「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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マリアッチの国メキシコ 99.9.08
Hola Que Tal? エル・マリアッチ、って言う映画が昔あったと思います。ウメはそれがどんな映画だかさっぱり覚えていませんが、タイトルだけがやけに印象的で心の隅に引っかかっていたのです。マリアッチってどんな奴らなんだろう?マリアッチ帽子って日本で聞くけど、どこの国の帽子なんだろう? 特に深くは考えなかったものの、心の中におりのように残って、なぜか忘れる事の出来ない映画の題名なのでした。
そしてメキシコ。マリアッチの正体が今わかったのでした。マリアッチとは、楽器演奏者たちの事だったのです。
マリアッチたちは、屋外のバーや、オープンカフェなどに通常たむろしています。彼らは、お客さんから依頼があると、口笛を吹き鳴らし、そこらへんに散らばっている仲間を集め、おもむろに演奏を始めるのです。
彼らの標準的な構成はトランペット+バイオリン+コントラバス+ギター。たまに、トランペット無しとか、バイオリン無しとか、見た事もない楽器が入っていたりします。演奏する曲目は、ムーディーなものから明るいものまで結構なんでもやるみたいでした。
グアナファトのマリアッチ広場等に行くと、マリアッチ軍団が2組とか3組とか居たりします。彼らはほとんど同じマリアッチの衣装を着て演奏するので非常にカッコ良く見えます。
ですが、いくらおんなじ格好をしているからと言っても、やはり技量の差はあり、バッチリ各楽器のテンポ、音量が揃っている組から、音量が大きすぎる組、テンポと音量はイイのに歌が下手な組、煮ても焼いても食えない組までさまざまです。このへんは日本の路上演奏者と一緒ですね。(^_^)
当然ですが、メキシコでも、そんなかっこいいマリアッチばかり居る訳ではありません。演奏者はみんなマリアッチと呼ばれるわけでもありません。乞食と、路上演奏者のあいのこみたいな、「仕事がないから、楽器覚えれば食えるだろ」的なその日暮らしの奴がいっぱい居ます。そいつらは、路線バスに乗ってきては勝手に演奏をはじめ、レストランに入ってきては勝手に演奏をはじめ、多くは聞くに耐えない曲を暴力的に聞かせては金をせびると言う、タチの悪い、けどなぜか憎めない奴らです。
日本だったら、路線バスやレストランの中に入ってきて勝手に演奏をはじめたらとっても怒られると思うのですが、こっちの人は寛容です。実は一番多くお金をあげているのは、レストランの店員だったりします。そんな空気が街中にみちているメキシコが私とっても好きになってしまいました。
昔、日本でも流しのギタリストとかがいて、バーに入っていってはお客さんの要望に応じて演奏したそうです。それも、カラオケが出てきてからと言うもの衰退の一途をたどり、現在では居なくなってしまいました。ウメは昔、ラジオの番組で流しのギタリストが譜面を見ないで1000曲連続で歌いつづけると言うのを聞いてからと言うもの、一度は流しのギタリストに曲を弾いてもらうんだ。なんて思っていたのですが、私達スペイン語話せないですし、彼ら英語わかんないですし、さっぱり頼みようが無かったのでした。