイ、ローマンコリアンダーなどと、多数の呼び名があります。
ちなみにニゲラとはラテン語の黒いという意味の「Niger」が語源となっているのです。

学名ではニゲラ サティヴァ。
日本語では黒種草（クロタネソウ）、匂黒種草（ニオイクロタネソウ）
インドではカロンジー（＝黒い玉ねぎの種子）と呼ばれています。
ニゲラは玉ねぎの種子ではないのですが、見た目が似ているのです。

原産地

ニゲラは、南西アジアから中東、南ヨーロッパ、北アフリカ、地中海沿岸などに自生しています。
日本ではあまり栽培されていませんが、インドや中近東での栽培が盛んです。

見た目

ニゲラはスパイスとしてだけではなく、個性的で美しい花は、観賞用の園芸植物としても人気があります。
その種類は16種以上と多く、青、白、紫などの花を咲かせます。

その見た目から、花が咲いているときは、糸のように細い葉っぱが、霧のように花を包んでいるので、「Love in a mist（霧の中の愛）」と言われます。
また、咲き終わると、丸い果実の先端に角のようなものが出来ることから、「Devil in a bush（茂みの中の悪魔）」と言われます。

スパイスとして使用されるニゲラの種子は、その名の通り、黒い種子です。

香りや味

ニゲラの香りはまろやかで、ほのかに甘く、オレガノに似ています。

噛み砕くとクミンのような香りがしますが、味はクミンとは異なります。
どちらかというと、ブラックペッパーの代わりになります。

ニゲラの味はピリッと刺激のある、苦味と辛味があります。

コリアンダーやタイムと相性が良いスパイスです。

歴史

ニゲラの歴史は、古くはツタンカーメン王の墓からも発見され、古代エジプトの頃から利用されてきました。
インドの伝統医学アーユルヴェーダや、中国医学の漢方、古代ギリシャのユナニ医学など、人類の歴史の中で3000年以上にわたり、薬草、医薬品として使用されてきたのです。

ニゲラを粉末にして温めたものをガーゼに包んで、鼻から香りを吸えば、鼻づまりが解消するという民間療法も有名です。

現在は、最強のスーパーフードとして世界で知られています。

■ニゲラを使った料理

インドではナンを焼く前に振りかけられたり、野菜や豆料理によく使われています。
中近東料理ではパンに混ぜられたりしています。

お手軽にサラダに振りかけたりしても、アクセントとなって良いでしょう。
ホールのニゲラは、テンパリング（油で熱して、油にスパイスの香りを移して使用する方法）をして料理に使用すると効果的です。

モロッコでは、ニゲラが入った石鹸やオイルなども有名です。

■効能

ニゲラの効能は現在、知られ研究されているだけでも40種類以上です。
とにかく、効能、効果が多く驚かれている故に、ミラクルハーブ、祝福の種子などと呼ばれています。
また、イスラムの歴史的預言者ムハンマドは「死以外の全ての病を治す薬」とニゲラについて語ったといいます。
それだけ、様々な疾患に効果があるということですね。

ニゲラには15種のアミノ酸、タンパク質、炭水化物、脂質、などの栄養素が含まれています。
その他には、ミネラル、ビタミン、葉酸なども豊富です。

鎮痛作用、抗菌、抗炎症作用、抗ヒスタミン、食欲増進、消化促進、ナチュラルキラー細胞を増やす効果、喘息、免疫力の向上、心臓発作の予防、白血病の予防、リウマチ、関節痛、などと、ニゲラの効能はざっと並べても、こんなに多いのです。

美肌、美髪、アンチエイジング

ニゲラには、抗酸化作用のある、オメガ３脂肪酸、ビタミン群などが含まれているので、美肌、美髪、アンチエイジングに良いとして注目されているスーパーフードでもあります。

ニゲラは、皮膚作用再生作用、湿疹やアレルギーなどにも効果があると言われています。なので肌トラブルの改善にも役立つでしょう。
また、3ヶ月間、ニゲラを服用したことにより、体重の減少、体脂肪や血糖値の減少に効果があったという研究成果も報告されています。

美肌、美髪、アンチエイジング、ダイエットに効果を発揮するニゲラです。

ニゲラの精油、ニゲラオイルを使用して、美容液やクリームを手作りして使用するのもオススメです。

腸内健康維持にも効果絶大

ニゲラには消化促進、食欲増進作用があります。
お腹の中のガスを排出してくれますので、腸内健康に効果があります。
また、腸管内の帰省中の治療薬としても利用されているので、その効果は期待できますね。

産後の女性の身体に効く

ニゲラは、母乳の分泌を促進し、子宮を回復を早める作用があると言われています。
しかし、子宮伸縮作用がありますので、妊娠中の方の使用には注意が必要です。

ガン予防にも効果を発揮

ニゲラは、実験用マウスの大腸ガンを抑制する効果を発揮したとの研究結果が発表されています。
特に副作用はなかったそうです。
乳がんや脳腫瘍に対しても効果があったそうです。

今後の研究成果で、人体への効果も期待されます。

■保存方法

ニゲラは、密閉した容器に入れて、直射日光の当たらない、風通りの良い冷暗所に保管しましょう。
スパイスの保管場所してキッチン周りが多いかと思いますが、湿気のこもるシンク下や、熱気があるコンロ周辺などは避けた方が良いでしょう。

また、冷蔵庫内に保管する方法も推奨されることもありますが、使用する際の出し入れの温度差で、結露が出来る場合もありますので、一概に良いとも言えません。