メティの使い方や保存方法

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メティの使い方や保存方法(6)

■フェネグリークについて

甘い香りとホロ苦さが特徴のフェネグリーク。カレーの風味には欠かせないスパイスです。シードのひと粒が、ちっちゃな変形した四角いかたちをしていて、淡いブラウン色をしています。草は、背が高く、まるい葉っぱ、黄色い花を咲かせるのが特徴です。

フェネグリークはマメ科の植物です。地中海地方原産で、中近東、アフリカ、インドで栽培されています。日本に伝来されたのは、江戸時代。栽培まではされなかったようです。

たんぱく質、ミネラル、ビタミンをたっぷり含んだ、種子と葉が、おもに食用として使われています。

インド、ネパールでは、フェネグリークを“メティ” といい、家庭料理には欠かせないスパイスのひとつなんです。

■インド、ネパール家庭料理でよく使われるフェネグリーク

インド、ネパールの台所は、いろいろなスパイスの香りが溢れている場所です。いつでも美味しいスパイス料理がつくれるように、家庭の主婦は、常備スパイスを補充しています。

ターメリック、クミン、コリアンダー、チリ、フェネグリークなど、よく使われるスパイスは、各町内にある小さな個人商店でも気軽に買うことができます。
“フェネグリーク買ってきて！”　と子供におつかいを頼んで、足りないスパイスを買ってきてもらう、なんてことが日常なのです。

■フェネグリークを使ったレシピ

ほうれん草とフェネグリーク葉とチャムスールの炒め物

ほうれん草1に対して、フェネグリークの葉とチャムスールの葉は、各1/4ぐらいの割合にして使って下さい。
聞きなれない名前、チャムスールというのは葉物で、肩こり腰痛にも効くハーブ野菜です。手に入らない場合は空芯菜で作っても美味しいです。

☆作り方☆
温めた鍋に油を入れて、クミンシードを入れて炒めます。そこへ、細かくカットした３種類の葉物を入れて炒め、塩と赤唐辛子で味付けして、出来上がりです。

ほうれん草だけの炒め物とは一味違う、ネパールの３点セット葉物レシピです。
冬の野菜市場では、ほうれん草の横に、フェネグリークの葉とチャムスールの葉が陳列されています。

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カレールウよりかんたんなカレー

日本の市販のカレールウって何でこんなに美味しいのでしょうか？
甘い、辛い、苦いが、ぜ〜んぶ詰まっていて美味しさのツボに、ハマルように作られているんですよね。
でもたまには本格的にカレー、作ってみた〜いと思っても、スパイスなんて良くわからない、と言う方におススメなのが、少しのスパイスでシンプルカレー。

クミン、ターメリックとフェネグリークだけでカレーができちゃうんです。

☆作り方☆
温めた鍋に油を入れて、そこへクミン、ターメリック、フェネグリークを入れて炒め、
そこへ、たまねぎ、ニンニクを入れてさらに炒め、
カットしたジャガイモ、トマトを入れて炒め、水を入れて煮込み、塩、唐辛子で味付けをし、出来上がりです。

スパイスの量を少量で作れば、カレーも毎日食べても大丈夫。
スパイス少量で、カラダに良いとされる効果もバツグンですよ。

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ジャガイモとフェネグリークの葉のカレー

☆作り方☆
温めた鍋に油を入れて、そこへ、クミンホール、ターメリック、アズワン
赤唐辛子をいれて炒め、次にジャガイモ、すりおろしたニンニクを炒め、塩を加えて、水を入れて煮込みます。
ジャガイモがやわらかくなったら、刻んだフェネグリークの葉を入れてさらに炒めて出来上がりです。

ほろ苦いフェネグリークの葉と、ほっくりとしたジャガイモが、相性バッチリのレシピです。

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フェネグリークのアチャール

☆作り方☆
フェネグリークを水に浸して一晩置きます。
発芽したフェネグリークを、沸騰した湯に入れてサラッと煮ます。
鍋に油を入れて、そこへ、ターメリック、クミン、唐辛子、にんにく、ショウガを入れて炒め、次に、塩、トマト、たまねぎを入れて炒め、これをフェネグリークと混ぜ合わせます。
最後に、すりゴマ、レモン汁とあえて出来上がりです。

スパイスや唐辛子の辛さに、まろやかなフェネグリークがミックスされたアチャールは、白いご飯のすすむレシピです。

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ダルスープの仕上げに

☆作り方☆
ダルスープが出来上がったあとの風味付けに使います。

温めた鍋に油を入れて、フェネグリークとジンブールを入れて焦がすように炒めて、これをダルスープの中に入れます。

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南インド料理、ドーサ

☆作り方☆
米とウラドダル、フェネグリークを水に一晩浸しておきます。
翌日、浸しておいた水を切ってミキサーにかけます。トロトロになった生地に塩、適量の水を入れて生地を作ります。
鍋に油を入れて、生地を薄くクレープ状に伸ばして焼いて出来上がりです。

■カスリメティってなあに？

カスリメティは、フェネグリークの葉を乾燥させたハーブのことです。
インド料理、おもに、トマトやほうれん草を使った料理に使われています。
ほんのり苦味があって甘い香りのするハーブです。

使い方は、調理の最後に香り付けに使って下さい。
カスリメティを手でもみこんで、料理の仕上げにふりかける感じです。
香りが命のカスリメティ
ですので、使う量は気をつけてくださいね。

フェネグリークを使う量について

塩、コショウや醤油の、さじ加減はわかるけれど、スパイスは、どのくらいの量を使ったら良いか？
という方にアドバイス。

スパイスは、多ければ多いほど、料理を重たいものにしてしまう傾向があります。
（肉、魚料理以外の、野菜料理には、ほどほどの適量があります。）

スパイスひとつひとつには、特徴ある香りや味、特質を持っているので、スパイス初心者は、極々少ない量から始めるのがおススメです。

多様なスパイスの中でもフェネグリークは、一回に使う量は非常に少なくてOKなんですよ。
少ない量で十分、香りと風味が生きてくるスパイスなんです。

フェネグリークの効能

料理の美味しさを引き立てるフェネグリーク。美味しさだけでなく、カラダに良いとされる効能も、いくつかありますので紹介してみましょう。

効能１　胃腸の働きを助けてくれるフェネグリーク

胃の膨張感やガスを調整したり、食欲不振や便秘解消
に効果があるとされています。
フェネグリークに含まれている食物繊維、抗酸化物質が、体内の毒素を排出してくれます。

効能２　女性のカラダに優しいフェネグリーク

女性ホルモンバランスを整え、女性の悩み（更年期障害、月経痛、PMSなどの）解消に
効果があるとされています。

フェネグリークに含まれるジオスゲニンという成分が、授乳中の女性の母乳の出を良くする効果
があるとされています。
バストアップにも効果があるようです。

効能３　血糖値、コレステロールを下げるフェネグリーク

糖や脂質の代謝を改善し、糖尿病、動脈硬化、生活習慣病などの予防
に役立ちます。

効能４　炎症を治めるフェネグリーク

口内炎、咳、外傷などの炎症を治める鎮痛剤
としても効果があります。

効能５　脳の老化予防にフェネグリーク

認知症の予防、改善に効果
があるとされています。

効能６　ダイエット効果もあるフェネグリーク

フェネグリークに含まれているコリンという成分が、体内の脂質代謝を改善する働きがあり、
ダイエット効果
に役立つようです。

■フェネグリークを使った煎じ湯

料理以外にも、フェネグリークを使った、カラダの体調を整えてくれる、煎じ湯
があります。ちょっと体調がおもわしくないなあ〜と言う時、疲れたなあ〜という時に、元気の出る煎じ湯なんですよ。いくつか紹介してみましょう。

解熱（腹痛もありの場合）の時に

フェネグリーク、ターメリック、ジンブール、アズワン、塩

二日酔いの時に

フェネグリーク、ターメリック、ジンブール、アズワン、ビレヌン（黒塩）

のど痛み（うがい薬として）

フェネグリーク

上記のスパイス類を、各症状に合わせて使います。
鍋にお湯を沸騰させます。そこへ、スパイスを入れて、弱火で、しばらく煎じます。
各スパイスの量は、極少量づつ使って下さい。
煎じたら、茶こしでスパイスは取り除き、残ったお湯を飲みます。
のどの痛みの場合は、煎じた湯をさまして、うがいをしてみて下さい。

薬を飲む前に、スパイス煎じ湯で、体調も改善に向かうこともあるんです。

■フェネグリークを焦がして使う？？

スパイスは油に入れて炒めることで、味や効能を発揮してくる食材です。フェネグリークは焦がすと、苦くて不味くなるので、焦がさずに使いましょう、とよく聞きますが、ネパールでは、逆にフェネグリークはもちろん、他のスパイスも焦がす寸前まで炒めます。（ほとんど黒に近く、時には真っ黒になるまで）

ネパール現地の調理の火加減ってどんな感じ？

焦げないように、と言っても油断をしている間に、フェネグリークは真っ黒なんてことがありますが、黒こげ寸前っていうのがポイントです。

といった具合で、 “鍋はよく温める”　“熱した油で”　“焦がし目のスパイス” がネパール風なんです。

■フェネグリークの保管方法

袋入りのフェネグリークシードは、開封後は、フタ付きのプラスチックまたはガラス容器に入れて保存しましょう。
保存場所は、直射日光の当たらない、涼しい場所にしましょう。

カスリメティはシードと同じく、開封後はフタ付きのプラスチックまたはガラス容器に入れて保存しましょう。
いずれも、塗れた手などで触ると、いたみやすくなるので気をつけましょう。

■生まれた時からスパイス三昧

インド、ネパール庶民は、毎日スパイスの効いた食事をしていますが、カラダの不調が見られた時には、まずは、食材やスパイスの制限から始めます。

“私は今、トマトとタマネギを止めています”　とか　“私は米は食べません”　とか
“スパイスはちょこっと使うだけ”　など、よく食事制限の話題を聞いたりします。

スパイスは、ほどほどにうまく使えば、薬要らずの、万能薬にもなります。

ですから、料理に使われているフェネグリークを始め、スパイス類は、食材に見合った、または、カラダの体調に合わせた使い方によって、さらに効果効能が出てくる、頼もしい調味料なんです。

現地庶民は、生まれた時から、普段の食生活に自然と取り入れているスパイス、見習って、上手に取り入れたいものですね。