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中米の市場を覗く 99.12.18

 市場はその国、その地域を映す鏡であると私は思っています。市場は、その商品構成によって衣食を初めとする生活を知る事が出来、そしてそこに集まる人によってその土地の人々の気質を知る事が出来るのです。市場に行けばその国が判る、と言っても全く過言ではないでしょう。

 と言う事で、中米の市場はどんな物が売っているのか見てみましょう。本当だったら、グアテマラの市場、エルサルバドルの市場とやりたい所なのですが、なにぶん中米は食べる物と言ったらトルティージャ、鶏肉、フリホーレス(砂糖抜きあんこみたいな物)と3拍子揃っていて、着る物と言ったらグアテマラを除いて特にこれと言ってねぇ…の世界で、さっぱり変わり映えがしないので、中米の市場と言うことでまとめてみようかと思います。

 

 左の写真はグアテマラ、チチカステナンゴのバザール。グアテマラは、織物が非常に有名で、この写真でもそこかしこで織物を売っている様子が伺えます。ですが、基本的にはどこのバザールも売っている物が多少違うだけでこんな感じです。

 中心辺りで、地面に腰掛けて売っているのは、とうもろこしを初めとする野菜類。形は日本の物と同じ形をしていても、歯ごたえ、味が全く違うのが非常に面白い所です。

 例えば、私達が良く知っていると思っているトマト。日本のトマトはそのまま食べても美味しいですが、煮物にするとイマイチな所がありますね。こっちで売っているトマトは、赤く熟している様に見えても、そのまま食べるとちょっと固くて若いような感じですが、スープや煮物にするととっても美味しいのです。

 私がこっちで初めてトマトをスープに使ってみたとき、その濃厚な美味しさに新鮮な感動を覚えました。一口目は食べてビックリ、二口目からどっしりとしたトマトの個性が際立つ美味しさでした。

 バナナも特筆すべきものの一つです。私達が日本でバナナを食べるとき、基本的には生で食べると言う食べ方しかしませんよね。 間違っても、バナナを煮たり、揚げたり、焼いたりしては食べないはずです。煮バナナ、揚げバナナ、焼きバナナと言うものがあるなんて全く想像もしないのではないでしょうか?

 中米ではバナナの料理方法はその熟し具合によって変わります。全く熟していない青いバナナは、これはニカラグア、カリブ海沿岸の人しかしないと思いますが、煮バナナにします。

 煮バナナの味は、芋の味。食感もまさしく芋。私達も、初めて食べた時「これは本当にバナナ?」と何回も確かめてしまいました。それはバナナの形をしていたから煮バナナなのだと判りましたが、団子にされていたり、形が変わっていたら絶対判らなかったでしょう。

 大分話がずれてしまいましたので、もとに戻りましょう。

 これは、エルサルバドルの市場で見かけた塩づけ牛肉の巨大団子。大きさにして30センチ以上はありました。

 これをどう料理するのかは判りませんが、非常に高いものであるのは確かです。エルサルバドルは年間平均気温が26度くらいと暑い国なので、保存用として塩漬けにしてあるのでしょう。

 残念なのはエルサルバドルが非常に暑いので、これをうまく発酵させられない事.。これを樽に漬けてうまく発酵させられれば、なれ寿しみたいな物が出来あがる様な気がしてなりません。全くもって残念です。

ココナッツ。日本でもおなじみの食材ですが、さすが中米。腐るほどあります。値段はどの国でもほとんど変わりませんが、グアテマラで1個2ケツァール(30円)位と非常に安いです。

 ココナッツの中には、白い果肉と、ココナッツジュースが入っていて、どちらも非常に美味です。

 ココナッツを買ったら、まずココナッツジュースを飲み、大分おなかがいっぱいになった所で、ココナッツを半分に割ってもらって中の果肉をほおばると言うのが正統な食べ方でしょうか?

 まあ、食べ方はどうあれ、1個買ったらおやつはおろか、昼飯がわりにもなるのでお勧めです。

 パパイヤ。これは暑い所のバザールに行ったらどこにでもありますが、日本ではなかなかお目にかかれません。こっちのパパイヤの大きさは大体50センチくらい。大きいものだと70センチ位はあるでしょうか。

 1個買うと日本だったらとんでもない値段を取られるような気がしますが、中米だったら1個30円から高くても100円くらいと、いくらでも買える安さです。

 パパイヤの見分け方はさっぱり分らないのですが、いつも買ってすぐに食べてしまうので一番熟している奴を買ってきます。大体1個で3人分は優にありますので、みんなでシェアして買っておやつにするのが美味しい食べ方です。

そして、最後に綺麗なお姉さんに登場してもらいましょう。でもなぜかこのお姉さん、魚をさばくのに斧を持っていますね。

 実は、こっちのバザールで時々見かけるのですが、肉屋とか、魚屋とかで斧を持った奴がいるのです。 「何するのかなー」と思って見ていると、ニヤリとこっちを向いて斧を振り上げ…肉を切ったり、魚を切ったりしはじめます。

 その様子はめちゃくちゃ豪快で、とにかく切れりゃ良いとばかりに「ガンガン」とか、「ゴンゴン」とか言う擬音が出そうな感じで切っていくのです。

 肉屋一面に破片と血が飛び散っている所もしばしば。肉とか魚は、確かに食えりゃ良いのかもしれませんが、身がぐずぐずになっちゃうよなぁ、あれじゃ美味しくないよなぁとしみじみ思ってしまいました。

モドル