「天竺」目指して夫婦モバイル放浪 |
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メキシコで釣りをしたい 99.9.27
魚と言えば、旅の中で忘れられない思い出があります。私が大学生の頃に行ったトルコのイスタンブールでは、何人かの男どもがガラタ橋の上で、アジを一日10匹釣って満足していました。私が「このアジはお前が食べるのか?」と聞いたら、その男は「料理屋に売るんだ」と言っていました。一体それがいくらになるのかさっぱり分かりませんが…。
また、私がインドのヴァラナシと言う町に居たときの事。ここは実は今回の旅の目的地だったりするのですが、ヒンドゥ教の聖地であり、ガンジス川が唯一北に向かって流れているところでもあります。雑然とした所で、路地が非常に狭くて、牛が居て、とにかくインドの中のインドと言うべき、本物のインド臭を漂わせている町です。インドでは、人間が死んだとき、その人が老衰で死んだのであれば火葬、病気もしくは若くして死んでしまった場合は水葬にして荼毘に付します。水葬の人は当然、ガンジス川に投げられます。火葬の人の骨もすべてガンジス川に流されます。
そんな町で私はシタールを習っていたのですが、ある日、先生の家でお昼をご馳走になりました。いつもいつも貧乏旅行者のウメは喜んでご相伴に預かったのですが…。出てきたのはフィッシュカレーでした。
ウメ「先生、この魚は?」
先生「ん?フィッシュカレーだ。魚は高級品だし美味いぞ。今日はお前のために特別なんだ。」
ウメ「い、いやそうじゃなくて。この魚はガンジス川で捕れた奴?」
先生「そうそう。魚はガンジス川でしか取れないからな。」
ウメ「はあ…。そうですか…。」
ガンジス川で捕れたと言う事は、この魚は人間の肉を食って育っているわけで、それを人間(私)が食べていると言うことで。食べて良い様ないけない様な、非常に複雑な気持ちでした。でも、いくら人間の肉を食っているからと言って魚はやっぱり魚の味がするわけで、非常に美味しかったです。
そして今回。今回は旅の期間が非常に長い事もあり、また私とkが日本で一緒に釣りを楽しんでいた事もありで、釣具が欲しくなりました。本当は日本から持ってくる予定だったのですが、荷物が重くなるのがイヤになり持って来るのをやめてしまったのです。そして、メキシコシティーに居るときに長居している日本人に「釣具ってこっちで売っていますかね?」と聞いたところ、「山屋はあるけど、釣具はどうかな…メキシコシティーじゃ難しいかもしれないな…」と言う回答を得たので、もしかしたらあるのではないかとさっそく買いに行ってみました。
メキシコシティーの中にはラテンアメリカタワーと言う高層ビルが建っていまして、そこの近くにこないだ書いた通称「メキシコの秋葉原」ガあったりするのですが、そのまたすぐ近くに山屋が数軒並んでいるところがあります。日本の神田だったらイヤッてほど山屋やスポーツ洋品店があるのですが、ここには数軒しかありません。ちょっと寂しいです。私はここに来ても、サッカー以外の物はあまりないのではないかと疑っていました。
そもそも、メキシコの人達がサッカー以外のスポーツをしているところを見た事がないですし。メキシコ人はサッカー以外のスポーツを知らないとばかり私は思っていました。TVを見ればどこでもついているのはサッカーのチャンネル。これもほかのチャンネルをあまり見た事がありません。メキシコでは(多分この後の中南米ではどこでも)とにかくサッカーが大人気で、ほかのスポーツはどっかに行ってしまっています。
しかし、ここは一応メキシコシティー。探してみれば釣具があるものです。やった!!これで釣りが出来る!!と喜んだのもつかの間。どれもこれもお子様釣具セット状態なのでした(;_:)。ここでは釣りはまともなスポーツとしての市民権を得ていないようで、日本の様につり竿、リール、浮きEtc...と言うように単体ではほとんど売っていません。つり竿、リール、釣糸、針などがすべてセットで売っています。私達はそのときぜんぜん釣具を持っていなかったのでそれはそれで嬉しいのですが…。
しかもどれもこれもしょぼい…。日本できちんとした釣具を見ている眼にはすべておもちゃにしか見えません。細い竿。すぐに壊れそうなリール。子供向きの絵がかかれたパッケージ。おまけに、道糸とテグスの区別がありません。はっきり言ってこんなもん、日本だったらゴミです。しかもそれが、300ペソ(3500円)とか、600ペソ(7000円)とか信じられない値段がします。それを見たとき、「ああ、日本から持ってくれば良かった…。日本だったら800円で買える物がこっちでは6000円もするよ。まるちゃんビックリだよ。」としみじみつぶやいてしまったものです。
ですが、釣りをすると言う目的完遂のためにはそれにめげてはいけません。がんばって探してみました。歩く事2時間。ウィンドウショッピングをする事4時間。がんばりました。そしたら、それはそれなりに結構イイモノが見つかって。嬉しいですね。
と言う事で、これが私達の買ってきた釣具です。結構がんばって探したのですが、これでもそうとうしょぼいです。(;_:)
リールの回し手はなぜか左手で操作するように出来ていますし。日本ではこれはほぼ必ず右手です。あまりにも使いづらそうなので、右手用はないかとさんざん探したのですがありませんでした。ガマンするしかありません。
釣り竿は写真で見ると結構よさそうに見えるのですが、時々伸ばした継ぎ手がもどんなくなったりする中国製。
浮きは、日本の芸術品のような浮きとは似ても似付かず、ただのピンポンだまに近い物があります。あと、こっちではえさ釣りはあんまりメジャーでは無いようで、ルアーばっかり売っていました。私はルアー釣りはさっぱりした事が無いのですが、郷に入っては郷に従えと言うことで、ルアーも2個購入。
さて、これで釣果はどうなるでしょうか?私は大きな3メートル級のバラクーダが釣れると思っているのですが。(爆)